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ひよこ男のVRMMO  作者: 黒猫傘
1. なった。こうして俺はヒヨコとなった。
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なんでやねん!(如何してこうなった?思わず関西弁になるほどの驚き)

「んな、何なんだよあのド変態ヤローは!」


「アレは一応、この世界『インフィニティア』の神の一柱、鳥神ヴィゾーヴニル様です」


 思わず、素で放った俺の魂の叫びに反応した受付さんに申し訳なさそうに答える。


「神?あんなド変態が、か?」


「はい。あのド変態が、です。勿論、マトモな神々もいらっしゃるのですが、あの方はとても変わってタイプの神です。出来れば私達の世界の恥部を渡り人様の方々にはお見せしたくはなかったのですが…」


「ほほぅ?流石は我が眷属の候補者よ。既に我が巫女であるポプラと懇意にしておるとは天晴れなり」


 受付さんの会話に割り込んできた鳥神ヴィゾーヴ…っ、いってー舌を噛んだ!面倒臭え、あんなのはド変態で充分だ!受付さんにも通じてたしな。あれ?そういえばあのド変態、何か変な事を言ってなかったっけ?


「巫女?」


「………はい。ヴィゾーヴニル様は冒険者の守護神でもありますので冒険者ギルドの職員の大半は信奉しています。色々あって今は私がヴィゾーヴニル様のお声を伝える役目を負っています」


 受付さん、ポプラさんと言うらしいが恥ずかしそうに言う。そうだよな、あのド変態の巫女なんて知られたくないよな。


「ふぁーはっはっはー!さぁ、おしゃべりはここまでだぞ!我が眷属には試練を受けてもらうからな!」


 おい、いつの間に眷属とやらになった?ここはチュートリアル空間じゃなかったか?などと思っていると頭の中でポーンと言う音が響き、眼前のボードにシークレットユニーククエストの強制参加が鳥神ヴィゾーヴニルより宣告させました。な、ん、だ、と!巫山戯んなよ!断固拒否する!


「はーはっはっはー!我が眷属には拒否権は無いぞ!」


 そんなもんになった覚えはねぇ!つーか、何で心の中の台詞に反応してやがるんだ!


「ふぁーはっはっはー我は神だからな!それにほれ、これで我が眷属だと言うことは否定出来んぞ!」


 ド変態が(のたまう)と再びポーンと頭の中で音が響き、眼前にボードが現れて称号、鳥神の眷属、冒険神の試練を受けし者を得ました。だと?っざっけんな、ぶっころしてこの称号叩き返してやんよド変態ヤロー!




 ーーー



 はい、ぶっころされました~。やべぇ、いつの間にかトーテムポールにロープが張られて処刑台(リング)が完成していた。その中で何度もプロレス技を掛けられて何度も殺されたよ。


 その度に受付、いやポプラさんがド変態の言われるままに何度も謝りながら蘇生してくる。その回数256回、流石にそれだけぶっ殺されると萎えるわ。もう終われと思っていると


「ふぁーはっはっはー良いぞ、我が眷属よ!まさか此処までの気概を示すとは!我が眷属の焔の如き意志、しかと見届けた!


 ならば行け、我が眷属ならばその雛鳥の装いの真の姿を見る事も叶うであろう。しかし、言っておくぞ、どのように偽ろうと装いは我が眷属の元に駆け付けるだろう」


 はぁ?まさかキャラデリして新しく作っても無駄なのか?


「その通りだ!さぁ、行け雛鳥の装いを纏ってな!」


 うわぁー、体が光に包まれたと思ったら目の前の景色が一瞬で変わった。キョロキョロしていると何だか見られてるような気がするので丁度あった噴水の泉を覗き込むとそこに居たのはまさにひよこ。


「な、なんじゃこりゃー!!!」


 冒頭に戻って参りました。


「不動部長!やり過ぎですよ!」


彼の居なくなった空間で私は目の前の変態筋肉に噛み付くように言う。


「いやぁーすまん。つい、な?」


「つい、じゃありませんよ!もし、彼がこのゲームを止めてしまったらどうするんですか!」


「大丈夫だろ?あの目には諦めは無かったしな。それにしても秘書科のエースである君が随分と拘るじゃないか?


もしかして惚れたか?ちっとも浮いた話を聞かない氷のお姫様にもついに春が来たのか。叔父さんも嬉しいゾ!」


「そ、そんなんじゃ、ありません!確かにちょっと可愛いかなとか叔父様に立ち向かうところはカッコいいとか思いましたけど…

って、何ですか、その顔!」


にこやかに此方を見る不動の叔父様は私の父の歳の離れた弟でよく私をからかってくるのですがムカつく!


「まあまあ。私なんて軽い方じゃないか?GGM(グランドゲームマスター)の一真くんなんてプレイヤーに化けて見回りしてるじゃないか。」


「黒木さんの場合は殆ど倍速の空間を利用してお仕事されていますし集められたデータのお陰でイベントは今のところ成功ばかりです。叔父様の様に変な格闘家キャラで目立ってません!」


『PWO』のNPCには私達、『First star』の社員が入れ替わって演じている者が何人かいます。このポプラもその一人で大体三日一度程度ですが私も参加しています。


運営側と言え仕事中にゲームをしても怒られないって幸せですね!叔父様はこの変態生物の他にやはりマッチョ。それもハゲオヤジでギルド戦技教官キャラをしています。本物はフサフサでロマンスグレーの髪がよく似合う紳士なんですけど、はっちゃけ過ぎですよ!


はぁ、それにしても彼は大丈夫でしょうか?ちょっと、心配ですし、このまま冒険者ギルドで待っていればきっと直ぐに会えますよね?

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