きんにくちょうじんゔぃぞーゔにる(筋肉鳥神ヴィゾーヴニル)
宝箱から出てきた物、それは
「何々、万能の可能性、雛鳥の装い一式?なにこれ?」
「い、いけません!早くインベントリに仕舞って奥深くに封印して下さい!早くしないとあの方が来てしまいます!そうなると不味い事に…
「ふぁーはっはー!遂に現れたのだな、我が眷属と成り得るに相応しき者が!」
…あ、あぁ、既に遅かったのですか。ケイ様、私は王都の冒険者ギルドでも受付業務をしていますから困った事があったら何でも相談に乗りますから諦めないで頑張って下さい」
慌てた様子の受付さんの言葉を遮るように馬鹿デカイ声が響く。いつの間にか生えてきた四本のトーテムポールの一本にヤツは居た。ヤツが現れた事を察した受付さんは諦めの表情で俺を見て励ましてくる。何故だかとても嫌な感じがビンビンする!
しかし、このままでは状況が進む訳ではないので一瞬、視界に入ってから出来るだけ見ないようにしていたヤツの方を見る。
そこに居たのは黒光りする筋骨隆々の大男、頭には本物と見間違えそうになるほどリアルなニワトリのマスク、裸の上半身にはニワトリの翼をイメージしたマント、下半身は黒いブーメランパンツとオレンジ色のブーツを履いたド変態が両手を挙げてYの字の状態でこちらを見下ろしていた。