ちんぴらりたーんず(そう甘くはいかないもの)
姫ちゃんズが御来店してまもなく路地裏から此方を見ている黒い影、まあ御察しの通り娘大好きお父さんが猫グルミ(小)の姿で影から頭を半分だけ出して此方を見ているのは凄くシュールだ。
ケイはおチビちゃんの1人を呼んでホットドッグ(集中力アップ)を持たせて差し入れをしておく。
おチビちゃんからホットドッグを受け取ったクロは体の半分まで影から出すと此方にペコリとおじぎをしてからホットドッグを食べて包み紙をおチビちゃんに渡すとまた影の中に引っ込んでいった。
帰って来たおチビちゃんから
「ネコちゃんがありがとうって言ってたよ~」
と言う伝言を受け取り一段落着いたところで店を閉めようとした時
「兄貴!この店です!この店が昨日言った俺達に嘗めたマネしてくれやがった店です!」
何だかつい最近聞いたような鬱陶しい声が聞こえるなー。
「あっ、さっきの女の子が買った物を売ってくれ」
その兄貴なる人物は呑気にそんな事を言ってくる。
「ちょっ!あ、兄貴!」
「五月蝿いな!良いだろう別に!旨いって評判なんだから食わせろよ!」
そんなやり取りをしているところに
「あ~アレは渡り人用の物だし、もう材料が無いから無理」
ケイがソーセージを焼きながら言う。
「え~今焼いてるソレは何なのかな?」
「コレは従業員の賄い用だよ。それよりもそこの凸凹トリオはスタンリーさんの舎弟だったの?」
既に兄貴なる人物の事を知っている様子だ。何故なら
「迷惑だから何とかしてよ。でないとモンスター戦の後のクッキングショーを止めるから」
この兄貴なる人物はケイを裏闘技場にスカウトしたスカウトマンだったからだ。
「それは困るって!今旨いって言われるモンスター集めてるんだよ。それなのに止められたら俺っちは破滅だ!オヤジにブッ殺される!て言うか俺っちの客にお前らはなにやったんだよ?」
「コイツら俺にショバ代払えとか言うからお帰り願っただけだよ」
「何をやってくれてんのお前ら?この屋台には商業ギルドの札と黒猫マークが付いてるじゃないか!彼処とやり合う事になったらベロッゾファミリーでもタダじゃ済まないって分からないのかこのバカが!おい、連れていけ!」
こうしておバカなチンピラトリオは黒服さん達に連行されていきましたとさ。
おまけ、スカウトマンことスタンリー=ベロッゾはケイにしつこくホットドッグをねだった為に黒猫さんに連行されていきました。




