うらがわへのいりぐち(怠惰鳥と暴食竜は入口へ)
目隠しされて連れ回されて漸くやって来た薄暗い部屋で目隠しを外されて2人なったところで
「ふぅ、何とか作戦の第一条件はクリアしたね。あのスカウトマンが思ってた以上に高位の幹部だったのは想定外だったけどこれで俺達の位置を確認しているベルさんに此処の大体の場所は知らせることが出来たから良いかな」
ケイが落ち着いて一息ついてから成果を口にすると
「あ、あの私は全然準備出来てませんよ?」
いきなり裏闘技場の舞台に立たされることになったアリーが不安そうにしていると
「大丈夫、大丈夫。いきなりはPvPはさせないみたいだよ。最初は御披露目にPvEをさせられるみたいだから」
そう言ってケイが気を楽にさせようとしたのだが
「あのケイさん、そのPvPとかPvEとかって何ですか?」
ここでアリーのゲーム初心者が炸裂する。
「あ~ごめんね、そう言えばアリーさんはゲーム初心者だっけ?最近は上手く戦闘を熟してるから忘れてたよ。
PvPはプレイヤー ヴァーサス プレイヤーの略称でつまりは対人戦闘のこと。
PvEはプレイヤー ヴァーサス エネミーの略称で対モンスター戦の事を言うんだ。
今回は捕まって剣奴にされてる『獣の装い』の所有者が本当に此処に居るかを確かめないといけないから勝ってPvPをやっているランクまで上げないといけないから頑張ろう」
「はぁ、そうなんですか。でも危ないかどうかは関係無いですよね?」
「そうだね。でも何とかするよ」
どうしたことでしょう!あの消極的で怠惰系な精神のケイがこんな自信を持ったセリフを言うなんて!どうやらイベントの熱がまだ心の中で燻っていて炎を吐き出すチャンスが欲しかったのでしょう。
アリーはケイにそう言われてただ付いて行こうと思ったのでした。
「おい、お前ら時間だ!さっさと来い!」
スカウトマンとは別の男、どうやらコイツは下っ端のようで粗野で下品だ。
「チッ、兄貴はどうしてこんな巫山戯た格好の連中を連れてきたんだ?まあ良い、精々喰われないようにするんだな」
コロシアムの入場口まで連れてきたチンピラはそう言って立ち去る。
「はぁ~やっぱり大型獣と戦うのかぁ。ここ最近は散々狩ってたから問題無いよね?」
「アッハイ」
あ~これはもう何を言っても駄目だと思ってしまってテンションが下がったアリーであった。




