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ひよこ男のVRMMO  作者: 黒猫傘
20. 開幕。最速王は誰だ!?レースイベントの開幕。
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ひよこのせんせーせいとがぞうしょくする(あれ?何でこんなに居るの?)

「ちょっとケイさんの所に挨拶に行って来ます」


 初日、2日目をトップで駆け抜けたチーム『夜行』の事実上のリーダーである夜一がパーティメンバーに声を掛けると


「あ、私も行きます!」


「では我輩も行こう」


 AkiとMANATOの双子コンビもついて行くと言うと


「じゃあ俺も」


 狂と相性最悪なコーウェンもついて行こうとするが


「コーウェンくんはちょっと遠慮して此処で待っていて下さい。じゃあMANATOくん、Akiさん行きましょうか」


 前回やらかしたコーウェンを連れて行くほど夜一は頭がお花畑ではないのでサクッと却下して双子を伴ってケイ達『ひよこの行商隊』の停車地点へと向かう。


 こうしてコーウェンは狂と凪の二人と一緒にされて凪に気を使われる度に狂から殺意の波動の籠った視線と言うか死線を浴びせられて胃にダメージを負うのだった。








「えっと、これは一体?」


 ケイの停車地点に到着した夜一達だったが其処には料理番を任されたアリーとその料理番が味見と称したつまみ食いをしないようにお手伝いと言う名の監視役を任されたパーシーだけしか居なかった。


 二人に挨拶にするとケイとルーカは城壁外に居るよと言われて城門をくぐった夜一の第一声が困惑の言葉だった。


「ししょ~!何やってるんですかー!」


 城門から距離があったのでAkiが大声で声を掛けるとケイが手招きする。


「Akiさん、師匠は止めてくれよ。このままじゃマジで定着しちゃう」


 夜一達が近寄って来たケイの第一声がこれだった。


 其処ではルーカや姫ちゃんズ、それと主に中高生だと思われるプレイヤーが数人、思い思いの魔法を的に向かって放っていたのだった。


「はぁ、これなんだけどちょっと黒猫さんに姫ちゃんズを預かって欲しいって言われて預かったんだけど、キティちゃんがまた魔法の練習を見て欲しいって言ったから此処で練習してたらチーちゃん達もやって来て其処から増えてこんな事になってしまったんだよ」


 溜め息をつくケイはどうしてこうなったと言わんばかりの肩を落とす。


「チーちゃんって、『月見兎』のクラマス『舞い踊る治癒術師』のチェルシーか?ひよこ殿はまた随分な大物と何処で知り合ったのだ?」


 疑問に思ったMANATOがケイに聞く。


「チーちゃんとは別のゲームの知り合いでね。このゲームでは今日久しぶりにあったんだ。前のゲームでは少し世話を焼いたからか此処でも慕ってくれて何故か此処でも魔法の練習を見る事になってしまったんだ」


 こうしてケイが有名な術者であるチェルシーだけでなくAkiにも師匠と呼ばれていた事やMANATOと普通に会話していた事で他の中高生プレイヤー達はひよこさん、いやひよこ先生もしくはひよこ師匠は凄い人と噂が広まっていくのだった。

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