しょうじょとともにようじょをそえて(あれ?何だか嫌な予感がするぞ?)
「そ、それは着いて早々から大変でしたね。すみません、ウチの父と母が御迷惑を掛けてしまって」
「いや、大丈夫。道具屋のジジイやあの神官に比べたら全然大丈夫だよ」
「そう言って頂けると助かります。おとう……父の天然ボケはそこまで周りに影響が出るものは少ないですが、母の傍若無人っぷりには本国の首脳陣ですら頭を悩ませているくらいですから」
おぅ、あの人の傍若無人はそこまでなんだ。
「唯一のストッパーが父なのであの通りなんですよ」
あれでストッパーかぁ、教会も大変なんだね。
彼女、エリーゼさんは普段なら緊張して絶対にどもるクラスの美少女なのだが、話してみると何となく中の妹が高校生くらいだった頃と同じような感覚になって結構普通に話せている。そう言えば気になっていたことがあったので聞いてみることにするとしよう。
「そう言えば、気になっていたんだけど何で君のお父さんとお母さんは姓が違うの?君の国は夫婦別姓なの?後は『氷刻』とか『華焔』ってなに?」
「あーそれはですね、父のヴォルシュテインと言うのは無敗の剣聖が名乗ることを許された称号ですね。
母の方のアークスは現在の拝領地、つまり、あれでも母はアークス侯なんですよね、はぁ。それでパーツィヴァルは教区の『騎士団』の『円卓』の称号のひとつです。
えっと、ウチの国は教皇聖下が治める東側半分を教区、導主陛下が治める西半分を導区と呼んでるです。それで教区の天騎士が所属しているのが『騎士団』と『元老院』のふたつが有って『円卓』は『騎士団』の各団長が拝名する称号なんですけど、よく分かりませんよね?
簡単に言うとおかあ…母は教区の騎士で序列30位以内に入ってるということになります。国全体で見ても騎士4万人の内の60位以内に入ってます。すみません、あんなのが国を代表するような騎士ですみません」
あ~うん、女王様は侯爵様でしたか。つまり、目の前の彼女は侯爵令嬢ですか。
「ウチの国、爵位は一代きりなんです。だから、私は準男爵なんで騎士になりたての士爵に毛が生えた程度なので偉くなんてないですよ。因みに父は伯爵なのでそこそこ偉いです。
そうじゃなくて天剣名の説明をするんだった。父の『氷刻』、母の『華焔』と言うのは所持する天剣の名前です。教会騎士は上級騎士となった際に天剣と呼ばれる強力な剣を得ます。父達が言うには天剣の方が相性の良い騎士を選んでいるそうですけどね。それで多くの場合は最初に得た天剣がその騎士の異名となるそうです。それが父の場合は『氷刻』で母の場合が『華焔』と言う訳です」
てな具合に説明やらなんやらを話しながら進んでいく。
「そう言えば、父から貴方に渡して欲しい物があると言われていたんです」
エリーゼさんからカードのようなモノを受け取った時、パンパカパーン!とファンファーレが頭に響く。ログを見てみると
[エクストラユニークミッション:王国に潜む悪しき影を教会側にてクリア致しましたのでロマリア教導国のルートが解放されました。解放者名通知の許可を致しますか?]
はぁ?ナニコレ?もしかしてなんかやっちゃった?取り敢えずNOで!
その後、運営一斉通知にてロマリア教導国の解放が知らされ一時パニックになる。どうやら貰ったものは通行許可証だったようだ。でもバレたらえらい事になりそうだから暫くは行けないなぁ。等と考えていたその時に
「おい、貴様!その背中に居るのは道具屋のメリルたんか?」
おぅ、待てよ、つい最近に似たような台詞を聞いたぞ?正直、まだ変なのに絡まれるのかよ!




