びあんゔぇにゅーあんだんじょん(先に進もう!)
完成させた戦闘糧食をポリポリと齧るアリー。取り敢えず満足度は低いが食べられる物にはなったらしい。因みにケイとパーシーは1本、ルーカは半分で満腹、つまり空腹値0%になる代物を何本もポリポリと食べているアリーの燃費の悪さは『獣の装い』の中でもトップクラスである。逆に燃費の良いケイやルーカと比べてやるのが酷かもしれないが。
一先ず変装は使えないが戦闘力は確保出来た。罠解除の手段もある。索敵と回復もあるという事で先に進む事に決めたひよこ御一行であるがアリーが居たこの広場から伸びる3つの通路をどちらに進みかを今の状況ではイマイチ決めかねるので話し合う事にする。
「取り敢えず俺が来た道は一本道でゴブリンは殲滅してあるからリポップまでは出ない筈だよ」
先ずはケイが自分が通って来た道の情報を出す。
「えっと、私が来た道はそこらじゅうが穴だらけで敵が数多く潜んでいるのでオススメはしません」
次に情報を出したのがルーカ。予め『飛鼠の装い』で穴倉をスキル反響定位で確定させていたようだ。現在は暗がりで有効な装いが使用不可の為に行きたくない様子だ。
「私の方は更に下に降りる階段がありましたね。洞窟の中に何故と思っていたんですがダンジョンだったからなんですね。一応マッピングしてありますから直ぐにいけますよ」
パーシーは探索を優先していたようで地下への道を発見していたようだ。この道が正規の入口か最深部に繋がっているかは分からないが現在 一番の有力情報である。
「何だか罠っぽい気もするがその階段へ行こうか?どうも俺達の神とやらの性格を考えて俺の来た方角は罠は無いが数多の戦闘が待っていそうだ」
「という事は私が来た方角は根暗が陰湿に考えたトラップ地獄ですか?」
「はぁ、階段の先にはどんな陰険な策謀が巡らされているんでしょうね」
「あぅ〜此処に居ては傲慢に強者の玩具にされてしまいそうなのでサッサと移動しましょう!」
其々の神の性格を把握し始めた面々。鳥神は豪放にして磊落、鼠神は根暗で陰湿、犬神は陰険で姑息、龍神は傲慢かつ我儘と言う事が分かっている。その上、神とやらは喉元過ぎれば熱さを忘れるモノらしく、散々天照達に説教を受けているのにこの様にユニーククエストをブチ込んでくる脅威の性格だ。
あのアリーですら既に厄介だと思い始めた龍神のエリアは危険だと階段へと向かうひよこ御一行であった。




