つぎからつぎにやっかいごとがとびこんでくる(何だこの胡散臭い顔を弄り過ぎて面白い事になっているバカは?)
ウザったい視線を無視してショコラに騎乗してココア、ベリーの轡を引いて移動するケイにルーカはバニラに乗って黙って着いていく。
「ルーカさん、ああ言うのは嫌だと思った時点でGMコールしちゃって大丈夫だからね」
ケイが振り向かずにそう言うと
「すみません。ちょっと怖くて何も出来ませんでした」
そう言うルーカはちょっと震えているようだった。
「こっちこそごめんね。ショコラ達が一緒だからって女の子を知らない街で一人にするべきではなかったね。もしあの連中がもう一度現れても黒猫さんに何とかして貰うから大丈夫だよ」
「何んですかそれ?そこは俺が何とかするからってケーさんが漢を魅せるところじゃ無いんですか?」
そう言って笑うルーカを見て少しホッとしたケイ。
「いやいや、俺が何かやったところで変に拗れるだけさ。ならクロさんにお願いした方が確実だよ」
などと話しながら待ち合わせの北門前に到着するがアリーとパーシーの姿が見えない。
辺りを見渡すと二人が居たが周りを取り囲まれている。
「ルーカさんは取り敢えず隠れて何時でも狙撃出来る様に準備してて。俺は二人を拾ってくる」
そう言ってケイがとある人物にメッセージを送ってから二人の所にショコラ達と駆けていく。
「二人ともどうしたの?」
ケイがショコラ達に集団を飛び越えるよう指示を出して二人の元へ駆け付ける。
「っんだ、テメェ!無関係なヤツは引っ込んでろ!」
いきなり喧嘩腰とは面倒くさいと思いながらも
「この二人は俺のパーティメンバーだ。そちらこそ何だ、盗賊か?悪いが俺達は金(銀行に預けているから)も装備(装い所持者は要らないから)の持ってないぞ」
態と大きな声で言うと城門の方が騒がしくなる。
「俺達は盗賊じゃねぇよカス!俺達の縄張りで勝手に狩りをしたからドロップ品を寄越せって言ってるんだ!」
ケイが二人の方を向くと
「その人達は私達がゴールデンラビィを狩った後にこんな風に取り囲んで来たんです」
パーシーが説明する。
「何だやっぱり盗賊じゃないか。抑、此処は誰の土地でもないフィールドで縄張りとか言ってるだけの迷惑プレイヤーだろ?サッサと散ってくれよでないとGMコールするぞ」
「まあまあそう怒らないで下さいよ」
GMコールしようとしたケイに造り物感が半端ない、恐らく自分の顔からかけ離れたキャラメイクをしたイケメン(笑)が声を掛けてきた。うわっ、また変なのが湧いたぞこの野郎とキレそうになるケイであった。




