けんせいのうらのかお?(え、貴方は誰ですか?)
「だからその鈍を素の状態で使えって言ってるの。何、サラッと刃を生成しようとしてるのよ。鈍器として使う分にはタダの棒でしょ?」
「え?いやいや、幾ら私でも見栄えとかって気にするよ。教会の剣聖が棒で殴るってちょっと無いと思うんですけど?
そんな事になったら『鈍器の剣聖』とか『棒っきれの剣聖(笑い)』とか不名誉な通り名までついちゃうから!」
それ………面白いと思います。
「ふぅ、不名誉ねぇ?
それなら既に『天然の』とか『空気の読めない』とか言うのはあるから今更ひとつふたつ増えたところで問題無いでしょう?」
あーやっぱりそれが共通認識なんですね。
「あのエレンさん、俺の通り名は一応は『白閃』なんだけど?
流石にそんな不名誉な呼ばれ方はしてないよ」
多分、裏では呼ばれてるんだと思いますよ救世主様。それにしても俺の空気感がパネェ事になってるんだが?
なんかやたらとNPCが強過ぎないか?よくもまあ他のプレイヤー達はイベントをスイスイと進めるものだよ。
「ハァ、そうね。アンタがそう思うのならそうかもね」
残念なモノを見るような視線をマルクスに送るエレン。
ありゃ、何だ?
なんだか変な違和感が感じるんだが?何だろうとそこに視線を動かそうとすると
「ねぇキミ、ワインも頂戴!こう寒いとホットワインも飲みたくなっちゃった。
(見ちゃダメ。良いから何も分からないって装いなさい。)」
な、何コレ?何が起きてる?
意識が今起きている現象に傾きそうなった時、
「(コレは通信術式の応用で言葉にしないで相手とコンタクトを取る裏ワザってところかしら?
キミも気付いたアレなんだけどさ、一応は暗殺者みたいだからヘタに勘づいたと分かったら殺りに来るから放置なさい。どうせ直ぐに終わるんだからね。)
ねぇ、早く出してよ!早く、早く!」
エレンさんの説明によって引き戻される。
お、おうこれが通信魔法ってヤツか。ケータイみたいなモンだと思ってたけど、感覚的にちょっと訳が分からない。ウン、脳に直接語りかけてくるっていうのだろうか?不思議な感覚だ。
恐らくひよこフェイスも方も驚いてるんだろうけど、エレンさんがガクガクと肩を揺らしているからそのせいだと周りは感じるだろうな。
ヤバい、だったらこの二人は態と暗殺者を泳がしてるのかよ。逃げるヤツがいれば追跡者が黒幕を確認して一網打尽にしようって魂胆か!
でも、性格とかは素なんだろうなぁって思うのは俺だけか?
「異教者め、しねぇー!」
アサシンの一人がコント劇場に焦れたのかマルクスの背後から襲い掛かる。
「奇襲なのに叫ぶとかバカなの?」
振り向き様にいつの間にか鞘ごと剣帯から外していた剣の柄頭でアサシンの側頭部を殴って意識を刈り取り、壁まで吹っ飛ばす。壁に激突したアサシンは跳ね返ることなく壁に冷気で磔になる。
「バカにお前だ!ソイツは囮でしかない!」
二人目のアサシンが天井から飛び掛かるが
「だから何で奇襲なのに叫ぶの?」
マルクスは鞘に入れたままの剣で突きを入れて二人目を天井に磔にしてしまう。その眼はまるでつまらない演劇でも見ているかのようだ。
これは明らかに先程までとは纏っている空気が違うと思い知ってしまう。その氷の様な冷たい視線は相手を見透かしてるかの如く暗殺者達を無力化してしまったのだから。
あれ?そう言えば捕らえ損なったのは三人って言ってなかったか?
「この女たちのいの……」
突如後ろから現れたアサシンは最後までセリフを言うことも出来ずにいきなり吹き飛んだ。
は?何が起こったんだよ?




