いんぼうのくえすともかいし(本当に碌でなしの神達)
「ルーカさん、今度のイベントの最終目的地って何処だか知ってる?」
ケイが答えを知ってるのにも関わらずワザとルーカに質問する。
「えっと、確かエミリア公国の…あっ!」
その質問によってルーカは気付くがアリーはまだ気付かない。
「そうエミリア公国首都ヴォローニャのコロシアム。パーシーさんを助けても助けなくても結局は巻き込まれる可能性が高い。という事でパーシーさんを助けようと思いますがどうでしょうか?」
予選レースも勝てると決まった訳ではないのに、仕方無いのでケイがもう逃げ道がないと言った感じでパーシーを助けるよと言う。
「ケーさんが良いと思うなら私は構いません」
「私も良いですよ」
「なら決定。パーシーさん、嫌だと言っても此方は勝手に助けますから覚悟して下さいね」
「み、皆さん、あ、ありがとうございます!」
「取り敢えず今は奥の部屋を使ってゆっくりと休んで下さい」
ケイが先ずは疲労が抜け切ってないパーシーを休ませる事にする。
「すみません。お言葉に甘えてもう少しだけ休ませて貰いますね」
そう言ってパーシーが奥へと引っ込む。
「ではこれからどうするか話し合おうか」
パーシーが貸し出された一番奥の部屋に引っ込んだのを確認してからケイが2人に言う。
「へぅ?パーシーさんを助けるんじゃないんですぅ?」
「実は俺はパーシーさんの事も疑っている。このタイミングで何で逃げられたのか、スラムが近いからと言って何故此処に来たのかと怪しいところがあるからね。ルーカさん、パーシーさんの様子はどうだい?」
「本当に寝ているようですよ。さっきの話にも嘘は無さそうですけどあの人が私のスキルを超える偽装スキルを持っていないとは限りません」
「ん、なら問題無いのかもしれないね。何かあれば…」
ピロリーン!神の託宣が下りました。
[月読です。龍神と犬神の件はそれぞれ確認が取れました。現在姉と弟がお仕置き中です。竜、犬の装い所持者両名を保護して頂いた事を感謝致します。犬神の話を聞く犬、竜の他にも2名の所持者を送り込んだとのこと、申し訳ありませんが正式にクエストして依頼致します。残る2名を救い出して下さい。この件に関して我が眷属及び弟の眷属を頼ると良いでしょう。では残り2名が誰なのか尋問してきます。分かり次第お伝えしますから宜しくお願いします]
「………パーシーさんは完全に白になったね。アリーさんも街を早く出て正解だったと。アリーさんとパーシーさん、それと俺は強制参加。ルーカさんは任意だけどどうする?」
「私も行きますよ!」
「だよね。先ずは予選レースに勝手堂々とエミリアに乗り込もう。でも先に月読様の弟の眷属が誰なのかクロさんに聞いてみよう」
こうしてケイは再び陰謀渦巻くユニーククエストに挑む事になったのであった。




