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ひよこ男のVRMMO  作者: 黒猫傘
17.イベント。三匹の獣の初イベント。
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ねずみさんおこられる(俺のブラザーハートに火が着いた!)

「それでルーカさんは朝食は食べたのかな?」


 少し気になったのでルーカに聞くケイ。


「え?いえ、その…」


 その質問に言葉を濁すルーカ。


「だったらしっかりと朝食を食べて色々と身支度してからもう一度ログインしておいで」


 ここでケイのお兄ちゃん(ハート)に火が着く。


「で、でも…」


「いいから行っておいで。でないとレースには出さないから」


 言い訳させずにぴしゃりと斬って捨てるケイ。


「はい、ちょっと失礼します!」


 ルーカがケイに負けてログアウトする。


「アリーさんは大丈夫ですか?」


 今度はアリーにも朝の身支度が済んでいるのか質問するケイ。


「私はいつも朝は早いので大丈夫です。それよりもその、えっと、ポチちゃんと現実で話したんですけど、その、私はこのままケイさん達と一緒にゲームがしたいです!」


「そうですか、別に良いんじゃないですかそれでも。なら改めましてよろしくお願いしますねアリーさん」


「あっ!は、はい、よろしくお願いしますケイさん!」


 思ったりもすんなりと良い返事を貰えたアリーであった。


 その後、ルーカを待つ間に調薬をする事にしたケイはアリーを連れて店舗の方へ移動する。


 店の中と言っても開店はまだ先の話で内装もまだ済んでいないがよくもまああの短期間でこれだけの建物が建ったものだと思いながら調薬キットを使い薬を作っていく。時々アリーの方から「あぅ」とか「ひゃっ」とか言う声が聞こえてくるのはすりこぎ棒をへし折ったり、すり鉢を割ったりしたからだ。これでも毎回道具を破壊していた時に比べるとスキル『手加減』が成長した事が伺える。アリーさんのDEXと壊滅的、AGIはやや絶望的に低いからね。俺はMIDが死んでるし、VITも終わってるから人の事は言えないけど。


 そんな風にアリーさんが壊す度に安物、初心者製作者の作ったものをまとめて買い叩いた道具と交換しながら調薬を進めていく。なんせ来週まで結構な量の薬を『ケットシー』からお願いされたからね。だから開店自体も遅らせるが元々は別に店を持つつもりはなかったから問題はない。


 そんなこんなでアリーさんが何とか初めて作ったポーションが初心者ポーションよりぺっぽこだったり(1分間に1回復。持続時間10分)、毒薬なのに高性能なバフアイテム(但し毒薬なので服用後10分で死に至る)なんかを作り出してどうしようか考えていた時だった。


 初めにドンッ!と大きな音が入口でした。恐らくは何かが入口のドアにぶつかったのだろう。その後にトントントンと弱々しいノックが響く。俺はアリーさんに武装してもし何かあれば後ろから槍で攻撃するように伝えてからドアを開ける。


 そこに居たのは何やら白いモコモコだった。そのモコモコから


「た、助けて下さい」


 と弱々しい声が聞こえたので警戒しながらもアリーさんと二人で店内に引っ張り込む。

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