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ひよこ男のVRMMO  作者: 黒猫傘
16.開店。ひよこさんの薬屋の開店。
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ぞくぞくひよこやのせつりつ(早速建築入りまーす!)

 気付けば王都の外壁の隅、スラムにほど近い場所にお店が建つ事になりました。そして今はポンコツ設計士に変わりスラムの人達を使って現場の指揮を執ってます。


「どうしてこうなった?」


 そう思わず呟いてしまいました。


「それはケーさんが未発見レシピを大量に見つけた上にそのレシピを再現出来るスキルをまだ極限られた生産者以外育っていなくて作る事が出来ないからです。特に薬に至ってはケーさん以外無理だって話じゃないですか」


 呟きを拾って答えてくれるルーカさん。どうも薬師は不遇職のようだ。錬金術師のスキルのひとつ調剤がある為、戦闘系スキルを持たない薬師のスキル調薬を上げている者は居ないらしい。生産厨のコウくんですら中級薬師までしか上げていないと言うから不遇っぷりが伺える。


「そう言えばかなりお金使ったけどまだ9000万Lくらい残ってるんだよね。取り敢えず『ひよこ商店』に6000万、残り3000万を3人で山分けにするけど良いよね?」


 話題をお金の話に変えると


「あ、あの私達は何もしてないですよ!」


 ルーカさんが慌て出す。


「ん?一緒に遊んでくれてるじゃん。それにアリーさんの食費を出すのが当たり前になったら嫌だし。だったら個人のお金も必要でしょ?そうなるとアリーさんだけにお金を渡すのはおかしいからね。まあソロでは無くなったけど偶にうろちょろ出来れば良いし。こうなったら他にも困ってる『獣の装い』保持者を集めてクランでも結成するかな」


 そんな感じにルーカさんと話していると


「良いな良いな〜俺、今回はタダ働きだよ。クランにそこそこ貢献してる筈なのにお金は全部一度嫁のところに入るんだよ~」


 なんかウザい感じで絡んで来たのは黒猫商会から派遣されてきた敏腕設計士改めポンコツ設計士ことハッチさんは早々にコミュ障を発動して使い物にならなくなったので代わりに何故か俺が現場の指揮を執っている。もう直ぐしたら建築材料を持って東雲工房建設班が来てくれるらしい。


「アリーさ〜ん、その辺も更地にしちゃって下さ〜い!」


 ポンコツ設計士のマニュアル通りにウザ絡みをスルーして人間重機と化したアリーさんに指示を出す。彼女も快く仕事をしてくれているのでとても助かる。


「アリーさんの為に開いた土地で畑でもやろうかな?そうすればスラムの子供にも定期的に仕事をあげられるか。どうしようかルーカさん?」


「うーん、お店の方に余裕が出来てからで良いんじゃないですか?取り敢えず黒猫商会さんから従業員の教育係さんも貸して貰えるみたいなのでずっと店に居る必要は無いと言っても売り物を揃えないといけませんし。」


「まあその辺はぼちぼちとやっていくか。後は次のイベントの予選登録は終わったらレースの練習か」


「確かチームで車、この世界だと馬車や竜車を駆ってチェックポイントを通過してゴール到着タイム、チェックポイントでのミニゲームのポイントで優勝者を争うんでしたっけ?まさかイベントに参加出来ると思ってなくて調べてませんでした」


「それは俺もだよ。公式サイトだと予選は周回コースのタイムアタックで決まるらしい。まあ頑張って馭者スキルを獲得出来るように3人で頑張ろうか」

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