ぞくひよこやのせつりつ(どうしよう置いてきぼりなってるけど?)
「分かりました。では奥の商談スペースに参りましょう」
そう言って商業ギルドの受付さんが俺達を個室へと連れて行ってくれる。
「んじゃ、これが道具屋のアミィさんからお詫びの印と渡されたルルド族の薬に関するレシピの翻訳分の一部と屋台通りに居た謎のオッサンから渡された過去の料理王?のレシピの翻訳分だよ。」
どちらも古代文字で書かれていたからスキルポイントを使って考古学と言語学を習得して翻訳を進めていたモノだ。分かった事はルルド族の薬のレシピはアミィさんの分だけでは不十分なモノもある事、屋台通りでレシピを渡してきた謎のオッサンは今代の料理王の弟子の一人で何処かの国から逃げている事、レシピのせいで俺も追われる可能性があるのでさっさと情報を開示してしまいたい。
「「ん?ちょっと待って(えや)」」
黒猫商会組と東雲工房組が集まってひそひそと話し出す。
「レシピって薬と料理の一つずつじゃなかったの?」
「みたいやね。また変なクエストに巻き込まれてるとちゃうか?」
「変なのに絡まれる前に確保出来て良かったね。ケイさん、面倒見良いからつけあがるバカも出てくる前に商業ギルド登録出来たから黒猫商会や東雲工房の所属する同盟、『大工房』に席だけ入れて貰えれば後は『にい』が対処してくれるし」
「でもどないしようか?流石に複数の激ヤバレシピを買い取るのはちょっと無理やで」
「ここはケイさんと交渉してみますね!」
そう言ってパルマがケイに意気込んで交渉を挑む。しかし、二言、三言話しただけで戻ってきたパルマ。
「ど、どないしたんパルマさん?」
「そ、それがそのレシピは纏めて売るつもりだって。その、10億でも多いくらいだから出来ればそのお金の一部で3人に見合った生産キットや無人販売スペースが欲しいって言ってくれてるの。どうもレシピを早く流して変なプレイヤーに絡まれないようにしたいみたい。ちょっとアイテムも見せて貰ったんだけどさっき見たのが簡易的な物だったみたいでコウくんの造る装備クラスの薬や料理って感じ。ど、どうしよう?」
「ちょっと『しぃ』の黒ローブに黒猫亭に行って販売スペースを確保するように伝達して来て!取り敢えずはヴェネッツィア本店とミラーノ支店のに店舗で限定販売って形を取るように!後、仕入れ先、生産者の名前は絶対伏せるようにって!」
「『ねぇ』、ケイさんが次のイベントに興味があるみたい。レース用の馬車と馬とか地竜とかで減額して貰えるようにお願いしてみよう!改造は東雲工房さんにお願いすれば予選レースも問題ないよ。」
「よしそうと決まったら黒猫牧場に連絡するわね。『にぃ』の調教した一番良い子を手配するわ!」
「ケイさんの直感に任せた方が良いかも。いっその事こっちに来る軍艦に候補を乗せて来て貰えば良いんじゃない?」
そうやってポンポンと決めていくにゃんこ姉妹に呆気に取られてぼーっとしてしまった東雲工房コンビだが直ぐに自分達もやる事を決める。
「こうなったらウチも貸しスペースなんてケチくさいのは止めていっそ店舗を建ててしまおか!店舗と生産、後の事を考えてクランの拠点に出来る場所の方がええか?どうせケーはんを囲い込むんは無理やから全力で応援してますってアピールしてる方がええやろ」
あぁ勝手にドンドン暴走していくミケシロとコウ。それを止める事が出来ずにいるパルマ。一体どうなるんでしょうか?




