ひよこはやばいものをつくってしまった(マジでどうしよう?)
「どうしたの『しぃ』?何かトンデモない物が出たって言うから急いで来たけど。あっ、ケイさん、先程は挨拶も出来ずにすみませんでした」
メッセージで呼び出されたであろうミケさんが現れた。その姿は以前の支配人スタイルでもさっきギルドで装備していた魔法使いスタイルでもなく旧帝国海軍の軍服を模した装備で身を包んでいる。それはシロさんも同じだ。
「コレはウチのクラン正装です。『にい』は凝り性なので軍艦を建造した時に軍服も作って正装にしちゃったんです。
『ねえ』、今回の大発明はケイさん。HPを40%回復する割合ポーションと能力を10%向上させるバフ付き料理だって」
「え?本当に?買う、買います!言い値で買います!一本、これでどうでしょうか?」
そう言って指を二本立てる。
えっと、2万で買い取ってくれるのかな?
「『ねえ』、ケイさんは買い取り交渉も初めてなんだからハンドサインでなく会話しようね。此処はケイさんの個人スペースだから盗聴の心配も無いんだから。
ケイさん、姉はこちらの割合HPポーションを一本200万Lで買い取ると言っていますが如何でしょう?」
私がそう言うとケイさんが後ろのお仲間さんを呼んでコソコソと話し出す。
「『ねえ』、もう少し色を付けても良いんじゃないかな?300までなら『にい』も文句言わないと言うか出せって言うと思うよ?」
「私だって500までは出しても良いと思うけど、『にぃ』が飛竜なんて余計なのまで買ったせい出したくても出せないの。それに今回はレギオン戦で使う可能性があるから出来るだけ安く大量に欲しいわ」
何か姉妹で揉めはじめたアッチはアッチでやっていて貰おう
「どうしよう?泉でお手頃調薬で作った簡易版ルルドの妙薬が200万だとか言われたぞ。この真面目に作ったHPMPが60パーセント回復するルルドの霊薬だと幾らになるんだろう?」
「どうもケーさんはヤバいモノを作ってしまったようです。掲示板を見たらHP5%回復の初心者用ポーション以外は出回っている回復剤の類いは全て固定値回復、それも最大で1000くらいしか回復出来ないのようですね。それも全て飲むタイプなので大量に使用出来ないヤツです。それに比べてケーさんの回復剤は割合回復な上に傷にかけるだけで良いので連投が効きますから比べ物にならないのでバレたら囲い込まれますよ」
「いや上限が連続5回、上限を越えたら再使用まで10分だよ。それと囲い込みはマジ勘弁だな。それだったらレシピを無料公開する方がマシだよ」
「それをするんやったらレシピをウチで買い取りましょか?そうやね、10億Lでどうやろう?」
話に入ってきたコウくんが驚きの金額を提示する。
「「私達もそれで買います!!」」
揉めていた姉妹も購入を希望する。ヤバいマジで頭がついてこないぞ。




