とかげさんむそう(最後は最終手段を使う)
それにしてもアリーさん、なんの躊躇も無くやったなぁ。
「ん?そう言えばぺドPK達のレベルが下がってる?」
「変態はリーダーだけだ一緒にすんな!レベルはテメェと夜一にやられたせいでせっかく上げたのに大幅ダウンしたんだよ!クソッ、今度は死んで経験値と金とアイテムを寄越せ!」
相手していたモブBが喚くので
「ならもっとレベルダウンしておけよ!」
クレクレマンを巻き込むように蹴り飛ばして武器を投げて止めをさす。その際にクレクレマンCも消滅するが俺のせいではない。
それにしても俺とルーカさんは居る必要があるのかね?そう思ってしまうくらいにアリーさんは強かった。天然ドジっ子の癖に戦闘に入った途端に鋭い突きを放ち、囲まれないように払う。まるで無双系のゲームのようにバッタバッタとPK達を貫いていく。まずいと思ったのかクレクレ達が妨害しようすればシッポがそれを阻む。まさに彼女の独壇場である。ルーカさんも木の上からの狙撃に専念しているし、このまま俺だけ帰ってもいいんじゃないだろうか?
「えぃ、やー」
マジで帰って良いですか?緊張感に欠けるアリーさんの掛け声と共に最後のぺド野郎が消滅したところで
「ゼーゼー、さ、さあ、俺様達がPKに天誅を下したから全てのアイテムを寄越せ!」
なんだか要求が酷くなってるぞクレクレマンA。テメェは邪魔をしていただけでPKの6割はアリーさん、3割が俺、残り1割がルーカさんだからマジで何もしていないのに偉そうな阿呆だ。
「アリーさん、ルーカさん、撤収するよ!早くしないと新たなPKが沸いてくるからね!」
俺は無視して二人に声を掛けてこの場を立ち去ろうとすると残っていたクレクレ5人が道を塞いでくる。
「良いからアイテムを差し出せ!」
そう言って武器を此方に向けて来たので伝家の宝刀GMコール!
「ほいほーい、呼ばれて出てきましたよー。何かトラブルにゃ?」
ネコの獣人アバターの女性ゲームマスターが現れた。
「いやログ見てるんだったらで知ってるでしょ?恐喝行為です。何とかして下さいよ」
「んーちょっと待ってにゃ、うん、チミ達の行為はマナー違反だにゃ。既に警告を三度無視してるからアカウントを現実で7日間停止させて貰うにゃ。次にGMコールされたら全アカウント消去もあり得るにゃ。ほにゃさよならにゃ!」
そうゲームマスターが言うとクレクレ達が消える。どうやら常習犯だったらしくアッサリと終わったぜ。
「『再生者』、『探索者』、『破壊者』の三人には我々も期待してるにゃ。問題があるようならドンドン言ってほしいにゃ。では『PWO』の世界を楽しんで旅するにゃ!」
そう言ってゲームマスターAIの一人にゃんころりが消える。




