ひよこぎるどでさいくをする(うわぁ〜凄く可愛いです!)
サーちゃんとハッチさんの夫婦コンビに両腕を掴まれ宇宙人よろしくキティちゃん達のところに連行された。そのままの状態で姫ちゃんズとルーカさん(こちらはタマさんに担がれている。)達と雑談しながら再び冒険者ギルドにやって来た。
その光景を目にしたプレイヤー達は「おい、ひよこさんが『ケットシー』のヤバい夫婦に捕獲されてるぞ!」とか「バカ、あれは姫への供物だ。ひよこさんともう一人のねずみちゃんは尊い犠牲になったのだ。」とか馬鹿話をしているのをタマさんに聞かれて黒猫フード部隊に連れて行かれたりしてたから自然と姫ちゃんズの進む道が見事に空けられて本物のお姫さまみたいになっていた。
そして、冒険者ギルドに到着した現在は姫ちゃんズは冒険者カズマの採取講習の再依頼中、ルーカさんは登録中、『ケットシー』三人組はなにやらコソコソと内緒話をしている。俺はと言うと受付嬢のホリーさんとやらに最低位Fランク、此方の世界で言う鉄級のお仕事を見繕って貰っている間にカフェテラスでぐで〜っとひと休み中だ。
ズズ~と細い筒状の植物のストローでオレンジジュースのような飲み物を啜ったり、暇なのでインベントリの中から前回の戦闘で余ったダンジョンの石とコウくんに貰った細工道具(他にもお詫びだと言ってそこそこ良い生産道具を貰った。)を取り出してコツコツと削ってみる。
コッコッと音を立てながら石を削る作業は中々面白いぞ。只、一度ミスすると石が割れてゴミになってしまうのが難点だが思い通りに出来れば絶対に気分が良いぞコレ!
「……の〜」
ここをこうしてこうすると……よし、更にイイ感じになったぞ。
「…の〜………ま〜?」
次はコイツをこうだ!ふはは、良いよ良い!サイコーだぜ。
「あの〜冒険者様〜?」
ん?誰かが呼ばれてるみたいだけど返事くらいしてやれよな。
「あの〜鉄級のケイ様、依頼の見繕いが完了したので確認して貰いたいんですけど、何を為さっているんですか?」
あ、すみません俺でした。
「あ、すみません。待ってる間暇だったので暇つぶしに石を削って遊んでただけです。今確認しますね」
渡された資料に目を通している間、受付嬢のホリーさんは俺の削った石に興味があるのかチラチラと見ている。
「別に手に取って見ても良いですよ」
そう言ってあげると
「え、良いんですか!やったー!ねぇねぇ、せんぱーい!ケーさんが見ても良いって!」
ホリーさんが他の受付嬢を呼んで鑑賞会を始めてしまった。まあいいかと資料の続きを読んで気になったところを聞こうとした時バーンと言う音がしてギルドのドアが吹き飛ぶ。




