ひよこしんじつをつきつけられる(残念ながらケーくんは普通じゃ無いッス。)
「あれ、タマさんには分からないッスか?今のひよこちゃんの表情はサーちゃん、普通は無理だよの顔ッスよ?」
確かそうだけどさぁ!それってどんな顔だよ。
「どんなってこんな……げっ、ケーくんスクショアップ拒否設定を掛けてたんならそう言ってくださいよ。おかげで一部の迷宮攻略中のスクショがアップ出来ないッス!」
いやアップすんなや。俺は平和に普通のクエストをちまちまとこなしながらスロウプレイで楽しみたいんだから目立つのはイヤだ。
「そんなもんは初めから無理ッス!スタート直後にロリコン四天王の一角イエスノーコンビから逃げた段階で目立ちまくりッス。あの動画で疾走するひよこさんだの天翔るひよこさんだの呼ばれてる人間…ケーくんの種族は人で良いんですよね?」
あぁ、ドノーマルのヒューマンだぜ。
「マジッスか?あれだけ動けるのならレア種族かもって言う意見も出てたのに完璧なPSッスか。ケーくんも自分が大概だと認識を改めるッス。取り敢えずは五分の一センパイくらいと思っておくのでキリキリと働くッス」
はぁ?この程度の大道芸普通の身体でも出来るんだからその数倍のスペックの身体、それも全ての意志が反映出来るのに出来ない筈は無いだろう?
「その考えが既に超人系の人の考えッス。センパイが言うには古流の人間は限界の概念を徹底的に破壊されてるから自分が大した事が無いって勘違いしやすいって。ケーくんはその典型的なケースッスね」
そ、そんなバカな!だったら爺さんがやってた手刀で巻藁を斬り飛ばすのは普通じゃないの?
「無理ッス。普通のお爺さんがやったら確実に骨折するッスよ!」
それじゃ100キロの荷物を担いでフルマラソンは?
「ケーくんのお爺さんはどれだけヤバいんスか。普通のお爺さんはそもそも100キロの荷物を担いだだけでフラつくッス。荷物が無くてもフルマラソンなんて走るのは無理ッスからね!」
「だから何でサムさんはケイさんが一言も発していないのに会話を成立させてるんです!」
「いや~朱に交われば赤くなるってヤツッス。センパイの近くに居ると色々と出来るようになっちゃって初めはビックリしたッスよ。でも慣れちゃうと便利だし特に問題は無いッス」
等と下らない話をしている内にぞくぞくとメンバーが揃い、いよいよボス戦へと向かう。




