だんじょんこうりゃくすたーと(いきなり敵が強くなるんじゃねぇー!)
「さあ私達も出発しましょう!」
そう言うのはキティちゃんの腕の中に大人しく収まっている白犬さんである。
あの後、姫ちゃんズに取り合いになってしまう程の人気っぷりに気を良くしたユラさんが「この私がバッチリ鍛えてあげる!」と張り切っているのでこれで一先ずは安心出来る。
因みに取り合いは順番をじゃんけんで決定して貰って収めました。う~ん、学校の先生って実に大変な職業なのが身に染みますよ。
「じゃあ先頭は任すわよお二人さん」
このBチームの斥候は俺とルーカさん。キッカちゃんは遠距離に専念して貰う事になっています。
「じゃあさっきと同じようにルーカさんはトラップに専念して俺が敵を見つけたら声を掛けるから」
「了解しました。あっ、彼処にいきなり罠がありますから解除して来ますね」
そう言ってルーカさんがセイフティーゾーンから数歩の位置あったトラップを解除します。流石は罠師、トラップは任せておけば大丈夫だね。しかし、こんな嫌らしい位置にトラップを仕掛けるようなダンジョンをみんなはどうやって此処まで来たんだろう?
『獣の装い』コンビ→正当に罠を解除しつつ最短で到着。
『東雲工房』カルテット→ケイの位置を捕捉しつつ罠は回避。
『コボルト』デュオ→落とし穴系の罠以外をポチが粉砕しつつ前進。
『姫ちゃんズ&ケットシー』オクタグラム→罠のありそうな所にサムがハッチをぶん投げて漢解除。
現在のAチームの罠解除はハッチ漢解除がサムよって採用されて他のメンバーが苦笑いで進んでいる。
「そこの角から二体飛び出して来るから先制攻撃をよろしくルーカさん」
そう言うとケイは自分も角に向かって走り出す。
「うわっ、もうあんな所まで!」
自分もポケットから石を出してスリリングショット『ネズミーショット』を構える。例の如く武器の名前にはツッコんではいけない。
「ジュッジュ!」
現れたのは既にお馴染みとなったラットンではなく、ネズミ人間だ。リアル獣人ではなく某夢乃国のメインマスコットキャラの初代の姿のように可愛らしく、しかし、どことなく間抜けな感じにデフォルメされたモンスター『ラットマン』、それも武器を装備したラットマンソードマンとラットマンアーチャーだった。
「うぉ、あっぶねぇ!ルーカさん、バックバック!コイツらLv25もある!俺達が攻撃を受けたら死ぬ!」
レベルを確認したケイが慌てて戻ってくる。




