じょうずにやけました!(中までコンガリとね!)
衛兵さんに教えられた道を地面に下ろしたメリルちゃんと手を繋いで道具屋へと向かう。その途中でメリルちゃんが甘味の屋台の方をジッと見ている。
あ~コレは買わないと進めないパターンか?と思っていたが屋台のオッサンが小さいヤツをメリルちゃんに渡してくるのでお金を払おうしたら断られた。
何でも、メリルちゃんは屋台市場のアイドルでそのアイドルを救った俺には恩があるとの事、それにこの程度はこっそりと親にバレない程度にやってるらしい。
進む事に飲み物やら食べ物が渡そうとしてくるのでインベントリの食料枠がどんどん埋まって行く。メリルちゃんもお腹一杯なのか「おじちゃんにあげる!」と言って来たのでそれを機にまた今度と断り、道具屋へと急ぐ。
えっと、『道具屋プロミネンス』。おっ、有った此処だな。
「すみませ~ん、誰かいませんか~?」
店の奥に声を掛けると
「はーい、ちょっと待ってね。じいさん、メリルなら直ぐに帰ってくるからジッとしてな!あたしゃ、お客さんの相手をせねばならんからね」
「ばーさん、そんなモンよりもメリルじゃ!何かあったらどうするんじゃ!」
「五月蝿いよ、じいさん!ミリィさんが寝てるんだから静かにしな!全くこれだからうちの男共はダメなんだよ。お客さん有っての商売なんだからね。いいからジッとしとくんだよ。
はい、遅くなってごめんなさいね。それで御用はなんですか?」
お、優しそうなお婆さんが出てきた。これならちゃんと伝えられそうだ。
「すみません、この娘なんですけどお宅の娘さんでよろしいですか?路地裏で迷子になっていたので衛兵詰所に連れて行ったんですけど、衛兵のエリックさんが今は手が離せないから代わりに送り届けるように言われて連れて来ました」
「おばーちゃん、ただいまー!」
「おや、メリル。駄目じゃないかい勝手に出て行っちゃ!じーさんが心配して五月蝿かったよ。
どうもありがとうございました。今、この子の母親のミリィさんがちょっと寝込んじまって、息子が隣町まで薬を求めて出ていてね。あたしゃ、店があるし、じーさんはメリルの前でええカッコしようとして重いもん持って腰をいわしてしまって誰も見てやれんかった隙に出てったみたいで」
「みたいですね。メリルちゃんもそれらしい事を言ってました。後はどうやらお母さんの薬の材料を探したみたいですよ」
お婆さんに事情を説明していると
「うおぉぉーメリルの気配じゃ!何じゃ貴様は!さてはメリル拐かした犯人か!天誅!」
奥から出てきたジジイが顔を真っ赤にして怒鳴る。ヤバい、ありゃー絶対に人の話を聞かないタイプだ!お婆さんが宥めているが全く効果は無い。ジジイの俺への罵詈雑言が一旦止む。
それと同時に何やら呪文の様なモノを唱え出した。ジジイの手の中に何やら収束されていく。これは不味いと膝の上に座っていたメリルちゃんをお婆さんに預けると店の外に転がり出る。
そこでジジイから放たれた魔法がブチ当たり熱を感じた瞬間にホワイトアウトする。




