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7年後にその木の下で  作者: しょう
1/1

再開


「本当に由香なのか……?」


「へぇー忘れちゃったんだー悲しいなー笑」


「いや、すげぇ綺麗になってるから……」


「もう!!そういことはもっとロマンチックな場所で言ってよ!!…まぁ、健吾らしいけどね笑」


「約束覚えてるか?」

「もちろん!忘れるわけないじゃない!」

「じゃあ……」







俺たちが出会ったのは高1の時だった。

俺が通ってた高校に転入して来たのが由香だった。

本名、伊藤由香、ポニーテールがよく似合うとても可愛い子だったのを今でも鮮明に覚えてる。

転校生という事もあり一躍みんなの人気者になった。



俺はそれが気に入らなかった……どうせ最初だけチヤホヤして、飽きたら前の状態に戻る…

それに気付かず由香を囲んでる同級生が気に入らなかった…

だから俺は自然と由香を避け生活するようになった。



ある日あの事件が起きる……寒い日のことだった。



由香がイジメられたのだ


理由はほんの些細なことだったらしいがそれが気に食わない女子グループから嫌がらせを受けていたらしい



俺はたまたまその現場に遭遇してしまった。

しかし、その日は体調が悪く、頭がガンガンしてた

そのまま通り過ぎようとした時……由香の泣き声が聞こえた。


大きな声で泣いたわけでもないのに何故か俺の頭の中に響いて来た。泣き声を聞いた瞬間……自分で自分を疑うような行動をとっていた……



由香が座り込み、蹴られたりしている中にズカズカと入っていき、由香の手をとった

そして地を這うような低い声で

「今度由香に手を出してみろ……俺がお前ら全員ぶっ飛ばしてやるからな。」


なんの脈絡もないし、拙い言葉だったが、女子達は逃げて行った……


その次の日からイジメは無くなった……それと同時に由香の居場所も無くなっていた…


それから由香は何故か俺と行動するようになった。


俺といる時の由香は自意識過剰かもしれないがとても楽しそうに見えた、イキイキとしてとても可愛いかった。



徐々に心を開いてくれる由香に対しだんだんと好きになっていった

2人でいるのが当たり前、お互いがお互いを嫌なほど分かるようになっていたので自然体で接することができた。



しかし現実は甘くはなかった……


由香の転校が決まったのだ…



由香は親の転勤で遠くに引っ越さなければ行けなくなったと言っていた。めちゃくちゃ悲しかった、寂しかった、、、


引越しの日……由香と俺はある約束をした



「向こうに行っても元気でな……」


「もちろんよ!あんたこそ私が居ないからって学校サボるんじゃないわよ!笑」


「あのさ、俺ずっと言えてなかったけど…」


「なによ」


「由香のことが好きなんだ……もう遅いって分かっててもこの気持ちが諦めきれないんだ……」



「本当にバカよね……私も健吾のこと好きなんだよ?健吾は全然気付いてくれないし…」


「え!?そうだったのか……」



「私も諦めきれない!だからさ、約束しよ?7年後、お互い社会人になっても覚えていたら、あそこの桜の木下に集まろ?そうだなー季節はやっぱり春がいいな♪そしたらもう一回………か、考えてあげるからさ!」



「おう!約束忘れたりするんじゃねーぞ!!!」


「誰かさんと一緒にしないでよね!笑」


2人で笑いあった。これが7年前の俺たちの出会いだった


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