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麗爛新聞 二月号 編集後記
広く感じる階段は、きっと気のせいではないのでしょう。
ここに来る理由は、もう、無いのでしょうから。
その制服の背を抓む理由も、無いのでしょう。
いずれ、来ると分かっていた時期が、もうすぐそこまで来ています。
時の流れは速く、無情で、取り返しが付かなくて。
けれど、惜しいと思う気持ちはあるのだと思います。
その気持ちを、否定してはいけないのでしょう。
そこに、心があるのだと思います。
そして、旅立つ彼等が振り返らないで居ても、きっとそこには――。
引き留めたいと思った背を、敢えて押しましょう。涙を流してでも。
留まろうとする背を、押しこくる様に押してあげましょう。涙を流されてでも。
やがて、あなたの背が押される時が来るでしょうから。
――だから、そこに心があると思えるのです。
私は、その繋がれる想いがある事を知っていますから。
ずっと、信じ続けていますから。
麗爛新聞 二月号 終