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2015年 7月30日
今日、兄が死んだ。
葬儀は迅速に行われ、私は喪服姿で兄の通夜に出る。
お父さんは放心状態ながらも気丈に振る舞っている。
お母さんは、何も話さない。
通夜の受付係を任された私は、来る人、来る人に対応していた。
通夜が始まろうとした時に、私の彼氏が足早にやってきた。
フツーのスーツだったがネクタイは、黒だった。
「ヒロくん、きてくれたんだ」
そう言う私に、
「当たり前だろ!」
と、彼は言って、お経が読まれ始めた部屋に入って行った。
私は、まだ受付をしていた。
まだ、誰か来るかもしれないから……。




