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ゲームの世界に義妹と来たので、素敵な”出会い”を求めて僕らは二人、冒険に出る。  作者: 謎の生物
薬の貴重な材料と吸血姫姉妹を求めて南の大陸に冒険に出る。
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第82話 光一、リムティスと多少の交流を持つとの事。

リアルが忙しい上に、インフルでダウンもしてしまいかなり間が空きました。

皆様もインフルエンザにはくれぐれもお気を付けください。

 裏でヴァレリアと魔王軍が結託し、突如として「パザン」を襲撃して街の住民、トリア軍を恐怖に陥れた新型ドラゴンキメラ、しかし光一と春歌の前に難なく討伐されてしまう。


 もはや瞬殺と言ってもよく、この世界の常識からあまりに逸脱した展開にこの光景を見ていた住民、トリア軍はドラゴンキメラが討伐された後も静寂に包まれたままだった。

 行動を共に、このようなあり得ない展開に慣れつつあったユリカ以外のアニエス達パーティーメンバーを除けば、ゼノと美鈴そしてユリカまで唖然としていた。


 光一達を除けば唯一、呆けていないヴァレリアはこの光景を見て、内心で春歌の多少でも慌てふためく姿を期待していただけに、それを見れる事も敵わずあっさりドラゴンキメラが討伐された事に舌打ちした。

 同時に、イレギュラーである光一と春歌の強さを直に見て確認できたので、これからどのように関わっていくかの決断にもなった。

 

 取り合えず、イレギュラー達と関りを深める以上、現段階では敵対している魔王軍とは距離を置いた方がいいわね。内心でそう思案した後、そう言った事はおくびにも出さずにヴァレリアは安堵と喜びの仕草をしながら・・・・この場にいる者達に聞こえる様に言った。


 「どうやらこの「パザン」を襲撃してきたドラゴンは討伐された様ね。礼を言うわ。緋村殿。それに春歌さん・・。そして、この街に住み民達も安心して!街を脅かしたドラゴンの脅威は私、ヴァレリア・トリアの協力者・・・である彼らが取り除いてくれたわ!そして前領主に変わって、我が「トリア」家がこの街も含めて「ルルス」地方を統治し、守っていくわ!だから、皆、これからも今まで通りに安心して暮らして言ってちょうだい!!」


 ヴァレリアの言葉に「パザン」に住む民達はざわめき始め、ヴァレリアに対し色々と尋ねてきたが、ヴァレリアはその全てに真摯に答え、安心させる様に力強く肯定すると、次第に民達の混乱が沈静化されていった。

 何より自分達の目の前で一国の軍隊でも如何にかできる分からないドラゴンをあっさりと葬ってみせた光一と春歌の存在、そしてそんな光一達を傘下にしている(様に見える)ヴァレリアの姿は「パザン」に住む民達に安心を齎すものだった。

 こうしてヴァレリアは光一と春歌にぶつけるためのドラゴンキメラの襲撃をうまく利用して「パザン」に住む民達の心を掴んだ。

 

 それから「パザン」にある前領主の屋敷を拠点に「ルルス」地方の全てを掌握する作業に費やし、10日経過し、取り合えず「ルルス」地方の統治の目途が着いたのでヴァレリアは最低限の兵を残して光一達も含め自軍と共に「トリア」地方の「ローランス」に戻った。

 そしてヴァレリアが「ローランス」に凱旋すると住民達から盛大な歓声を受けた。

 ゲームの設定通り、領民から人望はあるみたいである。

 ヴァレリアに対して賛辞を送る住民達に対して軽く言葉を交わしながら礼を返していくヴァレリアを見てミヤビはミリーナに小声で話しかけた。


 「こう見ると、ヴァレリア・トリアは領民の敬意を持たれてはいるのですね。」

 「そうですね。為政者として一定の資質があるのは確かですね。」

 「正直、吸血鬼が領主というので、統治はもっと稚拙なものかと思っていたのですが、我々の祖国でも十分に優れた領主として通じると思います。」

 「・・・ええ、国内の暗愚な領主達に爪の垢を煎じて飲ませたいぐらいです。」


 ミリーナはミヤビにそう返して国内の無能領主達とヴァレリアを比べ、重いため息をついた。




 領民達の歓声を受けた後、屋敷に戻って来ると留守を守っていたリムティスがヴァレリアに飛びつく様に抱き着いてきた。


 「お姉様ぁ~♪お帰りなさいませ~♪そして、ご勝利おめでとうございます♪」

 「ええ、ありがとうリムティス。今まで悩ましてくれた「ルルス」の領主を殺して、あの地方を私達トリアのモノに出来たわ。」


 甘えた声で出迎え、勝利の賛辞を述べるリムティス。そんなリムティスに優しい表情で返すヴァレリア

 暫くの間、姉に甘える仕草をしていたリムティスは、光一達、正確には光一を目に留めるとヴァレリアから離れ、光一に近づき下からのぞき込む様に上目遣いで尋ねた。


 「あなたが今回、お姉様が「ルルス」地方を得る過程で一番、貢献してくれた”緋村光一”って人?」

 「そうだよ。」

 「ふ~ん、一番、貢献したと言う事は否定しないんだ?」

 「それだけの働きをしたつもりはあるからね。まぁ、一番、貢献したのは正確には僕と妹の春歌だけど。」


 光一がそう言いながら春歌を見ると、リムティスも春歌を見、次に周りのアニエスやミリーナ達を見、そしてまた光一を見た。

 

 「パッと見たらあなた達、そんなに強そうに見えないね。私には仲間の女性達の方が強そうに見えるな。」

 「よく言われるよ。」


 光一はリムティスの率直な感想に苦笑しながら肯定した。ヴァレリアはそんな妹の言動を注意しようとしたが、光一が手でそれを止めるとヴァレリアは黙った。

 リムティスはそんな二人のやりとりを見ながらも続けた。


 「そうなんだ。それにしてもあなたの仲間って全員女性ばっかりだね?狙ってやってるの?」

 「そうだよ。それが僕が冒険している理由の1つだし。」

 「ふ~ん、ひょっとしてお姉様も狙ってるの?」

 「否定はしないよ。もっと言うならば君の事もね。」


 光一の返しにリムティスは一瞬、何を言われたか分からないと言った様子でキョトンとした表情になったが、すぐに頭が光一の言葉を理解し、赤面しながら怒鳴る様に返した。


 「あんたいきなり何言ってんの!?だいたい、そういうのは普通隠すものでしょ?!」

 「隠したところで君のお姉さんの能力の前では無意味だからね。」


 光一の言葉にリムティスはヴァレリアを勢いよく見ると、ヴァレリアは苦笑しながら肩を軽くすくめた。この様子からしてヴァレリアは、光一が自分達姉妹を狙っていると言う事を、どうやら把握している様である。

 そんなヴァレリアの様子を見て、リムティスは怒りなのか羞恥からなのか、血の気が少なさそうなその青白い顔を真っ赤にして光一に怒鳴り返した。


 「ば、バッカじゃないの!そう言われて私もお姉様もはい、分かったなんて言う訳ないでしょ!!そりゃあ、今回、大活躍してくれたことは認めるけど、それとこれは別よ!!そ、そりゃあ報酬として身体を要求されたら断れないけどさ・・・。だ、だけどそうなっても心までは渡さないんだからね!!私もお姉様もそんなに安い女じゃないもの!!」


 リムティスの否定なのか肯定なのか、よく分からない言葉にこの場にいる誰もがどっちやねんと心の中で突っ込んだ。と言うか報酬として要求したら応じるのか!?とこれまた別のツッコミも心の中で入れた。

 ヴァレリアは特に報酬として要求したら応じる様な発言をする妹にリムティスってこんな性格だったか!?と内心、動揺すらした。

 

 「あ~、盛り上がっているところ悪いんだけど、僕というか僕達が今回、報酬として求めているのは君達姉妹じゃなく『コーライジン』なんだよ。だから君達姉妹を求める事はしないよ。」


 興奮しているリムティスや妹の|男(光一)に対して予想もしていなかった返答を返すリムティスに動揺するヴァレリアをよそに、そう返す光一にリムティスは「あ、そ、そうなの?」と興奮が一気に冷めた様で、いささかバツが悪そうに返した。

 光一はそんなリムティスを他所に、ヴァレリアを見て続けた。


 「そんな訳だから『コーライジン』、報酬としてください。」

 「えっ?あっ!コホン、も、勿論よ。今回の遠征に参戦させたのに肝心の払うものを払わないでは私達の名誉にも関わってくるモノ。喜んで支払うわ。リムティス?」

 「あ、はい、何でしょうかお姉様?」

 「『コーライジン』を薬草もしくは他の薬の素材に使用できる状態にしたモノを仕舞っている倉庫の中で、一番古いのを仕舞っているのはどこかしら?」

 「え~と、この街の外れにある六番倉庫です。」


 リムティスの返答に、自分がいない間、ちゃんと当主代行としての仕事をこなしてきた事を感じ取りヴァレリアは些か嬉しそうに頷くと光一を見て、


 「だ、そうだから今すぐ欲しいと言うのならば、今から案内するわよ?」

 「・・・当主であるあなたが直々に案内するというのですか?」


 ヴァレリアの言葉に思わずと言った様子でミリーナが尋ねると「そりゃあ、そうでしょ。」と肯定の返事が返って来た。


 「私の思惑で参戦させた戦争で勝利に多大に貢献してくれたんだもの、当主の私が自分で案内しなければ礼に失するでしょう?」


 ヴァレリアの言葉にミリーナは深く頷いた。


 「で、どうする?今から行く、それとも間をおいて明日にするかしら?」

 「あ、あの~お姉様・・・。」


 ヴァレリアの問いに対して、リムティスがおずおずと声を掛けて来た。


 「何かしら?」

 「実は六番倉庫へと向かう道中に問題が・・・。」


 リムティスの言いづらそうな言葉に、ヴァレリアはジロリと妹を見据えながら「どういう事かしら?」と説明を求めた。




 リムティスの説明を聞いてヴァレリアは何とも言えない表情で顔に手をやりながら、


 「あ~、確かに面倒と言えば面倒な事になったわね。それ・・をどうにかしないと六番倉庫へいけないか。このままいけば「ローランス」の交通にも影響が出てくるでしょうし・・・。」


 さて、どうしたものかと思案したところで、光一が声を掛けて来た。


 「ならば、その問題も僕達がどうにかできそうならばどうにかするから、まずはその場所に行ってみるというのはどうかな?」

 「・・・あなた達が・・・?」


 光一の言葉にヴァレリアは一瞬、訝し気の表情になったが、このイレギュラー兄妹ならば、すぐさま如何にかできる可能性もあるかと考え、


 「そうね。あなたの言う通りにしましょう。という訳よ。ゼノ、美鈴、リムティス、帰って来たばかりで悪いけど、今から現場に出かけるわ。」


 光一の提案をあっさりと飲んだヴァレリアに、この場にいる者達の大半が驚くのをよそに光一達は再び出かける事となった。

後、少しでまずは南の大陸の話も終わりかな・・・。

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