第59話 天空城を求めて冒険に出る。
と言う訳でこの回から第5章の始まりです。
光一達がミリーナとミヤビをパーティーに加えて1週間、その間、特に変わった事はなく王都「グームリー」の冒険者ギルドで主にEランクの依頼を受けて過ごした。
最初の内はミリーナは茶目っ気のある雰囲気で内心が分からないが、ミヤビは不満だらけなのが、見て取れたが1週間も経てば、諦めがついてきたのか、険が取れ始めてはいた。
しかしそうなるとミヤビは、現状、Eランクの依頼だかりをこなし冒険に出る気配すら感じられない事に不満を感じはじめたのか、今日受けたギルドのEランクの依頼の達成報酬を受け取ったところで、
「・・・なぁ、貴殿らは素敵な”出会い”を求めて冒険に出るのだろう?素敵な”出会い”を求めて冒険に出なくていいのか?」
と光一と春歌に尋ねて来た。
「いや、冒険に出たくても今のところ行きたい場所がないから・・・。」
本当はいくつも行きたいところはあるが、過去2回の強制依頼の報酬が伸ばすに伸ばして、あまりパーティーに入って欲しくないミリーナとミヤビの主従な上に、拒否権もないと言う事で、光一としてはその時のショックが思ったよりも大きく、素敵な”出会い”を求めて冒険に出ようと言う気にならなかったので、1週間ダラダラとEランクの依頼をこなしていたのだが、そんな事は告げるはずもなく、仕方がないと言う風に肩をすくませながら答えた。
そんな光一の様子に、ミヤビは探すなり調べたりしたらよいだろうと言おうとしたが、それを主であるミリーナが止めたので、何か言いたげな表情で睨むと言う程ではないが、厳しい目で光一を見つめたが、光一はミヤビのそんな視線を受けて、もう一度肩をすくませるだけだった。
「ま、まぁまぁ、皆様、Eランクの依頼であろうと立派な依頼ですし、それをこなす事によって私達も報酬をいただけますし、街の人達も助かっているのですからいいじゃないですか。ね、ねぇアニエス様?」
「そうですね。社会貢献はしているので私はこれはこれで良いと思いますよ。」
ミヤビと光一のやり取りにエリスが取り持つように言い、アニエスにも振るとアニエスも肯定意見を出したので、ミヤビはいささかバツが悪そうに顔を俯かせながら「・・・そうだな。」とだけ返した。
「そ、そうですよ。まぁ、今日も依頼をこなしましたし、宿屋に戻ってゆっくりしましょうよ。」
当たり障りのない意見を出したエリスに対してミリーナが待ったを掛けた。
「あの、申し訳ありませんが少しよろしいですか?」
ミリーナの言葉に光一達、全員がミリーナを見、ミリーナは言葉を続けた。
「いつまでも宿屋に泊まっていては人数が人数ですので、宿代もかさんで仕方がないと思うので、定住地を持ちませんか?」
ミリーナの提案に皆が一瞬、キョトンとなった後、確かにと言う表情になった。
確かにミリーナの言う通り、計六人分の宿代、しかもそれなりのランクの宿屋に泊まるので、その料金は決して安いモノではない。
それにミリーナとミヤビは勿論、エリスやアニエスも知らないが、光一と春歌の所持している資金が莫大なものとはいえ、無限にある訳ではない。
さらに光一としてもハーレムのメンバーを増やして、色々とエッチな事もしたいと思っても宿屋の部屋では気を使って満足にできないと言うのも確かであった。
それを考えたら定住地を持つというミリーナの提案は渡りに船と言えた。
「そうだな。確かに定住地を持つのは必須とも言えるな。」
光一は同意し、頭の中ではゲーム「フリーダムファンタジープレイ」でも拠点を持つことが出来、いくつかの拠点を手に入れた事があったので、いくつかがピックアップされていた。
「ねぇ、春歌は?春歌はどう思う?」
「私もいいと思いますよ。持ちましょうよ拠点♪」
嬉しそうに胸元で両手を合わせて言う春歌。
春歌の拠点と言う単語に、変な表現をするなと思いつつもアニエスもミヤビも賛成し、エリスも肯定した。
「じゃあ、明日から住むところを探しにいくか。」
光一の言葉に春歌以外が賛成したのだが、春歌の反応がない事に、光一は怪訝に思いながら「春歌もそれでいい?」と春歌を見て尋ねると、春歌は光一達の方ではなくギルドの別のところを向いていた。
そして春歌は光一の問いに答えずに「ねぇ、お兄様?」と逆に問いかけて来た。
「お兄様は拠点を探すんですよね?」
「?ああ、今言った通りそうだよ。」
「だったら私、お城が欲しい。」
「お城?」
春歌の言葉に光一とエリスは首を傾げ、アニエスとミリーナ、ミヤビ主従はまた始まったかと肩をすくめた。
「まぁ、春歌がお城に住みたいと言うのならばお城を購入するか。」
そこ、ポーションや薬草などを買いに行くように、気軽にそう宣う光一にミリーナ、ミヤビ主従だけでなくアニエスとエリスも目を見開く中、春歌は「ううん」と首を横に振り、
「私はあの城が欲しい」とギルドの一角を指差した。
光一達がそこに目を向けると、そこには大空に浮かぶ下が飛行ユニットと思われるモノが付いた小城の絵画が掛けてあった。
タイトル名は『蒼天に浮かぶ天空要塞スカイキャッスルmarkⅢ』と記されていた。
「私はあの『天空要塞スカイキャッスルmarkⅢ』が拠点に欲しい。」
こうして緋村光一は義妹の春歌の求めに応じて、天空城を求めて冒険に出る事となった。
今回はちょっと大雑把になったかも・・・でもこれはこれで悪くないかも・・・。




