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第50話 戦いの後の両陣営の反応は・・・

キリが良いので、投稿させていただきます。

 光一達が王国軍の駐在地に戻ってくると、すぐさま司令部に出頭する様に命令が来た。

 それを受けて光一達はそのまま司令部に行くと、王国の総司令官を含む王国軍上層部をはじめ、シルビアーナとミリーナの王女姉妹、ライナーとリゼットの二人の勇者それにギルドマスターであるフォン=リンメイにレオン、カリンカ、ライオットと「グームリー」の上級冒険者パーティーのリーダーで、アデス山脈の異変調査の時に光一と春歌が共に行動した冒険者達もいた。


 「いや、緋村パーティー、また実に派手にやってくれたな。とは言え何だかんだ言って君達を連れて来て正解だったよ!」


 フォン=リンメイは上機嫌で光一達を労う。その表情は実に嬉しそうな表情だった。シルビアーナとミリーナも苦笑しながらも、光一達に対して実に好意的な様子だった。

 レオン、カリンカ、ライオットは微妙な表情で光一達を見ているが、ドラゴンキメラに対しての光一と春歌の活躍を見ていたためか、こいつらならこれも当然かと言う雰囲気が感じられた。


 「・・・ギルドマスター殿がわざわざ強制依頼までして連れて来た価値はあったと言う事ですな。正直、ここに来てからの数日間のこの”カブキモノ”達の素行故に、ギルドマスター殿の判断に疑問を抱いていたのですが・・・。」


 そういう総司令官の表情は魔王軍は退けられた喜びがあるが、それをなした最大の要因が光一達である事に信じられないと言う気持ちもあり、その強さに恐怖もあり、多少の興味を抱いているという実に複雑なモノだった。

 ライナーとリゼットも似たような表情をしていたが、リゼットはここまで強いとは思っていなかったのか信じられないと言う気持ちの方が強く、ライナーはその強さに興味を通り越して若干妬みの目で光一を見ている。

 見事なまでに光一達を見る目が別れている。


 「あ~、まぁ、そう評価してくれると言う事は、それなりの働きはしたみたいですね。」

 「・・・ああ、十分だ。これで一気に形勢は王国軍に傾いた。・・・それにこれで王国内でのギルドの影響力も増したし、ギルドマスターとしての私のメンツも守られたからな。」


 光一の発言にフォン=リンメイは一瞬、キョトンとした表情になったがすぐに満面の笑みを浮かべて答えたがその後に続けて小声で言った言葉はこの場にいるほとんどの者には聞こえなかったが、天使であるアニエスとエルフで聴力の良いエリスには聞こえ、エリスはギョっとした表情で思わずフォン=リンメイを見、アニエスはそれを聞いて何とも言えない表情になった。

 どうやらフォン=リンメイも野心や保身を持っていた様である・・・。


 「まぁ、そう言う訳だから緋村パーティー、君達は今日はゆっくり休んでくれ。」

 「・・・休むも何も僕達、|ここ(司令部)への出頭が終わり次第、負傷者を寝かせるための簡易ベッドの設置を命じられてるんですけど・・・。」

 「あ~、そう言えば君達はここに来てからEランクと言う事もあって下働きばっかりしていたな・・・。」


 光一の言葉にフォン=リンメイはそういえばと言う表情でそう呟くと、総司令官を見た。それに連れられてこの場にいる他の者達も総司令官を見た。

 

 「・・・君達がしていた仕事は別の者達に任せよう。こちらから伝えておくので君達は遠慮なく休んでくれたまえ。」

 「あ、はい、わかりました。」

 

 総司令官の言葉に光一は素直に肯定の言葉を返すと、光一達は司令部を後にし、その後、司令部から何やら話し声がされていたが、光一も春歌も関心も興味もなく、与えられた休息場でゆっくりと休んだ。




 一方、その頃の魔王軍の司令部では、王国軍とは逆に重苦しい雰囲気に包まれており、その場にいる数名の魔族や悪魔達の誰一人として口も開く者がいなかった。

 そんな中、この魔王軍の総司令である見た目30代ぐらいの筋骨隆々でいかつい顔をし、右目に大きな傷がついている男が最初に口を開いた。

 この男こそ魔王に使える四将軍の一人である「アインザック=ウード」で、一見すると人間に見えるが、立派な高位悪魔で、見た目通りのパワーファイターである。

 しかしただの筋肉バカではなく、総司令を務める事が出来るだけあり、戦略戦術にも精通しており上級魔法も一通り使いこなす事が出来た。

 

 「まさかこんな事になるとはな・・・。」


 アインザックの最初の一言に周りにいた高位悪魔達の暗い表情が更に暗くなった。とは言え、このままいけば魔王軍の勝利だったはずなのに、いきなり現れた信じられない程の強さを持ったたった二人の男女に事態を逆転させられるだなんて彼らの中でも想定なんかしているはずがない。

 

 「とは言え、このままでは我々の敗北は確定だ。さてどうするべきか・・・。」


だからと言っていつまでも落ち込んでいる訳にもいかないので、アインザックがそう切り出すと、他の部下の悪魔達も撤退するべきだと言う意見も出れば、今ある戦力を再編成して策を練って戦うべきだと言う意見も出れば、王国軍の主な首脳陣を暗殺しようなどといくつかの意見が出て、それぞれ論争する事となった。

 それらを聞きながらも、この侵攻部隊の総司令であるアインザックの中では、既にかなりの被害が出た上に、彼の上司・・である魔王からもある程度の被害が出たら素直に撤退して構わないと言われているので、このまま撤退する事を考えており、論争がひと段落したのを見計らってその事を言おうとした矢先だった。


 「あらあら、これはまたひどい事になっていますわね。」


 突如、聞こえて来た女性の声にアインザック以外が驚きと共に声のした方を見て絶句した。

 そこには赤と黒の色合いをした見ただけで最上質と思われるいささか露出が高いドレスとブーツを身に纏い頭にティアラを付けた長い黒髪をした美しい顔立ちをした女性と言うより、まだ少女と言える見た目をした女が立っていた。


 「な、何だ貴様は?!」


 全く気配を感じさせずに司令部に現れた少女に、この場にいた数名の悪魔は警戒しながら問うと、アインザックは片手を軽く上げて止めさせた。


 「構わん。から遣わされた査察官殿だ。」

 「えっ!?そうなのですか将軍?!」

 「ああ。」


 アインザックの言葉に警戒していた悪魔の一人が問うとアインザックだけでなく、古くから従っている古参の悪魔達も頷いた。

 どうやら警戒したのは新参の悪魔達で、古参の悪魔達は皆、知っていた様である。

 その様子に件の少女は面白そうに笑っている。


 「クスクス、面白いモノを見せていただきましたわ。初対面の方も数名おられるようなので名乗らせてもらいますわ。わたくしはキョウカ=アーミ、主様・・の代理人として査察官の任を命じられておりますの。以後見知り御気を。」


 キョウカの言葉を聞いて新参の悪魔達は「ああ、魔王様の」と言って納得した様子を見せた。

 アインザックとキョウカはそれには一切触れずに話を進めた。


 「それで査察官殿は何用で来られたのか?」

 「ええ、ええ、そうでした。魔王閣下・・からの命を申し上げますわ。アインザック将軍はまだ撤退せずに王国軍と戦えとの事です。」

 「それは構わんが、理由を伺っても?」

 「これ・・の戦闘データを取る為だそうです。」


 キョウカはいつの間にか出した資料をアインザックに渡し、受け取ったアインザックは資料を読み始めた。


 「”魔動機カーリー”か、資料通りならば我が魔王軍が生み出した生物兵器ドラゴンキメラを倒せる性能の誇る魔力で動くマシーンらしいが事実なのか?」


 アインザックの言葉に黙って聞いていた周りの悪魔達は驚く事となった。しかしキョウカはその問いに「さぁ?」と可愛らしい仕草で首を傾げるだけだった。

 キョウカの返答にアインザックは片眉を上げ、周囲もまた騒然となった。


 「そのような表情をされても分からないものは分かりませんわ。あくまで魔王軍研究班の想定した性能はそうだと言うだけで、起動実験はしましたがドラゴンキメラとは戦わせていませんもの。」

 「・・・戦わせていないのか?」

 「半年以上前に研究班から逃げ出してこの中央大陸のアデス山脈に住み着いたドラゴンキメラが1頭いた様なので、それとぶつけようと計画していたのですが、討伐されちゃったみたいですので・・・。」


 キョウカの返答にアインザックも含め司令部にいた者達は驚きの表情となった。


 「討伐されたのか?」

 「ええ、しかもそれをしたのは王国の調査隊でしてよ。」

 「調査隊?」

 「ええ、マーハード王国のお姫様の親衛隊と冒険者ギルドの上級冒険者達の合同による調査チーム。」

 「冗談だろう。」

 「ホント♪」

 「常に女神の傍にいる熾天使でも混じっていたのか?それともそのドラゴンキメラは弱りでもしていたのか?」

 「どちらもハ・ズ・レですわ。正解は調査隊に加わっていたとある兄妹。」

 「兄妹?」

 「ええ、調べたところ名前は緋村光一とその妹の春歌。何とランクEの最下級冒険者♪」

 「ランクEの最下級冒険者!?もっと冗談だろう?!」


 おかしくて仕方がないと言わんばかりの様子で答えるキョウカに、思わず声を荒らげるアインザック。


 「いいえ、事実ですわ。更に言うならばこの兄妹、少し前にもバーンサイド王国の最西端の港町「シスコ」での魔王軍の侵攻を邪魔してくれただけでなく、この戦いにも参戦致しました・・・・・わよ。」


 アインザックを意味深げに見ながら、そう説明するキョウカ。そのキョウカの様子に最初こそ何の事かと思案したアインザックは、気づいたらしくハッとなった。


 「まさか先程の王国軍との戦いで我々が負けたのは!!」

 「ぴんぽ~ん、先程の戦いで緋村兄妹が王国軍に参戦致しましたの。その結果が」

 「このざまと言う訳か!!」


 アインザックは忌々し気に設置されたテーブルに、力任せに拳を叩きつけてテーブルが破壊され使い物にならなくなった。

 その表情は自分達が負ける原因となった緋村兄妹に対して憤怒のモノへと変わっている。そんなアインザックに対してキョウカは笑みを浮かべながら説明を続けた。


 「ですから、そんなおいた過ぎた緋村兄妹に対して仕置きをするために”カーリー”をぶつける事にしたと言う訳ですわ。”カーリー”が王国軍を蹴散らして緋村兄妹を殺してくれるならそれでよし、負けても十分な戦闘データは取れるので、こちらとしても損はありませんわ。どちらにしても王国軍も決して小さくない被害を被るでしょうし・・・。撤退するにせよ、そのまま王国軍を滅ぼしあわよくば二人いる勇者の両方もしくはどちらかを殺すにせよ、次の戦いではまず”カーリー”を起動させてそのまま王国軍に突撃させその結果次第でお願い致しますわ。」


 説明を終えたキョウカは笑みを濃くし、見る人が見たら腰を抜かしそうな禍々しい凶笑を浮かべながらアインザックを見た。

 アインザックも、否、アインザックだけでなくこの場にいる高官の悪魔達も皆、悪意ある笑みを浮かべながら、キョウカから聞かされた魔王の命を嬉々として受けたのだった。

キョウカ、見た目や言動から何のキャラを元にしたか分かる人は分かるでしょうねwww

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