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ゲームの世界に義妹と来たので、素敵な”出会い”を求めて僕らは二人、冒険に出る。  作者: 謎の生物
まずはエルフのヒロインを求めて冒険に出る。
22/92

第20話 カッとなって殺った後、エリスを蘇生した。

使っていたPCがとうとうオタッシャしてしまいました。

新しいのを購入するのに、どれにしようか迷ってしまったこともあり、そこそこに間があいてしまいました。

でも新しいPCはサクサク出来ていいなぁ~。

 「エリス・ビーデル・フォートウッド」

 ゲーム「フリーダムファンタジープレイ」においてエルフの里「フォートウッド」で生まれ育った現年齢190歳ほどで人間の年齢で換算しても18,9ぐらいの若い女性エルフで、性格は穏やかな人物と設定されている。

 パーティー参加時はその弓矢による射撃による遠距離、中距離からの物理攻撃と精霊魔法と呼ばれる魔法による攻撃、サポートによる後方支援型となる。

 ユニットとしては平均だが、装備や習得できるスキルや魔法によって最後はいささか心もとないが、十分にEDまで使用できるキャラで、光一自身、容姿や性能なども含めてお気に入りのキャラの一人だった。

 光一にとってはエルフの里「フォートウッド」に生えている霊樹「フォートツリー」を見る事も目的の1つだったがこのエリスに出会うというのも目的の1つだった。

 そのエリスがすでに事切れた状態であり、明らかに殺したのは人間側の武装集団だろう。その光景を見て光一は思わず怒りの叫びを上げてしまった。


 「ぼ、ぼ、僕のマイヒロインの一人であるエ、エリスがすでにこ、殺されているなんてぇぇぇ?!ふ、ふざけやがって!!!」


 光一の怒りの叫びに一触即発だったエルフ側も人間側も思わず何事かと驚き、そこでようやく光一達に気づき、光一の方を見てどちらも絶句した。

そこにはこの場において明らかに絶対的強者ともいえる最上級モンスターと思われるものがおり、その上にタキシードにマントの貴族風の弱そうな感じの中世的な外見をした少年が乗っているのである。

 この場にいるのがおかしい最上級モンスターにも当然、驚愕したが、そのモンスターの上に弱そうな外見の少年が乗っているということにも驚愕した。


そんな彼らの心中など光一が分かるはずもなく、仮に分かっても今の光一は気に止めるはずもなく、怒りのままに「ケルベロス・ロード」から降りると、そのままエリスを殺した人間側の武装集団へと進み始めた。


 武装集団側からすると、とんでもないモンスターに乗っていた貴族風の弱そうな外見の少年が、モンスターから降りて凄い形相でこちらへと向かってくるのだから、何事だと思うだろう。


 「な、何だてめぇは!?」


 武装集団の一人が威嚇しながら尋ねるも、光一は意にも介さずに怒鳴り返した。


 「うるさい!僕のマイヒロインの一人であるエリスを殺した報いだ!!全員ぶっ殺す!!!」


 怒鳴り返した瞬間、光一の身体がぶれたかと思うと、次の瞬間、光一を威嚇しながら尋ねた男の目の前に光一が現れ、彼の右腕が男の胸板を突き破り、背中から手刀が出ていた。

 光一が持つ素手系の戦闘スキルの1つ「手槍突きしゅそうつき」だった。


 自分の胸に腕が入っている光景に男は絶叫し、すぐに口から大量の血を吐きながら絶命したが、光一は意に介さず、そのまま同じく素手系の戦闘スキルの1つ「手刀斬しゅとうざん」を使って、腕を右にずらして男の亡骸を切り裂き、その勢いのまま、突然の事に固まっている男の右側にいた者達の首を3つほど刎ねた。

 そこでようやく武装集団側は我に返り、仲間を殺した光一を殺そうとそれぞれが向かっていったのだが、逆に瞬く間に次々と返り討ちとなり死体にされ、残ったのはリーダーと思われる男一人だけだった。


 「テ、テメェっ、こ、こ、こんな事をしてタダで済むと思ってんのか?!お、俺達「うるさいなぁ~、お腹減ってるでしょ?食べていいよ。」は、は?」


 男の言葉を遮って光一は「ケルベロス・ロード」に命じると、「ケルベロス・ロード」は嬉しそうにひと鳴きすると地面を蹴って男に飛び掛かかり、三つの頭がそれぞれ男に喰らいつき、悲鳴を上げる間もなく、三分割され、「ケルベロス・ロード」の腹に納まった。


 「美味しかった?」


 光一が尋ねると「ケルベロス・ロード」の3つの首は満足そうに一声鳴いた。おの様子に光一は「そう、それはよかった」と返すと、呆然とこの光景を見ていたエルフ達や荷馬車など気にも留めず、エリスの亡骸へ歩を進めようとすると、後ろから女性の鋭い声が掛かった。


「そ、そこで止まれ!!み、妙な動きはするな!!」


 しかし、その声には明らかな震えが入っており、光一の事を恐怖しているのがありありと伝わってきた。光一はちらっとだけ声のしたエルフ達の一団を見ると、エルフ達が警戒にいくらかの恐怖を混ぜた表情で、こちらに武器を向けていた。

 先程の声はこの中の一人が発した様である。しかし光一はすぐにエルフ達からエリスの亡骸へと顔を戻し、意に介さずにエリスの亡骸へと歩き始めた。

 

「と、止まれって言ってるでしょう!これ以上うご「うるさいな!僕は今、ものすごく機嫌が悪いんだ!これ以上、キンキン声で喚いて僕を不快にさせるなら殺すぞ!」く、ひぃっ!!!」


 エルフの女性の声にイラっときた光一は、彼女の言葉を遮り、もう一度、彼女達を見て殺気を込めながら睨みつけた。「ケルベロス・ロード」も光一と同じ様にエルフ達の方を向いて凄まじい威圧感を出しながらうめき声をあげた。それに声を発していたエルフの女性は短い悲鳴を上げて黙り、他のエルフ達も警戒は解かなかったが、これ以上、何か言うことなく黙った。

 が、エルフ達の持っている武器を見ると、みな、小刻みに震えているのが分かる。鉄格子の中にいる子供たちに至っては皆、腰を抜かして失禁してしまっている。

 エルフ達が黙ったのを見ると、光一はエリスの亡骸へと寄り、状態を確認してみるとやはりエリスはすでにこと切れている様だった。


 「・・・駄目だ。やっぱり分かっていたことだったがもう死んでいる。」


 改めてエリスが死んでいる事を確認して、力なく肩を落とす光一。しかしすぐに怒りが再発し、近くに倒れていた武装集団の者の亡骸を蹴りまくった。


 「クソクソクソ!よくもエリスを殺しやがって!これじゃ、ここまで来た意味が半減したじゃないか!!」


 光一の怒声にエルフ達がビクッとなるが、光一は気にもせず怒り心頭で死体を蹴っていたところに、「ライトニング・ホワイトドラゴン」に乗ったまま春歌が近づいたて声を掛けた。


 「お兄様、激怒するのも仕方がないと思いますが、死体蹴りなんて止めましょうよ。見ていてもいいモノではありませんから。」

 「わかっているけど春歌、この怒り、エリスを殺したこいつらにぶつけないと収まらないんだよ!」

 「・・・気持ちは分かりますけど、落ち着きましょうよ。それに彼女は蘇生魔法で蘇生させたらいいじゃないですか。」


 春歌の言葉に光一は怒りもよそにきょとんとした表情で春歌を見た。


 「・・・蘇生魔法?」

 「・・・はい、蘇生魔法です。ひょっとして忘れていたんですか?」

 

 春歌の問いに光一はバツが悪そうに「う、うん」と肯定した。それを春歌は何とも言えない表情をした。


 「ま、まぁ、この死体の損壊状態から見て、間違いなく蘇生魔法で蘇生させる事ができまうので、今から掛けて蘇生させますね。」

 「あっ、蘇生させるのは僕がするよ。」


 光一は自分で蘇生させた方が、蘇生させた時、エリスの自分に対する印象が良くなるのではという下心もあり春歌に自分が蘇生魔法を掛ける事を告げた。それに春歌は少し首を傾げながらも「では、どうぞ」と返した。

 エリスの亡骸に単体の蘇生魔法である「リバイバル」を掛けようとした時、それを見ていたエルフ達が騒ぎ出したが、光一と「ケルベロス・ロード」が殺気と威圧感を出して再び睨みつけると、すぐに沈黙し、春歌に比べて詠唱が長く掛かったが、蘇生魔法「リバイバル」をエリスの亡骸に発動させた。

 エリスの亡骸を内包する魔方陣が現れ、亡骸に光が注がれ、魔方陣が消滅するとエリスの胸が上下しているのが確認できた。蘇生成功の様である。

それから間もなく「う、うう~ん」と小さい声を上げてエリスの目が見開かれた。


 「あ、意識が戻ったみたいですよ。大丈夫ですか?」

 「春歌、本当だね。良かった良かった。痛むところはない?」


 春歌と光一の問いにエリスはまだ頭が覚醒しきれておらず、ぼんやりしているのか「ええっと?どういう事でしょうか?」と尋ね返してきた。

 

 「あなた、死に掛けていたんですよ。魔法を掛けて蘇生させたんですけど、まぁ、何にしてもよかったですよ。」

 「はぁ、そうなんですか。それはありがとうございます。」

 「・・・まぁ、取り合えず起き上がってみてはどうですか?」


 光一はそう言って立ち上がり、横になっているエリスに手を貸した。

 エリスは「どうも」と言って、光一の手を借りて起き上がって立ち上がり、ぼんやりと周りの状況を見渡した。

 そこには荷馬車の荷台の上には大きな鉄格子に囚われた同族の女子供7人が腰を抜かした様子ながらも、信じられないものを見る表情で自分を見ており、奥の方には同じ里の仲間達が同じ様に幽霊でも見る表情で自分を見ている。

 そして周りには武装した人間達と同じ里のエルフ達の亡骸があった。そこを見てようやくエリスは頭が完全覚醒し、ハッとなって自分の身体を見た。


 「う、嘘!?私、間違いなく人間達の攻撃で死んだはずじゃ?!」


 取り乱すエリスに、光一が声を掛けようとした瞬間、エリスは身に着けていた短剣を引き抜いて光一の首筋に突き付けようとしたが、それを難なく光一に腕を掴まれて阻止された。


 「?!」

 「いきなり、斬り付けてくるのはいくら何でもひどくありません。」


 エリスは掴まれている腕を払おうとしたがビクともしない。そこに凄まじい威圧感と殺気がエリスを襲った。恐怖で背中に冷や汗を搔きながらそちらを見ると明らかにこの場にいるにはおかしい最上級モンスターが威嚇しながら自分を見ていた。

 その近くには同じく最上級のドラゴンがいる。この状況にエリスは短い悲鳴を上げたが、光一が手を上げると「ケルベロス・ロード」の威圧感と殺気が消えた。


 「すいませんね。僕の愛モンスターが脅かした様で。」

 「・・・愛モンスター・・・?」

 「ええ、僕の自慢のかっこいいモンスターなんですよ。」


 光一の言葉ににエリス、いやこの場にいるエルフ達は信じられない気持だった。

 エリスは警戒心を露わにして尋ねる。


 「何者ですか?あなた達は?」

 「ただの観光旅行者ですよ。ねぇ、春歌。」

 「・・・ええ、まぁ、そうですね。」


 光一の言葉にエリスは怪訝な表情になった。


 「観光客?」

 「ええっ、エルフの里「フォートウッド」に生えている霊樹「フォートツリー」がとても壮観で一見の価値があると聞いて、見てみようと思って「フォートウッド」に行く途中に、樹海で迷ってこの場に出くわしてしまったんですよ。」


 光一の説明を聞いて信じられない表情をするエリス。それは他のエルフ達も同じだった。


 「それでちょっとした事でこの場にいた人間側の集団と敵対して全員倒してあなたを魔法で蘇生させたというわけですよ。嘘だと思うなら仲間の方々に尋ねたらどうですか?そうですよね皆さん?」


 いきなり光一に話を振られて後方にいたエルフ達はビクッと身体が揺れた。どういうべきか分からないという感じだった。

 

 「・・・いや・・・まぁ、確かに状況を見れば、それも正しいのは確かだけど・・・。」

 

 光一達に声を掛けた女性のエルフが一応、肯定のような言葉を言ったのだが、釈然としない様子にエリスも困惑するしかなかった。

 嬉しそうな光一とは逆に少なくとこの場にいるエルフ達の間には何とも言えない重苦しい空気が流れているのは確かだった。

2月になりましたね。まだまだ寒さは油断できないけど、ようやく冬も後半に入った気分です。

皆様も体調にはお気を付けくださいませ。

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