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ゲームの世界に義妹と来たので、素敵な”出会い”を求めて僕らは二人、冒険に出る。  作者: 謎の生物
まずはエルフのヒロインを求めて冒険に出る。
21/92

第19話 エルフのヒロインを求めて冒険に出た。

今年最強の寒波というだけあり、マッポーめいた寒さですね。

皆様もお身体を十分にお気をつけくださいませ。

今回の物語から2部です。

 「ここが中央大陸北部にある自由都市アーベルか・・・。」


 光一が確認するかのように声に発して今、入ったばかりの街の名を言った。

 光一と春歌は「グームリー」のギルドで他国や他の街に行く護衛や荷物や手紙などの運送などを探し、その中で中央大陸東を経由して中央大陸北部にある自由都市アーベルへ荷物を運ぶ間の護衛を依頼を見つけたので、この依頼を引き受けることにした。

 もっとも引き受ける時にドロシーから「強制依頼の報酬はまだ支払われていないのによろしいのですか!?」とか、いざ引き受けて現場に行ってみれば光一と春歌の服装を見て荷物を運ぶ業者が「あんたらで本当に大丈夫なのか!?」と言ったいざこざがあったのだが、しかし同じくこの業者の護衛の依頼を引き受けた他の冒険者達は光一達の事を良くも悪くも伝聞で知っていた様で、光一達の格好に対して何も言う事なく業者に対しても「外見はあんなのだが、戦力にはなるから」と間を取り持った。

 そして「グームリー」から出発して約一週間を掛けて、今、自由都市アーベルに入り、依頼書に依頼完了のサインを記してもらいこの場で解散したところだった。道中、何度か野盗やモンスターから襲われたが、他の冒険者達が活躍する前に、そのほとんどを光一と春歌が難なく撃退した。

 そもそも光一と春歌がこの自由都市アーベルへ荷物を運ぶ間の護衛依頼を引き受けた理由が、


 「さぁて、では自由都市アーベルに一休みしたらエルフとエルフの里「フォートウッド」に生えている霊樹「フォートツリー」を見に行ってみようか・・・。」

 「・・・そうですねお兄様。」


 と今、光一が言ったのが理由だからである。それに対し春歌は少し面白くなさそうに答える。

 

 光一達が今いる自由都市アーベルがある中央大陸北部地域は南部のマーハード王国や西部のバーンサイド王国のような国が存在しない。独自運営している自由都市アーベルが北部最大の街であり、唯一の大都市である。

 と言うのも中央大陸北部地域は中央大陸樹海と呼ばれる広大な樹海が広がっておりエルフの里「フォートウッド」もその一部なのである。そして中央大陸樹海は魔獣の大森林とも呼ばれており、強力な力を持った上位モンスター達が生息しており、一般人が住むには適していない土地なのである。

 ここら辺は、ゲーム「フリーダムファンタジープレイ」の設定と全く同じであり、設定通りならばエルフの里「フォートウッド」に生えている霊樹「フォートツリー」は一見する価値はあるぐらいに雄大で美しい大樹なので、光一と春歌が自由都市アーベルへ荷物を運ぶ間の護衛依頼を引き受けた理由の1つとなった。

 そしてもう1つの理由が、


 「さてさて果たして「フォートウッド」で、ゲームではパーティーに参加してくれるヒロインの一人「エリス・ビーデル・フォートウッド」に会う事ができるかな?」


 と言うゲーム「フリーダムファンタジープレイ」の設定と同じであるならば、「フォートウッド」にいるはずであるエルフのヒロインの1人である「エリス・ビーデル・フォートウッド」に会って、うまくいけばゲーム通りにパーティーに、そしてハーレムの一人に入ってもらおうと思っているからである。

 まぁ、だからこそ春歌としては頭では理解していても感情では面白くないのだが・・・。

 もっとも光一も春歌も現実のこの世界ではすでにゲーム通りに事が進むわけではないというのを嫌と言う程、理解させられているので、そう事がうまく進むとは思っていないが・・・。最悪、会えずに終わるどころか、霊樹「フォートツリー」を見る事無く帰る事になる事も覚悟は一応している。


 「まぁ、まずは依頼を成し遂げた事をここアーベルの冒険者ギルドに行って承認してもらい、報酬をもらうか・・・。」

 「・・・お兄様、「マーハード王国」でのドラゴンギルド討伐の報酬もまだもらっていないので、それももらいにいかないと行けませんよ。」

 「そうだね。まぁ、ここでゲーム通りのイベントが発生しようとしまいと終わった時点で他に行くところがなかったら、「マーハード王国」に戻るのもいいかもね・・・。」


 光一は苦笑しながら肩をすくめて言うと「アーベル」の冒険者ギルドへと歩き出し、春歌は「・・・そうですね」と返して後に続いた。

 「アーベル」は中央大陸北部地域最大の街だけあり、マーハード王国王都「グームリー」と比べたら劣るとは言え、中々に発展しており、人の数も多かった。そして「グームリー」よりも亜人が多いように見える。ここら辺は中央大陸樹海が近い事が関係しているかもしれない・・・。

 そんな「アーベル」でも光一と春歌の格好は目立つのか、種族関係なく光一と春歌を見やり、中には小声で何かを話している者達もいる。

 しかし光一と春歌は気にも留めずに歩いていき、しばらくして「アーベル」の冒険者ギルドに到着した。パッと見た感じでは冒険者ギルドの建物も「グームリー」の冒険者ギルドと比べていささか小さい様に思える。

 冒険者ギルドに入ると、中にいた冒険者達が光一達を見て、怪訝そうに見たが、光一と春歌は意に介せず、受付へと行くと、そこには熊のようなデカイ身体に筋肉の鎧をまとい、並々ならぬ威圧感を持ったいかつい顔をした男が腕を組んで座っていた。どう見ても本人そのものが凄腕の冒険者か歴戦の戦士にしか見えず、受付の席に座っている事に場違い感がありまくりだった。

 ゲーム「フリーダムファンタジープレイ」のプレイと設定知識から目の前の男が「アーベル」の冒険者ギルドのギルドマスター「マーク・ミール」だろうと認識したが、光一は何も思わなかった様だが、春歌は何でギルドマスターが受付しているんだろうと内心、首を傾げた。


 「・・・受付係は今、昼休みで席を外しているからだ。」


 春歌の内心を読んだ様に、見た目通りに合う渋い声で答える「マーク・ミール」。その言葉に春歌は「あ、はい」と返すしかなかった。


 「あの、マーハード王国王都「グームリー」からここ「アーベル」までの荷物運搬の護衛の依頼を達成したので確認をして欲しいのですけど。」


 光一が依頼達成のサインが記された依頼書を受付のカウンターに出しながらそう言うと「マーク・ミール」はジロリと光一の方を見た。それだけで光一の後方にいた冒険者と思われる男が「ヒッ」と短い悲鳴を上げた。

 しかしどちらも意に介さず、「マーク・ミール」は依頼書を手に取り、依頼達成のサインが記されているのを確認すると「うむ」とだけ頷き、後ろに設置されている書類棚に依頼書を仕舞うと金庫から報酬の金額を出し、光一達の前に出した。

 愛想がないなと思いつつも報酬金を受け取って礼を言い、そのついでにエルフの里「フォートウッド」に行く道を尋ねると、再び「マーク・ミール」はジロリと光一の方を見、今度は鋭い眼光で射抜いた。並の者ならば悲鳴を上げたくなるような視線であり、後方にいた冒険者のパーティーと思われる男達が腰を抜かした。

 しかし光一と春歌には通じないのを見ると一人で「うむ」と納得した様で、奥にある棚から地図を持ってきて光一と春歌の前に置いて一点を指差した。


 「ここが現在地である「アーベル」だ。そこから西に徒歩で一時間ほどで着く中央大陸樹海のそこそこ言ったところにある。エルフ達は多少、よそから来た者を受け入れにくいところがあるが、全うな来訪理由ならば「フォートウッド」に入れてくれるだろう。もっとも中央大陸樹海は魔獣の大森林とも呼ばれているだけあり、屈強なモンスター達もうようよしているので並の者ならば近づかない様に警告しているが、お前達は大丈夫だろう。後は樹海の中は「フォートウッド」に続く道は一応、エルフ達自身が迷わないように行くための獣道に毛が生えた程度の道があるから、それを見つけて迷わない様にする事だ。」


 「マーク・ミール」はそこまで説明すると地図から指を外し再び腕を組んで黙ってしまった。どうやら説明は終わりという事だろう。光一と春歌が礼を言うと「うむ」とだけ返した。

 

 光一と春歌がギルドを出て、昼時だったので、ぶらぶらと「アーベル」内の飲食店を見回って、何気によさそうと思ったところに入り、昼ごはんを食べた後、「フォートウッド」に行くために「アーベル」を出た。そしてそのままギルドで聞いたとおりに中央大陸樹海を目指して西に向かって歩き始め、しばらくして回りに人がいない事を確認すると、またもや久方ぶりに「ケルベロス・ロード」「ライトニング・ホワイトドラゴン」を召喚した。この度も召喚された二体は嬉しそうである。

 そんな2体に光一と春歌はそれぞれ乗ると中央大陸樹海を目指して2体に動く様に命じた。 

 2体とも勇ましく叫び声を上げると動き始め、その速さからあっという間に中央大陸樹海へ辿り着き、そのまま「フォートウッド」を目指して乗っている2体に樹海へ進む様に命じた。

 それから」しばらく進んだのだが、一向に「フォートウッド」らしきものが見えてこない。「マーク・ミール」が忠告した様に「フォートウッド」に続く道を探した方がよかったかもしれない。


 「・・・お兄様、ひょっとして迷われたのですか・・・?」

 「・・・否定はしない。どうしよう?どうしたらいいと思う?」


 春歌の質問に答えて逆に訊ねると、春歌は困ったように首を傾げた後、乗っている二体に「どうしたらいいと思う?」に訊ねた。

 春歌自身が乗っている「ライトニング・ホワイトドラゴン」は頭の上に乗っているので、ドラゴンの表情は見えないが、「ケルベロス・ロード」はどこか困惑した雰囲気を纏いながら春歌を見た。「ライトニング・ホワイトドラゴン」からも同じ雰囲気が感じられる。

 その様子を見ながら光一はどうしようかと思ったところで、急に「ケルベロス・ロード」の3つの頭が同時に別の方向を見て耳をピクピクさせた。

 そして真ん中の頭が吠え出し、残り2つの頭が光一を見た後、同じ方向へと首を向けた。まるで行けと言っている様に感じ「そっちにいけばいいのか?」と訊ねると真ん中の頭が正解と言う様に「ワン」と一鳴きし、残り2つの首が頷いた。


 「・・・春歌、示された方に行ってみるぞ。」

 「はい、お兄様。」


 光一は「ケルベロス・ロード」に示した方向に進む様に命じ、春歌を乗せた「ライトニング・ホワイトドラゴン」も後に続いた。

 間もなく進んだ先に一台の荷馬車とその周囲の武装した15人ほどの人間の集団が、武器を抜いて殺気立っているのが見える。

 その集団は皆、同じ様な目立たない色の格好をしており、装備している武器や防具まで装備しているのはそれぞれ違うが目立たない色で統一していた。

 そして荷馬車の荷台の上には大きな鉄格子が載せられており、その中には7人のエルフと思われる長く尖った耳をした女子供が押し込められており、皆、猿轡を噛まされており、首輪まで着けられていた。

 そんな集団の前方にはエルフの戦士と思われる弓や剣、槍など持ち肩当や胸当てと言った軽装タイプの防具で武装したエルフの男女が6人、同じく殺気を出して対峙している。

 対峙している彼らの周りにはエルフや人間の亡骸がいくつか転がっている。

 この様子からして明らかに殺し合いの場に出くわしたの間違いなさそうである。しかも明らかに人間側の方が悪党の類であろうと見て取れる。

 しかし光一はそれよりも荷馬車の近くに転がっているエルフの女性の死体に目が離せなかった。

 すでに瞳孔の開いた目を見開いたままうつ伏せに横たわっている横顔に腰辺りまである長い亜麻色の髪、そしてグラママラスな身体つきもそうだが、その着ている緑色の上着にミニスカート、背中に装備している矢入れとその姿は間違いなくゲーム「フリーダムファンタジープレイ」で「フォートウッド」にいるはずであるエルフのヒロインの1人である「エリス・ビーデル・フォートウッド」本人だった。

 まさかの第2部ヒロイン、いきなりの死亡展開w

 ところで正月明けぐらいから「VenusBlood-RAGNAROK-」という18禁エロゲーをプレイしているのですが、このVenusBloodシリーズってエロゲーとしては遊び要素もそうだけど、我的にはシナリオやBGM、使用されている曲も良いんですよね。

 RAGNAROKのOP曲の主題歌 『Overlord Destiny』も我的には名曲だな。GAIAの時の様にサントラ購入しようかな・・・。

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