プロローグ
ヤンデレの成分が足りなかったので書き始めました。
何卒宜しくお願い致します。
『リョナ』とは、キャラクターが虐められたり、殴られたり、殺されたりするなどのシチュエーションを愉しむ性的嗜好を指す用語である。
また、そのような要素があるゲームのことを『リョナゲーム』、略して『リョナゲー』と呼ぶ。
リョナゲーのキャラは老若男女を問わず誰でもその対象になれるが、現在ネットで確認できるリョナゲーの多くは男性向けのものであるため、プレイできるキャラとして主に美少女が登場する。
そして、彼女たちは大体酷い目に遭う。
内容が内容だけに、平凡な人々にとってリョナゲーを好んでプレイする少数のマニア――例えば、全裸の美少女をわざと落とし穴に落として内臓を見たり、魔物に残酷に殴られている姿を見ながら興奮したりする人々――は、理解できない、非難すべき存在かもしれない。
しかしその一方では、次のような考え方もあるのではないだろうか。
すなわち、「彼らは既に作られていたゲームを、制作者の意図通りにプレイしただけだ」と。
すると、最も非難すべき存在はプレイヤーではなく、そのようなゲームを作った制作者なのではないだろうか。
否、訂正しよう。
非難すべきだ! こんなものを作った奴、絶対頭おかしい!
…と思いつつ、俺は異形の怪物と触手が踊っている部屋を後ろにし、暗い廊下へと戻ってきた。
おっと、自己紹介が遅れた。俺は鈴木 シュガー。
全国で最も平凡な名前で高校平均の成績、高校平均の身体能力を持った、趣味でゲームを作っている平凡な高校2年生だ。
先程、リョナゲームコンテスト――通称リョナコンで優勝した作品、『迷宮の中は希望でいっぱい!』の世界に転移されたせいで絶賛現実逃避中だ。
…何故こうなった。
俺は今日の出来事を振り返ってみた。
そう、全ては俺が所属しているゲーム制作部の部長、志村先輩の一言から始まった。
「ごめん。僕、ヤンデレ以外には興味がないんだ」
という。
※当然のことだと思いますが、念のため明示しておきます。
【注意事項】
1.本作はフィクションであり、実在した人物・団体などとは一切関係ありません。
2.本作の登場人物は全員18歳以上です。
3.本作はフィクションをフィクションとして楽しめる、15歳以上の方のみを対象としております。
4.本作はリョナものではありません。
5.本作にはグロテスクな表現が含まれております。苦手な方はご注意下さい。
6.本作はヤンデレ行為を肯定・擁護するものではありません。




