(5)釣りの雑魚達の話 その2
今回の遊趣思録は、雑魚の話の二回目です。
雑魚ファンの人も、そうでない人も、ぜひぜひ覗いてみて下さい。
今回の遊趣思録は、前回に引き続き、雑魚釣りと雑魚を食べた感想を話したいと思います。
え、見た目が悪いからと捨ててしまうって。
いやいや、もったいない。
一度、食べてみると、雑魚への価値観が変わると思います。
さて、雑魚紹介の一番目は、シロギス釣りに付き物のネズミゴチです。
シロギスと同じ様に、砂地を好み、固まっている場合が多いので、わりと数が釣れる魚です。
関東では、ネヅッポやヌメリゴチと呼ばれています。
ネズミゴチは、体の表面に強い滑りがある事と、エラブタにトゲがある事が、嫌われる理由の様です。ネズミゴチが釣れた時は、エラブタのトゲに注意しないと、釣り針を外す時に指を切る可能性があります。
滑りとトゲが、厄介なので、僕は、メゴチバサミで体を挟んでから針を外す様にしています。
持ち帰る場合は、釣った別の魚とは分けて、ビニール袋に入れてから、クーラーボックスに入れる様にします。
さあ、それでは、持ち帰ったネズミゴチを料理しましょう。
ネズミゴチの滑りは、皮の表面に有るだけなので、まず、皮を取ってしまいます。
皮を取ると、綺麗な白身が出てきます。
これを、三枚におろし、刺身や天ぷら、唐揚げにします。
刺身は、身がしっかりしていて、クセもなく、さっぱりした味です。
醤油とポン酢で、食べ比べると、ポン酢の方が合っている気がします。
天ぷらや唐揚げについては、ホクホクした身で旨いです。
個人的には、シロギスよりも旨いと思います。
さあ次は、ウキ釣りをしていると、良く掛かるヒイラギです。
この魚も、強い滑りを持っています。
また、鋭い背鰭にも、注意が必要です。
この二つの点から、嫌われる魚ですが、食べると味の良い魚なので、地方によっては、評価が高く、市場に流通している所もあります。
料理としては、滑りを塩で落としてから、頭と内臓を取り、お吸い物か、煮付けにします。
刺身にする場合は、三枚におろしてから、皮を引き、皿に盛りつけます。
僕のお勧めは、なんといっても刺身です。
味は、どこか、マアジの刺身の味に似ています。ヒイラギは、体が小さいので、料理が少々、面倒ですが、旨い魚なので、食べてみる事をお勧めします。
次に紹介する雑魚は、エサ盗り名人達です。
堤防や磯でウキ釣りをしていると、ウキがモゾモゾ動くのに、なかなかウキが引っ張られない。
おかしいと思って、仕掛けを上げると、エサだけ、ちゃっかり盗られている。
これが、繰り返される様なら、間違えなくエサ盗り軍団が来ています。
エサ盗り名人達は、釣り針を避けながら、上手にエサをついばんでいきます。
僕は、こんな時は、ウキや針を小さいサイズに交換してしまいます。
どうせ、暇だし、エサ盗り雑魚を相手に遊んでみようという訳ですね。
仕掛けのサイズを落とし、針にエサを小さく付けると、アタリがはっきり出て、釣れ始めます。
ここで、釣れて来る雑魚の代表格が、スズメダイ、カゴカキダイ、キュウセンベラなどです。
サイズが小さい事と色がカラフルで観賞用の熱帯魚を連想させる事から、外道で釣れてもリリースする場合が多い様です。
確かに魚体が小さいと、魚をおろすのが、少々面倒ですが、食べると旨い魚なので、僕は必ずキープします。
持ち帰った後の料理方法については、唐揚げが一番だと思います。
大きな魚の切り身では出せない、小魚独特の旨さがあります。
多分、皮や小骨に旨味があるのでしょうね。
カゴカキダイについては、刺身にして食べても旨い魚です。
カゴカキダイ、キュウセンベラ、スズメダイは、日本各地で評価が分かれ、市場に流通している地域もあります。
前に、本で読んだ事があるのですが、スズメダイは、福岡県では、船での専門の漁があり、キュウセンベラについては、瀬戸内海で、ベラ専門の釣り船が出るそうです。
さて、次回は、夜釣りに付き物のゴンズイについて話したいと思います。
最後まで、話にお付き合い下さいましてありがとうございます。
今回の遊趣思録は、いかがだったでしょうか。
話に出てくるネズミゴチですが、滑りが凄いので、僕は釣り場で捌いてから持ち帰る様にしています。
なので、釣りに行く時は、小さい板とナイフを必ず持って行きます。
捌いておけば、帰ったら、三枚におろすだけなので、とても楽チンなのです。
ネズミゴチの捌き方は、まず、背鰭を切り、頭のすぐ後ろに包丁を通し、中骨を切ります。
腹側の皮一枚残すのが、ポイントです。
(頭を切り落とさない)
魚を裏返しにして、中骨に包丁の背で押さえます。
魚の頭を持って、尾鰭に向かって引っ張ると、皮が剥けます。
たまに、切れて失敗しますが。
写真入りの詳しい説明が釣りサイトに出ていますので、参考にされると良いと思います。