(2)ワラビ採りの話
今回の遊趣思録は、山菜採りの話です。
山菜は、好き嫌いが分かれるんじゃないかと思いますが、好きな方もそうでない方も、ひまつぶし程度に御覧になって下さい。
毎年、5月になると、僕の住んでいるところは、山菜採りのシーズンになります。
僕は、山菜の中でも、ワラビが大好きで、毎年この時期を心待ちにしています。
僕の住んでいる所は、山あいで、土地も痩せ地なのですが、ワラビは毎年生えてきてくれるのです。
ワラビは、シダの仲間で、開けた陽当たりの良い場所に生えてきます。(日陰に生える事もある)
普通、シダは日陰に生えますが、ワラビは、特別なんですね。
これは、他のシダと区別するポイントの1つでもあります。
ワラビは、地面から出た芽を食べるのですが、この芽にも特徴があります。芽の形が、人の握りこぶしの様な形をしているのです。
ちょうど、手首を曲げた、握りこぶしの様に見えます。
これも、他のシダと見分けがつけ易いポイントです。
さあ、ワラビを見つけたら摘んでみましょう。根元を軽くつまみ、つまんだまま、手を上に上げていくと、ポキッと折れます。
この芽を採取していきます。
ワラビは、群生する事が多いので、周りを探すと次々に見つかります。
思わず、ニヤッとしてしまいます。
さてさて、ワラビ採りが終わったら、今度は、ワラビのアク抜きをします。
まず、木灰を準備します。
木灰とは、木を燃やした後にのこる灰の事です。
もし、手に入らなければ、重曹でも、大丈夫です。
次に、鍋に水を入れ、火にかけ、沸騰させます。
沸騰したら、灰を一掴み入れます。
ここにワラビを入れます。
ワラビが少し、しなっとしたら、すぐ引き上げます。
ここで、注意する点が、茹ですぎない事です。
アク抜きの為の木灰の働きで、グダグダになりやすいのです。
グダグダにしてしまうと、崩れていってしまうので、さっと茹でます。
お湯から引き上げたワラビは、すぐ水にさらします。
この水の中にアクがしみ出てきます。
このアクには、プタキロサイド(発ガン性物質の一種)やチアミナーゼといった有害物質が含まれているので、念入りに抜きます。
半日、水にさらして置くと、水に色が着いてくるので、水を入れ替えます。
これを繰り返すと、水に色が着かなくなってきます。
ここで、ワラビをかじってみて、苦味がなければ、アク抜きはOKです。
後は、卵とじやお浸しなど、お好きな料理に使いましょう。
ワラビは、美味しい山菜なので、採って良かったと、きっと思うはずです。
最後に、大事な話をひとつ。
山菜を採る時、勝手に私有地や国有地に入るとトラブルの原因になるので、必ず、土地の所有者に許可をもらいましょう。
最後まで、お話にお付き合い下さいましてありがとうございます。
今回の遊趣思録は、いかがだったでしょうか。
僕の住んでいる所は、山菜の多い所で、他にも、フキやウドが出てきます。
これらの山菜についても、またの機会にお話したいと思います。
遊趣思録へのご意見、ご感想をお待ちしています。