(10)私が所有した車の話 その2
今回も、前回に引き続きランタボの話です。
前回に引き続きまして、所有していたランサーEXターボ、通称ランタボの話をしたいと思います。
19年の間にランタボは、3台乗り継ぎましたが、最後に所有したランタボは、84年式GSRインタークーラーターボでした。
しかも、念願のパワーステアリング付きです。
この車は、インタークーラーの装着と加給圧の変更により、出力が以前乗っていたランタボより、25馬力アップの160馬力(グロス値)になっていました。
外観は、フロントバンパーが、エアダムスカートタイプに変わった為、ただでさえ角ばっていたボディーが、より四角度を増し、正にBOXYという感じでした。
足回りは、ハードなショックアブソーバーとコイルサスが入り、走り屋好みのガチガチな足回りでした。
アルミホイールとタイヤについては、ハヤシストリートのレーシングマグとヨコハマのグランプリM3が前のオーナーによって履かされていました。
エンジンは、少し吹けが悪い状態でしたので、スパークプラグを外してみた所、真っ黒でした。
すぐに、プラチナプラグに交換すると、エンジンは元気を取り戻しました。
更にプラグコードを社外品に交換し、マフラーはフジツボのレガリスに交換しました。
こうしてランタボをコツコツと仕上げ、15年間に渡る付き合いが始まりました。
ランタボは、通勤やら、プライベートやら、峠通いやらに大活躍していました。
ところが、この15年間には、様々なトラブルも待ち受けていたのでした。
購入してしばらくは、問題無く、走っていたランタボでしたが、トラブルは突然やって来ました。
最初のトラブルは、走行中の突然のエンストでした。
本当に、これには焦りました。
たまたま、後続車が、いなかったから良かったものの、下手したら追突されていたかもしれません。
すぐに車を停め、セルを回してみましたが、空回りをしている様な音がするだけで、エンジンは掛かりませんでした。
車に詳しい人なら、今の話ですぐに解ったと思います。
そう、タイミングベルト切れでした。それも、オドメーターで50000Km走行で!
まさか、50000Kmで切れるとは思いませんでした。
この切れた時の状況はと言うと、ちょうど会社の帰りで、夜の8時!
しかも、山道。
エンジンはもうかからないので、連絡してレッカーを呼ぶ以外、方法がありません。
ところが、当時は携帯電話(まだ携帯電話が珍しかった)を持っていなかったので、公衆電話を目指して、歩く事になりました。
車内にライトを置いて無かったのも失敗で、暗い夜道を、とぼとぼと歩く羽目になりました。
この時以来、車内には必ずライトを置く様にしています。その後、車はレッカー移動となり、整備工場に運んでもらいましたが、幸いな事にエンジンは無事でした。
タイミングベルト切れは、エンジンブローにつながる事が多いので、特に注意が必要です。
ところで、普通100000Kmで交換する事が多い、タイミングベルトが、なぜ50000Kmで切れたのでしょう?
原因としては、エンジン環境によるベルトの劣化、構造上の問題、ベルト自体の不良などが、思い浮かびますが、結局はっきりとした原因は、わかりませんでした。
当時の車の信頼性が、その程度だったと考える方がしっくりくるかも知れません。
次に現れたトラブルは、クラッチのマスターシリンダーのフルード洩れです。
フルードとは、油圧専用のオイルの事で、これが洩れによって抜けてしまうと、当然、油圧がかからなくなるので、クラッチペダルを踏んでも、何の重さも感じなくなります。
これでは、クラッチが切れないので、シフトチェンジが出来ず、走行に支障が出てきます。
このトラブルは、2度程ありましたが、ランタボに限らず、マニュアル車には付き物のトラブルなので、定期点検の際には点検してもらう事をお勧めします。
次に現れたトラブルは、エンジンの謎の息継ぎです。
急加速した時に、ガクンガクンと変にパワーが落ちてしまったり、突然エンジンの吹けが悪くなる症状が現れました。
これは、整備工場で点検してもらいましたが、その症状は現れず、原因が分からずじまいでした。
おそらく、エアフロメーターか燃調の不調ではないかと思います。
この他に部品劣化によるトラブルも出てきました。
クラッチディスクやオルタネーターの部品劣化がそうでしたが、クラッチディスクの劣化はマニュアル車には付き物ですし、長く所有しているとオルタネーターもいずれはダメになります。
どちらも交換となりました。
ランタボを所有してからの問題は、これだけではありませんでした。
最大の問題は、錆びでした。
ランタボを所有した事のある人なら、良くわかると思うのですが、この車はよく錆びるのです。
中古で6年落ちのこの車を買った時から、錆びはチラホラ出ていたのですが、錆びの進行がここまで速いとは思いませんでした。
錆びた箇所を錆び取りし、防錆処理をした後、塗装するのですが、また別の箇所が錆びてきます。
本当にいたちごっこでした。
ワックスを頻繁にかけても全く効果は無し。
恐らく、この車が作られた時、下地に充分な防錆処理がされていなかったか、塗装が悪いのか、どちらかでしょう。
また1度、錆び出した車は別の錆びを発生させやすくなる様です。
あちらこちらが錆びましたが、特にAピラーの付け根とトランクのゴムパッキン周り、サイドシルは最悪でした。
錆びが進行して、やがては穴が開き、私の補修レベルでは、どうにもならない状態でした。
この状態で、しばらく乗っていましたが、更に最悪な事態が待ち受けていました。
いつも通り走行中、突然マフラーから白煙をはき、エンジンが全く吹け無くなりました。
そう、エンジンブローです。
また、レッカー移動となり、整備工場行きとなりました。
この時、エンジンのオーバーホールも考えてましたが、いったい幾らかかるのかもわからず、部品も欠品で入手出来るかどうかも怪しいといった状況でした。
結局、泣く泣く廃車となりました。
色々と苦労させられた車でしたが、反面、運転の楽しい、個性的な良き相棒でもありました。
こうして、19年続いた、ランタボとの付き合いは終わりとなり、今はまた別の車との付き合いが始まっています。
最後まで読んで頂きましてありがとうございます。19年間、所有したランタボと別れ、次に購入した車が、ジムニーとインプレッサクーペです。この2台は、現在、所有している車達です。