表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
遊趣思録  作者: 釜沼商店
1/20

(1)ハゼ釣りの話

第1回目の話は、初心者でも、手軽に数釣りが楽しめるハゼ釣りの話です。

遊趣思録、第一回は、大好きな釣りの話です。

一口に釣りと言っても、色々ありますが、僕は、中でも、ハゼ釣りが好きです。

8〜10月頃のデキハゼのシーズンになると、休日を利用して、河口にハゼ釣りに出かけます。

デキハゼとは、今年生まれた小さなマハゼの事です。

子供の頃、デキハゼ釣りに行った方も多いと思います。

ハゼ釣りは、簡単な仕掛けで数が釣れるので、結構面白いんです。

釣りに行く前日から、ワクワクしながら仕掛けを作ります。

(釣りバカですね)

釣り場は根掛かりも多く、よく仕掛けを失うので、7、8セット程、用意します。

仕掛けの仕様は、流線針を3本付けた、3本針仕掛けです。流線針とは、細長い釣り針の種類の事で、マハゼがエサを吸い込むのに、適した形状をしています。

釣り針のサイズも各サイズがありますが、僕は、流線の5号を使っています。

この号数が上がると、サイズも大きくなります。

5号だと、小さいサイズですね。

僕は、ハゼ釣り仕掛けを自分で作っていますが、釣具屋さんでも購入可能です。

仕掛けが揃ったら、後は、ジェット天秤、ロッド、リールを準備します。

ジェット天秤とは、投げ釣りに使用する釣具で、オモリを兼ねる他、仕掛けが着水した時の仕掛けの絡み防止をしてくれる優れ物です。

このジェット天秤に、仕掛けをセットします。

ロッドは、3メートルぐらいの投げ釣り用ロッド、リールは、スピニングリールを用意します。

購入する場合は、国産品にこだわらなければ、それぞれ、2000円程で買えます。

釣りに使うエサは、ジャリメを使っています。

ジャリメは、海底の砂地に住む、ミミズに似た生き物の事です。

(環形動物の仲間)

おそらく、各地で呼び方が違うと思います。

ジャリメは、釣具屋さんで、1パック500円ぐらいで売っています。

ジャリメは、柔らかく、マハゼが好む良エサなのですが、マハゼやシロギス釣りのシーズンになると、品薄になり、入手しずらくなったりもします。

その時のピンチヒッターが青イソメです。


青イソメもジャリメと同じ虫エサで、韓国からの輸入物なんだそうです。

青イソメは、ジャリメより、やや硬めなので、柔らかい部分を使います。

さてさて、準備が整ったら、釣り場に向かいます。

釣り場は、河口の汽水域 です。

汽水域は淡水と海水がお互いに入る水域の事です。

ハゼ釣りは、人気があるので、日曜の休日は釣人でいっぱいです。

マハゼは、集まる習性がある様で、釣れる場所、釣れない場所がはっきりしています。

良いポイントは、特にロッドがズラリと並んでいます。

僕は、投入した仕掛けがオマツリ(他の仕掛けに絡まる事)すると、嫌なので、こんな時は、別のポイントに行きます。

ポイントに着いたら、投げ釣り開始です。

投げ釣りといっても、チョイ投げで充分です。

仕掛けを投入したら、ゆっくりリールを巻きます。

ゆっくり巻いては止め、また、ゆっくり巻いては止める動作を繰返します。

仕掛けを動かしていくスピードは、本当にゆっくりで蟻の歩くスピードに例える人もいます。

仕掛けを動かさなくても、釣れはしますが、マハゼは動く物に興味を示すので、エサが動いていれば、マハゼが集まり、エサを食う確率が高くなります。

マハゼが食ってくると、ブルブルッと、アタリがでますが、この時、まだ仕掛けを上げずに、ゆっくりと仕掛けを引いて、追い食いをさせます。

3本針仕掛けなら、1匹が食っても、エサの付いた針が、後、2本あるので、これも食わせる訳です。

食いが良ければ、3本針に全部掛かります。

この時は、ヤッタという感じです。

仕掛けの投入は、最初は、真正面に投げますが、周りに釣り人がいなければ、やや斜め左右に投げたりして、釣るエリアを広げていきます。

マハゼは、大きく移動しない魚なので、アタリがなくなれば、もうそのエリアにいない可能性があります。

そうなると、ポイント移動です。

急にマハゼが釣れなくなる、もう1つの理由として、潮止まりがあります。

潮の動きには、満潮と干潮がありますが、潮の動き始めが、一番、魚が食ってきます。逆に、水位が変わらなくなる、潮止まりは食いが悪くなります。

潮の干満の時間は、新聞や携帯電話でも、調べる事ができるので、釣りに行く前に調べておくと良いです。

僕は、潮止まりの時は、置き竿にして、メシかコーヒータイムにしています。

この時、飲む缶コーヒーは、本当にうまいです。

連れがいる時は、話をしていますが、1人で釣りにきた時は、コーヒーを飲みながら、ボーッと、しています。

ポカポカ陽気の中の、この、まったり感も、またいいものです。

釣りをしていて、面白いと思うのが、釣り場で、見ず知らずの人と話をする事です。

普段だと、まず、話す状況がないでしょうが、趣味が同じ事が敷居を低くするのか、話す事が多いです。

ほとんどが釣果の話ですが、たまに釣りポイントの情報を聞けたりもします。

もう1つ面白いのが、対象外の魚が釣れる事です。

これを外道と言いますが、ハゼ釣りの場合は、セイゴが釣れてきます。

セイゴは、スズキの幼魚の事です。

15〜20cm程の大きさの魚ですが、これが、なかなか引くんです。

ハリス(釣り針を結んでいる糸の事)が細いので、切れやしないかとヒヤヒヤするんですが、このやり取りが、また楽しいのです。

何が釣れて来るのか、分からないところも、釣りの楽しさの1つです。

さて、釣りが、終わった後、釣った魚は、どうするのかと言いますと、もちろん持って帰ります。

僕は、キャッチ アンド リリースではなく、キャッチ アンド イート派なので、捌いて料理します。

マハゼは、魚屋では、まず、見る事のない魚なので、釣っても食べない方も多いと思います。

でも、白身で、美味しい魚なんです。

持ち帰ったマハゼは、まず、包丁で頭、ウロコ、内臓を取ります。

次に、3枚におろします。

これで、身が2枚と骨が1枚に分かれます。

大きなマハゼは、刺身にすると美味しいので、包丁で皮を引き、薄造りにします。

デキハゼは皮を引かずに身を天ぷらか唐揚げに。

僕は唐揚げが、好きなので、片栗粉をまぶして、高温の油で一気に揚げます。

後は、塩と一味唐辛子をつけて食べます。

これは、旨い。

やめられない。

ビールがすすむ事、間違いなしです。

この至福のひとときがあって、また、釣りに行こうと思う僕なのでした。

1日遊べて、のんびりでき、しかも、お土産付き。

良いこと、三拍子揃ったハゼ釣りは、僕のオススメの釣りです。

最後まで、読んで下さいましてありがとうございます。

遊趣思録、いかがだったでしょうか。

僕は、子供の頃から、釣りをやっているのですが、本当に面白いので、全く飽きる事がありません。

おそらく、一生続けられる趣味なんだろうなと思います。

さて、遊趣思録はこれからも、不定期連載していきますので、また、お話にお付き合い下さいませ。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ