(1)ハゼ釣りの話
第1回目の話は、初心者でも、手軽に数釣りが楽しめるハゼ釣りの話です。
遊趣思録、第一回は、大好きな釣りの話です。
一口に釣りと言っても、色々ありますが、僕は、中でも、ハゼ釣りが好きです。
8〜10月頃のデキハゼのシーズンになると、休日を利用して、河口にハゼ釣りに出かけます。
デキハゼとは、今年生まれた小さなマハゼの事です。
子供の頃、デキハゼ釣りに行った方も多いと思います。
ハゼ釣りは、簡単な仕掛けで数が釣れるので、結構面白いんです。
釣りに行く前日から、ワクワクしながら仕掛けを作ります。
(釣りバカですね)
釣り場は根掛かりも多く、よく仕掛けを失うので、7、8セット程、用意します。
仕掛けの仕様は、流線針を3本付けた、3本針仕掛けです。流線針とは、細長い釣り針の種類の事で、マハゼがエサを吸い込むのに、適した形状をしています。
釣り針のサイズも各サイズがありますが、僕は、流線の5号を使っています。
この号数が上がると、サイズも大きくなります。
5号だと、小さいサイズですね。
僕は、ハゼ釣り仕掛けを自分で作っていますが、釣具屋さんでも購入可能です。
仕掛けが揃ったら、後は、ジェット天秤、ロッド、リールを準備します。
ジェット天秤とは、投げ釣りに使用する釣具で、オモリを兼ねる他、仕掛けが着水した時の仕掛けの絡み防止をしてくれる優れ物です。
このジェット天秤に、仕掛けをセットします。
ロッドは、3メートルぐらいの投げ釣り用ロッド、リールは、スピニングリールを用意します。
購入する場合は、国産品にこだわらなければ、それぞれ、2000円程で買えます。
釣りに使うエサは、ジャリメを使っています。
ジャリメは、海底の砂地に住む、ミミズに似た生き物の事です。
(環形動物の仲間)
おそらく、各地で呼び方が違うと思います。
ジャリメは、釣具屋さんで、1パック500円ぐらいで売っています。
ジャリメは、柔らかく、マハゼが好む良エサなのですが、マハゼやシロギス釣りのシーズンになると、品薄になり、入手しずらくなったりもします。
その時のピンチヒッターが青イソメです。
青イソメもジャリメと同じ虫エサで、韓国からの輸入物なんだそうです。
青イソメは、ジャリメより、やや硬めなので、柔らかい部分を使います。
さてさて、準備が整ったら、釣り場に向かいます。
釣り場は、河口の汽水域 です。
汽水域は淡水と海水がお互いに入る水域の事です。
ハゼ釣りは、人気があるので、日曜の休日は釣人でいっぱいです。
マハゼは、集まる習性がある様で、釣れる場所、釣れない場所がはっきりしています。
良いポイントは、特にロッドがズラリと並んでいます。
僕は、投入した仕掛けがオマツリ(他の仕掛けに絡まる事)すると、嫌なので、こんな時は、別のポイントに行きます。
ポイントに着いたら、投げ釣り開始です。
投げ釣りといっても、チョイ投げで充分です。
仕掛けを投入したら、ゆっくりリールを巻きます。
ゆっくり巻いては止め、また、ゆっくり巻いては止める動作を繰返します。
仕掛けを動かしていくスピードは、本当にゆっくりで蟻の歩くスピードに例える人もいます。
仕掛けを動かさなくても、釣れはしますが、マハゼは動く物に興味を示すので、エサが動いていれば、マハゼが集まり、エサを食う確率が高くなります。
マハゼが食ってくると、ブルブルッと、アタリがでますが、この時、まだ仕掛けを上げずに、ゆっくりと仕掛けを引いて、追い食いをさせます。
3本針仕掛けなら、1匹が食っても、エサの付いた針が、後、2本あるので、これも食わせる訳です。
食いが良ければ、3本針に全部掛かります。
この時は、ヤッタという感じです。
仕掛けの投入は、最初は、真正面に投げますが、周りに釣り人がいなければ、やや斜め左右に投げたりして、釣るエリアを広げていきます。
マハゼは、大きく移動しない魚なので、アタリがなくなれば、もうそのエリアにいない可能性があります。
そうなると、ポイント移動です。
急にマハゼが釣れなくなる、もう1つの理由として、潮止まりがあります。
潮の動きには、満潮と干潮がありますが、潮の動き始めが、一番、魚が食ってきます。逆に、水位が変わらなくなる、潮止まりは食いが悪くなります。
潮の干満の時間は、新聞や携帯電話でも、調べる事ができるので、釣りに行く前に調べておくと良いです。
僕は、潮止まりの時は、置き竿にして、メシかコーヒータイムにしています。
この時、飲む缶コーヒーは、本当にうまいです。
連れがいる時は、話をしていますが、1人で釣りにきた時は、コーヒーを飲みながら、ボーッと、しています。
ポカポカ陽気の中の、この、まったり感も、またいいものです。
釣りをしていて、面白いと思うのが、釣り場で、見ず知らずの人と話をする事です。
普段だと、まず、話す状況がないでしょうが、趣味が同じ事が敷居を低くするのか、話す事が多いです。
ほとんどが釣果の話ですが、たまに釣りポイントの情報を聞けたりもします。
もう1つ面白いのが、対象外の魚が釣れる事です。
これを外道と言いますが、ハゼ釣りの場合は、セイゴが釣れてきます。
セイゴは、スズキの幼魚の事です。
15〜20cm程の大きさの魚ですが、これが、なかなか引くんです。
ハリス(釣り針を結んでいる糸の事)が細いので、切れやしないかとヒヤヒヤするんですが、このやり取りが、また楽しいのです。
何が釣れて来るのか、分からないところも、釣りの楽しさの1つです。
さて、釣りが、終わった後、釣った魚は、どうするのかと言いますと、もちろん持って帰ります。
僕は、キャッチ アンド リリースではなく、キャッチ アンド イート派なので、捌いて料理します。
マハゼは、魚屋では、まず、見る事のない魚なので、釣っても食べない方も多いと思います。
でも、白身で、美味しい魚なんです。
持ち帰ったマハゼは、まず、包丁で頭、ウロコ、内臓を取ります。
次に、3枚におろします。
これで、身が2枚と骨が1枚に分かれます。
大きなマハゼは、刺身にすると美味しいので、包丁で皮を引き、薄造りにします。
デキハゼは皮を引かずに身を天ぷらか唐揚げに。
僕は唐揚げが、好きなので、片栗粉をまぶして、高温の油で一気に揚げます。
後は、塩と一味唐辛子をつけて食べます。
これは、旨い。
やめられない。
ビールがすすむ事、間違いなしです。
この至福のひとときがあって、また、釣りに行こうと思う僕なのでした。
1日遊べて、のんびりでき、しかも、お土産付き。
良いこと、三拍子揃ったハゼ釣りは、僕のオススメの釣りです。
最後まで、読んで下さいましてありがとうございます。
遊趣思録、いかがだったでしょうか。
僕は、子供の頃から、釣りをやっているのですが、本当に面白いので、全く飽きる事がありません。
おそらく、一生続けられる趣味なんだろうなと思います。
さて、遊趣思録はこれからも、不定期連載していきますので、また、お話にお付き合い下さいませ。