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さなぎ  作者: 早芹氷華
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いつつめ。



 しかし、本当に外へ出ていいのだろうか。見たところ自分はとても弱い生き物だ。外に出たとして本当に生き残れるのか?今自分がいる場所が落ちたら死ぬほどの高い位置だったら?出た先に想像もできない程恐ろしい生き物が待ち構えていたら?



 そもそも、外に出ることが正解なのだろうか。このまま待っていたら、いつか誰かが助けに来てくれるかもしれないじゃないか。



 いや、分かっている。そんなことが起こりえるわけがないし、このままではいられない。体力的にも、外に出なければ自分はもう動けない。外に出なかったことを後悔したまま衰弱し死に至るのだろう。



 未知を恐れる自分にこの世に生まれたのなら行動しろ、後悔を黄泉へ持って行くな!何も成せず死ぬことを何よりも恐れろ!



 そうしてやっと決断が下せた。「外に出る」と決めた時、不思議と迷いは消え晴れやかな気持ちになっていた。



 そっと背中にある薄い膜を破っていく。いきなり飛び出すような度胸はないから、少しずつ少しずつ。



 傍から見ればたった数分の出来事だったのだろうが、自分にとってはまるで何日かの出来事のようにも感じられた。



 やがて、全身が出せそうなほどの穴が開いた。不安がないと言えば嘘になる。しかし、ここまで来てくたばるわけにも行かない。意を決し、体を持ち上げ外へと身を乗り出した。

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