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さなぎ  作者: 早芹氷華
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みっつめ。



 とりあえずは自分が今置かれている状況から考えていくことにした。と言っても、自分が今薄い膜に覆われていて、少しの隙間しかないこと。たまに風に吹かれ膜全体が揺れることしか分からなかった。



 少し穴をあけて外の様子を伺おうにも体の向きを変えるほどの場所の余裕はないし、膜が薄すぎて少し開けたらそこからどんどん破れてしまいそうだ。残念ながらこれ以上の情報は望めないだろう。



 仕方ないので、次は自分のこと「何が自分の武器たりえるか」を考えてみることにした。まずは先程も地形を把握するのに使った足。右に三、左に三で合計六本の足が生えている。



 動かして地形を把握するほかにも、でこぼこした所に足をかけ壁に留まったり軽いものなら物を抱きかかえたりすることも可能そうだ。しかし細く弱いので足を使って何かを倒す、ということは不可能そうである。



 次に頭。二本の触角が生えていて、ここから触覚の情報を手に入れることが可能そうだ。



 他にも細い管のようになっている口は柔らかく丸めたり広げたりすることが可能であり、牙がないことから何かを捕食するような生物ではないことが伺える。



 そして腹。足で腹にそっと触れてみると、まだしっかりと固まりきっていないようだった。内臓はかろうじて出来上がっているが、それ以外の全てはどろどろとしたものでできている。



 こんな体では、外に誰かがいなくともすぐにくたばっていただろう。すぐに外へと出て行かず良かった、と心から思った。

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