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第十一話

第十一話 AIGUS(Aboriginal Independent Goverments UnionS)


ランライドの侵攻はパスペカの侵攻よりもさらに簡単に終わったらしい。なにせ国防軍がないのだから。


俺は食堂へと向かうと、朝食をとろうと席に座る。

そこへまたディップが反対側の席にトレーを持って座った。


「なんでいつも俺の席の近くでめしを食うんだ?」

「まぁ、硬いこと言うなって。飯を一人で食ってもつまんねぇだろ。」

そう言ってディップはパンをかじる。

俺もディップに続いてパンをちぎって食べる。

「朝のニュースです。グルリ諸島のグマンタル、イバム、ペチア国の間で安全保障を目的とした軍事同盟が結成されました。」

すると画面が会見場へとかわり、3人の首相がそれぞれ国旗を後ろに掲げ、その前の壇上に各々演説の準備をする。

「我々は現在グルリ諸島が直面している安全保障上の危機において強い結束と緊密な連携が必要と考え、AIGUS、原住民独立政府連合軍を結成する考えだ。この名前は現在攻撃の危機にさらされている軍事力が乏しい国や発展途上国を意識してつけられている。我々はグルリの同胞の緊急時にいつでも支援する用意がある。

また、我々の考えに賛同し、互いの相互防衛に同意できる国々はいつでも歓迎する。」

グマンタルのユロムがそう説明する。


そこで一人の記者から質問が寄せられる。

「ここでいう安全保障上の脅威とは具体的にどこの機関を指すのでしょう?」

記者はあえて国ではなく機関と質問した。


「ここでは回答を差し控えさせていただきたい。」


ユロムは穏やかな顔でそう答える。

記者たちは察して、それ以上の追求はしなかった。


「こりゃあICAの反発は必須だな。」

ディップは他人事のようにスープを飲んだあとそう呟く。


「俺もお前も死ななけりゃあいいが、、、、、」


「んっ?何か言ったか?」

「いや、何でもない。」


世界の止まっていた歯車が動き出し、何かが起ころうとしている。それはまだ分からないが、

、、、引き際をどこにするかにもよるが、ICAがさらに侵攻を続けるとしたら当然グルリのグマンタルやペチアも入ってくるだろう。


「俺も長生きできないかもな、、、」


俺はそう独り言を言うと、食器を片付けに立ち上がった。

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