表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
電子書籍化【完結】今度こそ幸せを掴みます! ~冤罪で殺された私は神様の深い愛に溺れる~  作者: 綾雅「可愛い継子」ほか、11月は2冊!


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

53/88

第52話 神様からの贈り物を

 ほぼ毎日カオス様とお話しすることで、神様という存在を身近に感じてきました。他の方に対する興味が薄いそうですが、今日もヤクシ様に治療と薬の関係を教わります。アクア様も水害の防ぎ方を説明してくださいました。


 昨日は、ペルセ様に教わりましたわ。大地を豊かにする肥料について、でした。この国に必要な知識なので、メモを取りながら庭で実践を交えた講義をお願いしました。他の方にお姿が見えないので、私が覚えて伝える必要があります。


 こういった結果が予測できるお勉強は、身が入ります。少なくともダンスの授業より真剣に取り組みました。別に踊れない訳ではございません。時々お相手の足を踏んでしまうだけです。


「ふふ、僕の足なら踏まれても平気だよ」


 カオス様はそんな風に仰います。ここ数日はダンスの練習になると、顕現して私の相手役を務めてくださいました。ダンスがとてもお上手で、私が足を踏んでしまう回数はだいぶ減った気がします。


 明日はカオス様が、他国の様々な事情を教えてくださいます。お隣の国と仲良く過ごすための秘訣などがあれば、お父様の助けになりますわね。農業に優れているのはどの国か、隣国は鉱山からたくさんの鉄を掘り起こしていました。でも加工が得意な国はその向こうにある別の国です。そういった繋がりを知れば、助けを求めるときに役に立つと思いました。


「明日は僕だから、レティの父君と宰相も呼ぼうか」


「はい」


「もちろん、レティは僕の膝の上だよ」


「もう! 子供ではありません。自分で座れますわ」


「じゃあ教えない」


 子供みたいな我が侭を口にして、綺麗な唇を尖らせるのです。なんて大人げないのでしょう。でもそんなカオス様を、可愛いと思う私がいます。きっと他の方には見せない一面ですから。私だけに見せてくださるのは嬉しいです。


 学んだ知識は「神様からの贈り物」として、お父様にお話ししました。お父様に説明するには、私がきちんと理解していなくてはいけません。まだ8歳になる前なので、難しい言葉はあまり使わないようにしながら、お話しさせていただきました。


 わずか数年で国は潤うものではない。カオス様の助言に従い、お渡しする知識はすべてではありません。長く民を潤し続けるには、一度に大量の水を与えるのではなく、常に必要なだけの水を注ぐようにしなさい。


 以前は意味がわからず首を傾げましたが、今は私も理解できました。急激に発展すると、衰退までの時間が短いのだそうです。人は驕り、働く喜びを忘れます。長い年月見守ってきた神様ならではの視点でしょう。


 これから10年先、この国は大きく変わっているでしょう。私はそれを天上から、カオス様の隣で見守ることになります。結婚式は16歳のお誕生日に決まりました。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ