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余命を自分で決めた日  作者: cheee
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第1話 『友達の宣告』


「なぁ、明後日の金曜日なんだけど!」


「なに?」


「死ぬ事にするわ」


また構ってちゃん発動……うん、さすがにうんざりするわマジで!毎度の事ながら急に話しかけてくると思ったら欲求不満か!


「何で?」


「何かさ、自分の命が後どれくらいとか、いつ事故にあうか分からないとか、事件に巻き込まれるかもしれないとか、めんどいんだよねー」


いや、俺がめんどいわ!!毎日毎日困らせる事言いやがってお前の母ちゃんか俺わ!


「そんな事言うなよ!お前が死んだら俺泣くぞ?」


俺ってなんて優しいだ。自分ながら惚れてまうやろー


そう言うと『彼』友達の工藤聡は俺の部屋から「まぁ、そうゆう事だから。じゃあな」と言い残し出てった。


次の日の木曜日聡は学校を珍しく休んでいた。


「工藤君が休むなんて珍しいねー。何かあったの?」


そう聞いてくる彼女は松村明日香。クリクリとした瞳に艶のある黒髪。肩ぐらいまで伸びてるかな?小さな口に綺麗な肌、身長は俺より20cmぐらい低いから150ぐらいだろう。幼さのある顔は俺のちょータイプ。そんな明日香は俺の初恋であり、片思いの相手であり、そうアイツ!工藤の事が好きな子でもある。


「さー、分かんない。風邪でも引いたんじゃね?」


確かに聡が学校休むなんて珍しい。アイツがいくら構ってちゃんでも学校休んだのは今日が初めてぐらい珍しい。


昨日の事と何か関係あるんか


「そっかー、私後で行ってみようかなぁ」


いや、それはイカン。もし聡のご両親がいなかったら君達は二人きり、それだけはイカンよ!


「俺も…… い、行こうかな」


いつもの挙動不審者っぽく顔をポリポリしちゃう俺氏、マジキメェー。


「達也が一緒なら助かる!!私一人で行った所で何を話すわけじゃないし…… 放課後、西門で待ってて!」


そう言って明日香はフレンズの祐子のところへ行った。


申し遅れましたが私、佐野達也と言います。


高校二年のちょーイケメン!のお友達やってます。ええ、中の中の中の俺だけど

優しさなら聡に負けねぇ。根は真っ黒だけどな!!


って事で聡の家に到着。


ピーンポーン


「はい」


インターフォン越しに聞こえる馬鹿野郎。


「見舞いにきたぞー!」


「今開けるわ」


横にいる明日香は何か落ち着かないのかモジモジしてる。その姿を見て俺もモジモジしちゃう。モジモジカップルになりませんかぁー


ガチャっとドアが開いた。


「どうしたん?」


いやいや、こっちのセリフだわボケ。


「お前が学校休んだから様子見に来たんだよ」━━ボケ


「さ、聡君、風邪…… でも引いたの?」


モジモジしていた明日香がモジモジしながら聡に話しかけた。聡君て下の名前で呼んじゃうのね。それに、その態度、好きな人を前にする態度だからやめてね。見てられないのよクソー


「松村も来たんか、いや別に風邪とかじゃなくて母ちゃんが倒れたから着替えとか色々やる事あって休んだ」


頭をポリポリと掻く聡は目を逸らしている。俺には分かる。君、嘘つきやね……


「なぁ、家入れてくれよ!!外さみーんだわ」


「あぁ」


俺と明日香は家に入った。


「「お邪魔しまーす。」」


お!声が重なってハーモニー。僕のハニーになりませんかぁー


「あれ?親は?」


誰もいない様子の家を見て敢えてそう言ってみた。


「まだ仕事」


「お前、さっき母ちゃん倒れたって言ってなかったか?」


俺が突っ込むと一瞬聡が固まった。


「親父はまだ仕事。」


まぁいい。そうゆー事にしといてやる。


「なる」


聡の部屋へ入った俺と明日香はベットに横並びで腰掛けて座る。聡は座椅子にもたれ掛かり漫画を読み出しやがった。


部屋はドアの目の前に聡が座ってる座椅子があり、真ん中にテーブル、を挟んでベットがある。その横にデカめのテレビが存在感丸出しであるが、それを埋め尽くさんばかりの漫画本が散らばってる。


コイツは片付けることを知らんのか!


っと明日香は漫画本を手にとり巻を揃えて棚にしまってる。几帳面な性格故か聡を目の前にしてのやり場のない感情か、ちと分からない。


「松村。あんまり触らないでくれる?俺がやったからどこにあるとか把握してあるの!って言うか何しにきた?」


━━カッチーン


流石に俺もそれは頭にきたぞ。お前が好きだから心配して、自分が何をできるわけじゃないと言いながらもわざわざ来てやってるのに。明日香オドオドしちゃってるじゃねえか!


「お前、明日香の事どう思ってんの?」


「どうってどうゆー意味?好きか嫌いかだったらどっちかと言うと好きじゃない。」


好きじゃないって二択のどっちも当てはまってねえじゃねえか!まぁそれはいい。


「お前の事心配して来てるのにちょっと言葉悪すぎだろ」胸糞悪いな。


「私…… 帰るね……」


彼女は俯き、そのまま部屋を出ていく。

それを追いかけるように俺も「まぁ、元気ならいいわ。じゃあな」と告げ部屋をでた。


玄関を出ると俺を待っていたかのように明日香はいた。


「ごめんね。」


「俺こそごめん。あんな事言って…… 頭きちゃったからつい……」


明日香は首を振り「いいの!ありがとう」

って言ってくれた。ありがとうなんて言われる筋合いないのに。ひねくれ者の俺なんかに。


「じゃあ、また明日ね」


「おう、また明日!」


彼女の姿が見えなくなってから俺も帰宅した。


次の日の金曜日、何故か俺は明日香と聡に起こされた?


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