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あしたの糧  作者: たびー


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長編小説を書き上げました

【時の舟と風の手跡】のネタバレが含まれます。

ご注意ください。

 お久しぶりです、たびーです。短編中心に作品を書いている者です。この「あしたの糧」でも、しばしば長編(十万字~)が書けないと、吐露していましたが、このたびワタクシなんと、書きました。

 長編、110000字と少し。

 書きあがるまで、一年と一か月かかりました。

 これまで短編しか書けなかったのに、いかにして長編が書けたのか、自分でも忘れないよう書いておこうと思います。


 結論から言えば、大切なのは。


 キャラを固める。

 プロットを最後まで作る。

 これにつきました。


 以下は実際の作業と考察です。

 

【時の舟と風の手跡】という作品を13か月かけて書き上げました。

 ※以下、ネタバレがあります。読みたくない方は回れ右です。

 

 発端は、他サイトのライト文学賞へのエントリーです。

 ライト文芸というカテゴリーなら、書けるのがあるのはないだろうか、と考えました。

 その時、思い出したのは、ずっと以前に読んだ新聞記事でした。

 百歳の祖父と暮らす二十代の孫(男性)の記事でした。

 珍しいと思って覚えていたのです。だって、通常なら、孫じゃなくて子と暮らしませんか?

 孫さんがどうして祖父と暮らすことになったのか忘れましたが、百年を生きると子のほうが先に亡くなったりするのです。その老人も、百年も生きていると知り合いはほとんどいなくなり、寂しいとインタビューに応えていたと覚えています。

 それ、使えるんじゃないか。

 高齢の祖父と男孫。それに季節の料理を合わせてみたら……。と、ごく単純な骨子で話を考えました。

 

 話の展開は、春から始めて春で終わる、これにしよう。

 わたしは現在、Nolaというサイト内でプロットから執筆まで使っています。

 では、キャラクターを作ろう。

 孫、祖父、孫の父、親戚の女の子、不良の親戚。

 こんな感じだろうか。

 キャラシートを作りました。まいどキャラが弱いことが自分でも欠点と思っているので、今回はふだんよりもキャラシートが埋まるように作りました。誕生日、身長体重、血液型、特技etc。

 キャラのビジュアル(AIやキャラが作れるサイトを活用しました)も決めました。

 それから、大まかなプロットを作成。

 

 春、夏、秋、冬、再びの春。

 最初は五章で組みました。


 時の舟は、はっきりいって大きな事件は起きません。

 竜幸が家を返せというのと、おじいが倒れて病院に運び込まれる、というのがせいぜいです。

 あとは、ごく普通の日常が軸になっています。


 そのため、季節感や行事感が出せる料理を考えました。

 仕事の合間になど、メモを取りました。また、食材や料理も検索しました。老人が食べやすいものは、と考えました。

 メモには「おいしそうな食事を出すこと」「季節感を出すこと」と書かれています。


 プロットはふだんよりも詳しく作りました。Nolaは付箋のようなマスにアイデアを書いて、それを自在に並べ替えてプロットが作れるようになっています。とても便利です。

 その他、メモ機能に紙に書いたメニューや、登場人物のサイドストーリーを覚書き程度ですが書きました。


 資料として、葛城家の家系図も作りました。

 謹吾と寿の子供は五人です。三男次女。

 謹吾が生まれてからの日本史年表は、娘からもらった日本史の資料集をコピーしました。

 また、謹吾は海軍にいたので、それの調べ物はwikiを使いました。ほんとは、きちんと本で資料を集めればいいのでしょうが(正確性を考えて)、正直まいどの泥縄です。

 その他、今治の日の出日没、梅雨時の降水量、松山空港から今治までの景色等、書くために調べ調べ……泥縄以外の何物でもなかったです。

 結局、最後のカフェでの具体的なメニューはほとんど書けず。今後調べて改稿したいです。


 介護の部分については、あまり生々しく書きませんでした。きれいごとと言われればその通りです。

 製作中の八月に、母が体調を崩し救急搬送されたりしました。結局、母はその後二回目の救急搬送後は病院へ入院し、今は介護施設で暮らしています。

 ケアマネージャー、包括支援センターの方には大変お世話になりました。

 結局、わたし自身はそれほど母の介護をしませんでした。

 また、父(昭和七年生まれ)は体は元気ですが認知症がだいぶ進んでいます。

 家族を取り巻く変化(主に下り坂)もあり、今作を書く気持ちになったといえます。


 さて、プロットを最初から最後まで作ってから執筆を始めましたが、だからといって快調だったわけではなく、決めてあるのは大まかな筋です。

 たとえば風の家の室内はどうなのか、どんな会話を交わしているのか、どんな表情?

 考えたらきりがなく、すらすらとは進みませんでした。

 また前出の通り、調べるものもそれなりにありました。調べないと書けないということも多発。


 それでも今回以前書いた「長編小説に挑もう」に書かれてある通りのことを実践していたと気づきました。

 小説講座を受講することで、プロットを作ることの大切さやキャラクターを作らないといけないという自分の弱い点を念頭におくことで、長い物語が書けたのだと思います。


 準備八割、と思いながら本編を書く前にキャラを決めたり、プロットを組んだりしました。


 結末に関しては、風は四国の本社に行って働くだろうと決めていました。この時点で伊東と結婚することも。

 ただ、カフェをするとは思っていなかったのです。さらに茉莉花まで。


 自分はプロットなしので物語を書く「パンツァー」ではなく「プロッター」であろうとは思います。キャラが自由に動く~というタイプではないです。ある程度動くこともありますが、それは稀です。

 なので、今回こんなふうになるなんて、自分でもちょっと驚きでした。


 また、変更した削ったエピソード、追加したエピソードもありました。

 ※削ったのは、おじいの教え子が訪ねてくる、というもの。

 ※追加したのは、茉莉花のもろもろ。あんなに勉強するとは思わなかったよ、まりかさん。


 そして当初、五つの章で終わるはずでしたが、初盆も済ませずに引っ越すのは、ちょっとありえないと思い、風の旅立ちは秋になりました。そのため、最後の最後になって冒頭の部分を書き換えました。


 途中、書いても書いても終わらなくなり、「小タイトルだけ先に決めておけばいいよ」という発言を耳にして、あらかじめタイトルを割り振っていましたが、それでもずるずると伸びました。

 花嫁のマカロン以降、やたら「1」「2」が増えたのはそのせいです。


 今回長編を書いて感じたことは、長編を書ける人のすごさでした。

 実はわたしは十万字以上の作品を書いたのは実に四半世紀ぶりでした。結婚前に十万字と少しくらいのBLを書き上げていました(しかもプロットなし)。それは三か月くらいで書き上げていたので、今回はその四倍もかかったので、さすがに体力の問題だろうかと思ってはいます。


 このペースで考えると、長編は一年に一作ということになります。

 途中途中、短編も書きましたが、長編を書いていると頭は長編のことを中心に考えるので、並行して書くのはとても難しかったです。結局、長編をお休みして短編を書くという方法でやっていました。


 そういう不器用さも、できたら克服できればいいなと思っていますが、できなきゃできないで無理しませんよ、もう。

 大変なのは、疲れ目です。それが一番つらいです。


 次はたぶん五万字くらいではないかと思っていますが、書かないと分からないです。


 

 長編の修業はまだまだ続きます。

本作を書くにあたって、影響されたもの。

ドラマ

「僕らの食卓」

「天狗の台所」

「晩餐ブルース」

うーん、みんな男性ばかりだな(笑)

晩餐ブルース、セカンドシーズンも作ってほしいです。


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