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あしたの糧  作者: たびー


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29/53

「花の簪」完結によせて雑多なことなど

ほんと、雑多です。

読んでくださった皆さん、ありがとうございました。

FAを寄せてくださった、みうみさん・狼子由さん、感謝です!!

「花の簪」が、足かけ四年の歳月をかけて、ようやく終了しました。

 ずーっっっと書いていたわけではなく、更新は本当に飛び飛びで、やたら時間がかかってしまいました。

 これだけ制作に長い時間をかけると、終わったら終わったで、達成感はもちろんあるけれど喪失感みたいなものもありますね。


 花簪を書き始めたきっかけは、Twitterでも交流させていただいている、とにあさんからのお題「簪」を消化するためでした。

 当初は、SSのつもりでした。簪で喉を突く、というのがイメージにあったのです。

 で、そのころFA(ファンアート)を貰える書き手さんが羨ましくて、羨ましくてしょうがなくて。しかしながら、自分には来ない……来ない(T_T)

「来ないよ、来るはずないよ、うちになんかっっ←血涙

 だったら、いっそ絵にできないようなキャラをだしてやる」

 と、いうわけで、美女ではない姫を考えました。

 美女ではない、しかし、歌がめっちゃ巧い。で、どうだろう。


 ところで、物語にしろ映画にしろ、美男美女があふれていますな。見た目が良くて、悪いことはない。眼福なんて言葉もあるわけだし、見かけがよいに越したことはない、多分。


『銀の海 金の大地』(氷室冴子/作)に、未完のまま作者逝去で終わってしまったけれど、印象深いシーンがあります。

 血統的には申し分ない皇女が嫁ぎ先の皇子とその友人たちに、容姿を笑われるという場面がありました。

 しかも、その後に娶った(ひめ)は超絶美少女=主人公の双子の妹←たしか。

 皇女は悔しがるわけです。嫉妬するわけです、若く美しい媛に。


 人の容姿について語るとき、己の本性というか差別的な意識とか、そういうものが試されているように感じます。


 美醜とはなんなのでしょうね。

 とある回のオリンピックで、少女が歌を歌いました。しかし、後にそれは口パクだったと暴露されました。

 歌担当の少女は、どんな気持ちだったでしょうか。口パク担当の少女は、どんな気持ちだったでしょうか。

 ニュースを聞いたとき、わたしの胸の中に(おり)が淀みました。


 例えば、役者さんやバレリーナ、フィギュアスケートや新体操の選手、見た目はどれくらい重要というか、「効果」があるのでしょうか。バレエなどは「選ばれた者がする芸術」等と言われることがあります。

 反面、写真でみると、さほど……と思える外見でも、演技に入ると輝くような魅力を発揮する役者さんもいます。

 その逆もあって、残念に思ったり。


 花簪では、サーデグも最初は姫の容姿を笑ったりこそしなかったけれど、それは無関心だったからということでした。

 姫さまの歌を聞いて、初めて彼女の顔をしっかりと見たでしょうけれど、もうそこには「才能」のエフェクトがあって、容姿など関係なくなっていたみたいです。

 とはいえ、姫が見た目で他の妃たちに軽んじられていたり、王の足が遠のいたりといったことから、客観的にも分かっていたと思います。


「それが、なにか?」というスタンスを崩さなかったサーデグは、師匠とあおぐ姫を心から尊敬していたのですね。だから、ゾランが「ぶさ……」と言ったときに睨んだり、姫さまは、可愛らしいのだと力説したりしたわけですよ。


 洋の東西や時代によっても、美の基準は違います。ふっくらとした体形が好まれるところもあれば、唇に板を入れて大きくしたほうが美人というところもあります。


 ネットで知り合った皆さんとは、大概ちょくせつ顔を合わせる機会の少ない世界です。

 何度かイベントに出て、フォロワーさんとお会いしますし、わたしのことも見るわけです。

 わたしが会った皆さんは、ふだんのやり取りからビックリするほどイメージがかけ離れた方は少ないです。キャップを感じても、お話すると「ああ、やっぱり〇〇さんだ」と実感します。

 ま、わたしはあんな感じですよ、お会いした皆々様。


 それでもって、舞台である中央アジアにも触れておきたいです。

 わたしが子どもの時に、国営放送で第一期の『シルクロード』の放送がありました。たしか月一で放送していたような。わたしはその放送を毎回・毎回楽しみにして見ていました。

 当時は中国との国交が正常化して十数年……歳がバレる(笑)

 しかし、海外旅行先としてはまだまだマイナーでしたし、気軽に行けるような土地でもありませんでした。ことに、シルクロードと呼ばれるような場所には。

 毎回映し出される、エキゾチックな風景・風俗にわたはワクワクしっぱなしでした。

 幻の王国・楼蘭、さまよえる湖。スタイン、コズロフ、ヘディン、大谷光瑞といった中央アジアを探検した人々。

 ヘディンの『さまよえる湖』や『中央アジア探検記』を読んで、憧れを膨らませていました。

 そして、当時読んでいた雑誌でシルクロードを題材にした漫画が始まりました。短編連作の『シルクロードシリーズ』作者は神坂智子。

 作者の神坂智子は、実際にシルクロードや中央アジアへ取材旅行へしていました。

 内容は、SFとファンタジーを織り交ぜた内容でしたが、とても好きでした。先日整理したら、花とゆめ掲載分のコミックはほとんど持っていることが確認できました(∩´∀`)∩


 その中でも、とくに好きなお話をいくつかありますが、中に絹の製法を西へ伝えた姫のお話がありました。

 姫はそれほどの容姿でもなかったけれど、初めて恋をした西の王子に結婚を申し込まれて有頂天。ただ、王子は姫が輿入れするときに、絹の糸を吐く蚕を故国から持ち出すよう懇願するのです。

 王子に一途な姫は、禁を犯して蚕の繭を持ち出して絹の製法を伝えます。

 しかし、絹が目的だった王子は姫をないがしろにします……。

 という筋書きなんずけど。

 容姿がパッとしない姫が主人公なあたり、ユェジー姫っぽいですね。

 その姫は信念の人で、物語の主軸になるキャラが故国へ返す手助けをすると言われても、「ここへ嫁ぐと決めたのは自分だから、国へは帰らない」と拒むのです。ただ、自分への愛情を持たない王子へ一矢を報いるようお願いするのです。


 今は電書でも読めるようです。いい時代ですねぇ。


 長々と、「花の簪」に関することを書いてきました。

 書き始めたものの、自分には手に負えないテーマだと気づいたときにはすでに遅く、何度も「もう止めちゃおうか」と思いました。

 それでも、なんとか書き上げられたのは、ひとえに読んでくださる皆様のおかげです。


 エタりそうだった作品を書き上げたことで、ちょっとした自信がつきました。

 今現在も途中で放置した作品がお恥ずかしながら、たくさんあります。一つずつ完結させていけたらと思っています。


 書いているあいだじゅう、苦しいことが多かった今作ですが、そのぶん思い出もたくさん。

 ツッコミどころ満載で、お見苦しい点も多々あろうかと思いますが、そのあたりは、改稿するときに少しでもよいものにしていきたいと思っています。








もう止めよう、と思ったときに聞いた曲は、米津玄師の「Lemon」でした。

あと、平井堅の「ノンフィクション」。

「ノンフィクション」は紅白のときに、後ろで踊っていたダンサーのパフォーマンスがすごかった!!



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