創作活動と結婚の相性
結婚と創作活動は両立できるのか。
文学フリマ東京に参加した思い出は、すでに書きましたが、こちらはその番外編。
お隣のブースのお嬢さん方の会話に乱入してすみませんでした、というお話です。
実は(と、いうほどのことではないのですが)、ブースのジャンルわたしのところがSFの最後尾でした。お隣はすでに違うジャンル。そして、可愛らしいお嬢さん方がお二人(入れ替わり立ち替わりしながら三人かな?)。
おお、若いっていいなあ……と小母ちゃんは思っておりました。
開場の入りは遅かったのですが、手際よくブースを作り上げていたあたり、きっと何度もイベントに参加してるのでしょう。
お互い、お客さんが来たり来なかったりしながら、眠気が襲ってきた三時くらい。互いのブースは人影まばらで暇になっておりました。
と、お嬢さん方の会話が耳に入りました。
「結婚したいと思う?」
と、そこからお二人は結婚について真剣に話し合い始めました。
経産婦の小母ちゃんは、キラキラした会話を盗み聞き(っていうか丸聞こえですよぉ……)。
そういえば、自分も「結婚したら、小説なんか書いていられないだろう」と思っていたなあ……実際、自分の時間が無くなるのが嫌だといった友人たちはいまだに一人ものだし(別に創作活動はしていないみたいだけど)。
女性はどうしたって、結婚したら家庭のアレコレをしないといけなくなります。
子どもが生まれたら、それはそれでてんてこ舞いだし、学校のPTAやなんやかんやで手一杯。自分の時間なんて、無きに等しい。
夫になる人が、よほど家事に協力的(いやいや、男性もひとかどの大人ならば自分の身の回りのことくらいしようよ、あなたも家庭生活を回す一員なんだよ)でなければ、自分の一番大好きなものを手放すことになる。だったら、結婚はしたくない、となっても不思議ではないです。
お嬢さん方は、たしかにいわゆる結婚適齢期なんでしょうね。きっと知り合いにはすでにお母さんになっている場合もあるでしょう。
結婚したいわけじゃないけど、ちょっと焦る。このままでいいのかな、と。
小母ちゃん思わず手元にあった南部せんべいを手渡してお話に交ざっちゃったよ。
「お金さえあれば、結婚しなくてもいいと思うよ」と。
身もふたもない。でも、ほんと。独身でもお金さえあれば、惨めな思いをしないですみます、これ真実。
自分が年をとるより、親はもっと年をとるから。健康なうちはいいけれど、たいがい病気をします。それは親かもしれない、自分かも知れないです(わたしの友人の一人は40前に子宮頸がんに、もう一人は潰瘍性大腸炎になりました)。
そういった人生のイレギュラーに対応できるほどの準備はしておいた方がいいです(て、これは言わなかったけど)。
「ただ、子どもがいると、ネタになるよ。すごい、楽しい」
ともう一言だけ。
わたしは結婚も出産も遅かったから。創作活動を再開した時にはすでにいい年だったし。
結婚前にBLの新人賞に出して、そこそこいい感じだったから、あそこで頑張ればもしかしたら、プロになれたかも知れないという後悔はあるけれど、そこから再び筆を執るまでの十数年で経験したことや読書したことは無駄ではなかったと思っています。
今回のイベントで見る限り、創作活動をしているのは若いひとだけではなく、自分と同じくらいの世代のかたも、とても多くて嬉しかったです。最年長はなんと98歳。
本を作る、というレベルはさすがにある程度時間や資金がないとできませんが、小説を書いて発表するというのなら、できます。
結局、好きなことは止められないのだと思います。
もしも、結婚する・出産する機会がめぐってきたなら、それに乗っかるのは悪いことじゃないと思います、小母ちゃん。
お嬢さんたちの創作活動が幸せであるようにと、思った次第。
くたびれた小母ちゃんも頑張っているからね。
できると思う。
地元のイベントで小さなお子さんをだったこした、ママさんレイヤーみたよ。ピンヒール履いて、金髪のカツラかぶて、スタイル抜群。かっこよかったよ。