文学フリマ東京に参加したこと
ほんとうに、楽しくて楽しくて。
日曜日、古くからの友人へ十日遅れの誕生日プレゼントと東京のお土産を渡してきました。
火曜日、鞄を貸してくれた友人へ鞄を返却。お礼の東京のお土産を渡してお喋りしてきました。
いつの間にか十二月に入りました。いま勤労感謝の日の出来事を、なんだか夢のように思い返しています。
平成29年11月23日、午前五時過ぎ。起き抜けのボンヤリした頭で、気づきました。
「シャツ、後ろ前……」
文学フリマ、当日の朝のことです。
この日にたどり着くまでには、幾多の困難がありました。主な原因は私が文筆活動について家族に一切秘密にしているからなのですが。家族のいない日中が主な作業時間だったのですが、イベント一週間前に娘がテスト期間のため、午前中で帰宅。夫は夫で11月中旬から長期休暇を取り、一人になれる時間が激減し、とにかく作業ができません。さらには新刊の原稿が進まない! 遅筆の自分を恨みつつ、なんとか書きあげ隙を狙って製本作業。準備が完了したのは出発前夜のことでした。ちなみに大きな鞄は車に隠しておきました。
朝イチの新幹線で移動中、読書しようと思ったのに、ほぼ爆睡でした。すみれさんのツイートから東京が予報通り雨だと知りました。
地元は雪で東京は雨、どっちがいい? どっちも嫌です。
終点東京駅で下車、重い鞄を押したり持ち上げたりして、ヨロヨロと浜松町駅まで到着。事前に待ち合わせをしていた、檀さんと篠原先生と合流成功、ほっとしました(ご両名ともに私は初対面)。檀さんに引率いただきモノレールを降りた先にあった会場へ雨のなかを歩いて到着、なんとお隣は図書館勤め当時お世話になったTRC(図書館流通センター)じゃありませんか!! それだけで、もうテンション急上昇。
出店者の長い列で待たされたのは僅かな間で、じき開場へ。私たちのブースは二階、私は入り口付近の角です。
この日のために縫ってきた、「あの布」をスペースに装着させてから、ノープランなまま来てしまったことを悔やみつつ無い知恵を絞り必死で陳列(あとから来たお隣さんの手際と見映えのよさときたら!)。
動いているうちに暑くて汗をかきました。半分冷や汗ですね。わちゃわちゃと準備して、一息つくともう開場の時間で、開会を告げるアナウンスに皆さんの降るような拍手が。
開場してもわたしのブースの二階へは一気に人が雪崩れ込むこともなく、すでに疲れてボンヤリしていたら、みうみさんがいらっしゃいました。
「あれー11時くらいって言ってたけど、早かったねー」
「もう11時だよ?」
言われて気づく、そう、開場は11時でした。
いかん、すでに疲労困憊か。
6月の岩手文フリ以来のみうみさんと、二言三言お話ししていたら、「たびーさんですか」という控えめな問いかけに、はいと答えれば。
「すみれです」
えええええーー!! しょっぱなから!! あわあわしていたら、とつぜん目の前に、
「狼子です」って、ええええー!!
こんないきなり!?
一気に知り合いの皆さんがいらして、小母ちゃんアワアワしていました。
みきかなたさん、鈴里さん、梨鳥さん……。もう目がグルグルしてしまいましたよ。
ああ、みなさん実在していたんですね(あたりまえだ!)。そして、なんて可愛らしい。早めに産んだら、私の娘もこれくらい……みたいな若さにタジタジしてしまいました。
そして、ましのさん!!
ツィッタ初めてからごく初期のころからのフォロワーさん(そして、とても素敵な小説と手芸作品とを作るかた)。ほんとうに会える日が来るとは!
なんだか、もー「!」マークばっかりで申し訳ないです。
たくさんのお土産やお言葉をいただいて、もうすでに夢を見ているような気がしました。
本以外にも、文庫カバーや通帳ケースもお買い上げいただいて、ありがとうございました。
賑やかな一団が去って、一息つくころに高校の後輩がやってきてくれました。
彼女は部活の後輩で、千葉在住。長い間、ずーっっとわたしに「小説書くんでしょ?」と言い続けてくれました。結婚・出産、育児に仕事とあわただしくしていたわたしが、もう一度物語を書けたのは彼女のおかげのように感じています。差し入れのフルーツサンド、とても美味しかったです。
当日、ブースに座っていて、なんど「たびーさんですか」と問われたでしょうか。そして「た、たびーです」とどもりつつ答えたでしょうか。
太ましき猫さんからは、受験を頑張った娘へと、とても素敵なネックレスをいただきました(娘、お出かけのときによく身につけています)。みうみさんと二人で「ちっとも太ましくなかったね……(スタイル、抜群でした)」とかボソリと話したりしました。
そして、柿ノ木さん!!
わたしが文フリを知ったのは、柿ノ木さんのツイートからでした。あれから二年、まさか東京のブースに本を並べるなんて、誰が予想したでしょうか。本人すら、まったく考えてもみなかった世界です。
しかし、あれですね。ツイートやエッセイで会ったこともない方の日常を知っているというのも不思議なものです。わたしが最初に柿ノ木さんに聞いたのは「犬に噛まれた傷は大丈夫ですか」でした。
実際、お話してふだんのツイートとあまりかけ離れていないとも、しみじみと感じました。
ヒラKさんや、もりわけさん、それに檀さんやすみれさんは、SFコンで知り合った方たち。
ほんとうに会えたこと、お話できたこと、とても嬉しかったです。
篠原先生、あのとき『後宮に星は宿る』を持っていたのに、サインしていただくのを躊躇してしまい、帰宅してから後悔しました(いま三巻目拝読中です)。
ときどきお店番を、みうみさんにしていただきながら会場を回って何冊か購入させていただきました。
ちゃんとカタログを確認していくべきですね。反省。
見知らぬかたにも、『ソラとカナタ』や『ホシゾラノクニ』をお買い上げいただき、感謝しきりです。意外と、ハンドメイドの文庫カバーと通帳ケースも売れました。
ブースのディスプレイもイマイチだったのに、よくぞお手に取ってくださったと思います。
(なお自作の、あの布はとても快適で便利でした。文フリ岩手でのストレスが嘘のよう)
お隣さんは、五時の終了を待たずしてお帰りになりましたが、わたしたちは最後まで残って、会場の撤収に微力ながらお手伝いして帰りました。
へとへとになりながらも、みうみさんとお食事してお土産を買って、新幹線の席でもずーっとお喋りしていました。
夢のような一日。きっと、忘れられない思い出です。
遠いところ、いらしてくださった皆さん、ありがとうございました。
※追記
娘に、太ましき猫さんから言付かったネックレスを渡したところ、
「誰がくれたの?」の問いに「ふ、太ましき猫さん……」という受け答えから、
じつはお母さんは、文フリへ行くといって出かけたが、売る側のほうで行ってきたのだ。お母さんは小説を書いているのだ、ということをカミングアウトしました。
執筆がやりやすくなりました。
当日、あまりにイッパイ一杯で、お名前を失念してしまった方がいらっしゃるかも知れません。
ご容赦くださいm(__)m
そして、また文学フリマ岩手には参加します! 親の健康状態によりけりですが!!




