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あしたの糧  作者: たびー


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小母ちゃんの伸びしろ

おばちゃん、本を作る。

 本を作りました。

 良く作れたものだと、印刷屋さんから届いて現物を手にした時にシミジミと感慨にふけりました。

「まさか、ほんとうにできるなんて」

 小母ちゃんはそう思いました。


 去年の第一回文学フリマ岩手へ出かけたときに、あまり地元からの参加がなかったことや、たんに本を作りたいという憧れから「次回は出よう」と思ったのですが、そんな簡単なものじゃ無かったのでした。


 だいいち、本ってどうやってつくるの? ツイッターでつぶやいたなら、フォロワーさんが「ポプルス」と「ちょ古っ都製本工房」を教えてくださいました。

 ネットから資料請求して、そこからスタート。

 原稿あるから大丈夫と、タカをくくっていたら大やけど。

 表紙はあるけど、裏表紙はどうするの? PDFって何!? とか、もう「できない」「分からない」ことが山積みでしたが。


 今回は、ほんとうに知り合いの方まで巻き込んで偉いことになりました。もうできない、無配だけにしよう、とも思ったことが何回も。カレンダーとにらめっこしてはイベントまでの残り日数を数え、キリキリと痛む胃と格闘してようやく入稿、完成。

 しかし、受け取るのもこれまた一大プロジェクトで、家族に活動を内緒にしている手前、どうか私ひとりの時に来ますように…という祈りは半分通じましたが、ポスターが届いたときには娘にガッツリと見られてしまいました(今のところ、相変わらず秘密にしています)。


 そして、無配。コピーすれば簡単にできる……できるはずなのに、ミス連発。どれだけお金を無駄にしたことか(そしてシュレッダーを買っておいてどれだけよかったと思ったことか)。

 さんざん苦労してできればそれまでの苦労も吹っ飛ぶくらいうれしかったり。


 だから、みんな次も作っちゃうんだろうな。分かりましたよ、ほんと。


 そんな小母ちゃんの私でも、今回の本づくりを通じてWordのスキルがちょっとだけ上がりました。コンビニのコピー機の使い方が一段階くらい上がりました。PDFに変換することもできました。無配の表紙を作るためにお絵かきソフトの活用法もわずかばかり出来ました。

 発送するために、二次元バーコードを使って宅配を頼んだりと、新しいことにどんどんチャレンジしています。

 何か新しいことをすると、それに付随して別のスキルも上がるようです。この歳にして、進歩が感じられることなんて、ほぼありませんから驚きの連続でした。


 さて、来年もイベントはあるそうなのでまた違う本を作って参加したいと目論んでおります。

 こりない、ほんと、懲りない。



ご協力いただいた皆々様、感謝申し上げます。

みうみさま

冴吹さま

遠野嫁さま


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