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あしたの糧  作者: たびー
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世界の中心で嫉妬を叫ぶおじさんの話

自分が影響を受けた本のご紹介。

えほん、いいですよ(*'▽')

 自分の嫉妬深さにいつもがっかりしています。


 ほかの方の作品を忙しさを理由にして、あまり拝読しないのは読むと落ち込んでしまうからです。

 別サイトでフォローしていた絵描きさんが小説も書かれて、それが自分のよりもうまくて「絵も小説も書けるなんて反則だ!!」と勝手に嫉妬に怒り狂いフォロー解除したことのある前科者です。

 かように、みなさんの作品を拝読しては、自作の下手さ加減に悔しくて情けなく、作者のかたを嫉妬してしまう……ネットで作品を発表して以来の情けない私の実像です。



 そんな私が書いたのが『エトワール』でした。


『エトワール』の主人公・オルグはおのれの自尊心をぽっきり折りやがったノームの女性に嫉妬しまくり、懊悩するという物語です(以上あらすじ)。


 まさに、モデルは私です。


 この物語の核になったものたちがあるので、それを書きましょう。

『トレモスのパン屋』(小倉明/作・くもん出版)

『ルリユールおじさん』(いせひでこ/作絵・講談社)


『トレモス~』の主人公は、パン焼き職人・ポルトです。トレモスいちの職人と呼ばれコンテストで何度も優勝し、弟子たちも協力して店を盛り立てています。

 しかし、向かいの通りにパン屋が開店したことからポルトの苦悩が始まります。最初は自分にかなうはずがないと信じて疑わなかったのですが、食パンの味にうるさい常連たちはポルトの店ではパンを買わなくなったことから不安を感じるようになります。そして顔が知られていない一番弟子をその店へ送り込んでパンの秘密を探らせようとします。

 その疑心暗鬼の果てにポルトは地位も名誉もお客も失い、果ては一番弟子の未来までも奪ってしまうのです。

 ……児童書なんですよ? 子どもにここまで「嫉妬」について読ませる物語をわたしは知りません。

 あまりな展開に読んだ後に呆然としました(いちおう最後には奥さんの優しさに光りをかんじるが)。


 絵本『ルリユールおじさん』はパリを舞台にした、本の修理人・ルリユールと壊れてしまった大切な本を直してほしい少女・ソフィーの物語です。

 おじさん、といっても老人です。おじさんの父親もまた、ルリユール職人でした。物語は幼いソフィーの本を修理しながら父を回想していくことでゆったりと展開していきます。本のなりたちや時には父の思いが語られていきます。

 幼いころ父の手は魔法の手だと尊敬していたおじさんは父親に言われます「ぼうず、いい手をもて」と。

 そしてすでに亡くなった父を回想しながら思います。「わたしも魔法の手をもてただろうか」と。


 そんな、「嫉妬」+「魔法の手へのあこがれ」でできたのが拙作『エトワール』なのでした。


 身近には、私の父と兄がおりまして。

 父はエンジニアです。この道すでに半世紀以上(!)業界の生き字引、じつは大臣表彰も受けてます。

 かたや兄も父と同じ道をあゆむエンジニア。じつは全国大会で優勝したこともあります。

 父はどちらかというと不器用、兄は母譲りのド器用。

 しょっちゅう喧嘩しながら仕事をしてます。

 私が幼いころの父の手の爪の間にはオイルがいつも残っていました。大きくて力強く、なんでも直してくれる頼もしい手でした。

 今はすっかり年老い、オイルが残るほどの仕事はしなくなりましたが(汚れ落ちの良い石鹸もありますしね)、兄が父とよく似た手になってきていると思うのです。



母は和裁洋裁編み物なんでもござれ(料理だけ苦手)。

父は、まあ優しい人です。

兄は「基本改造」のエンジニアです。兄の息子も器用です。甥も自分の父親にあこがれてエンジニアになるのかねぇ。



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