新歓編 三本目勝負「七人+?」
新歓編完結です。取りあえずこの編は主要七人のキャラ決定を目標にやってみました。区別がつきましたでしょうか? ご意見、ご感想お待ちしております!
もう1時間経つな……あいつら帰って来ないな……こんな寂しい道場に置いてくなよ……
!
「岡田! お前だけか?」
「ああ。そうだ」
「他のやつはどうした?」
「百聞は一見に如かずだ。とにかく来い」
嫌な予感がする。
ここは……第一剣道場……やっぱり喧嘩売ったのか。しかし妙に静かだな。岡田、そんなに堂々と入ってって大丈夫か?
「げ……どうなってんだこれ」
第一剣道部員が全員うなだれて正座してる。泣いてるやつもいるな。
? 全員じゃないな。栗谷部長がいないし、レギュラー五人が一人もいない。
「岡田、どこまで行くんだ? そこは更衣室……」
「入るぞ」
入るのか……うお!
「栗谷! お前その顔!」
頬に真っ赤な竹刀痕が……
「……うちの部員か?」
「他に誰がいるってんだよ? てめえ部員教育何やってんだ?」
そうにらむなよ。岡田、状況教えてくれよ。
「情けない顔で見るな、橋浦。栗谷、さっきの約束忘れてはいないだろうな」
「は? 好きにしろよ勝手にやればいいだろ」
やっぱり状況がつかめない。
「何の話しだ、栗谷?」
「てめえらに部活紹介させてやるってんだよ。その代わり、三嶋にてめえから上手く言っとけよ?」
僕が三嶋先生と話すのか?
「つまり、第一剣道部は部活紹介を辞退するから、空いた時間を我々に譲ると言うことだ。その条件が橋浦が三嶋に上手く説明する事」
「無理無理! 勘弁しろ!」
「それくらい働け。次行くぞ。じゃあな栗谷」
「二度と来るな! 裏切り者!」
なんか険悪だな。それより次ってどこだ? いや、そんなことより、
「岡田! 本当に俺が三嶋先生に説明するのか?」
「当然だ。それよりさっさと行くぞ。医務室だ」
またしても嫌な予感……頭痛い……
「生きてるか」
医務室にいる人間にその言葉をかけるのはどうだろう?
「よぉ! 早かったなぁ」
「佐藤、他の奴らの様子はどうだ?」
「脇野は病院行くとか言ってぇ帰った。ムトーは仕事が残ってるとか言ってぇ生徒会に戻った」
「脇野は逃げただけだな」
「病院ってどういうことだ? 怪我したのか、脇野?」
「だからぁ、逃げただけだぁってぇ」
「楠木と佐々木はどうした?」
「佐々木はぁ第一のやつらの看病やってるよぉ。今、氷が足りなくなったからもらいに行ってるぅ」
げ……第一剣道部の残りレギュラー四人とも仲良くベッドでお休みか……うわ、痛そー。青痣になってんじゃん。みんな綺麗に伸びてんな。
ん?
「楠木……こいつもか」
「仕方あるまい。この四人連続で始末した後、栗谷とやったんだ」
「後一人だったのになぁ。まあ栗谷はオレの面で始末したけどなぁ!」
「お前に負けた栗谷も哀れだ」
「ちょっと待て。結局お前らは何をしたんだ?」
「部活紹介を賭けての、防具無しでの五対五の勝ち抜き戦だ」
「岡田がぁ補欠ぅ」
「黙れ、作戦だ。栗谷以外の四人を再起不能にした時点で俺達の勝ちだ。試合が近い奴らは、明日の紹介どころではなくからな。まあ結局俺達が勝ち、約束通り部活紹介の権利を得た」
「横暴っていうか、理不尽っていうか」
「どうせ奴らは俺達に負けたなど口外できない。俺達を侮って試合を受けたのが運の尽きだ」
「あははぁ! 明日が楽しみだなぁ!」
「俺の作戦にかかればこんなものだ」
「パッシー! おれたち明日紹介できるよね? 頼むよ?」
おお……戻ってきたか、佐々木……末恐ろしい奴らだ……
後10分でうちの番か。
「で、楠木はしょうがないとして、武藤と脇野はどうした?」
「ムトーは生徒会が忙しくてこっちに来れないって言ってたかな? ねえ? 岡田?」
「そうだ。脇野は、二年は登校日じゃないし、かったるいから来ないそうだ」
「どうするんだよ部活紹介?」
「まぁ、三人でも何とかなるんじゃぁん?」
「楠木が出られないのは計算外だったな」
もう勝手にしてくれ。僕がどれだけ苦労して三嶋先生に説明したと思ってんだ……
「おぉ? 順番だ! 行くぞぅ!」
逝ってこい。
うわ……岡田、もう少し覇気を出せよ。佐藤、女子に愛想ばっか振り撒いてんじゃねえよ。佐々木……お前、それじゃ素人の動きだよ。……こりゃ、今年は新入部員入んないかもな。
そろそろ僕のナレーションか。
「以上で剣道部の紹介を終わります」
あ……無想流付けるの忘れた……今年の新入部員は0だな。