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新歓編 二本目「出陣!」

登場人物紹介

パッシー:20代後半の教師。無想流剣道部顧問代理。主役? 「何で僕がこんな部の顧問代理なんて……」

岡田:無想流剣道部二年部員。主役。「文句を言うな。不満があるのは俺達も同じだ」

楠木:無想流剣道部二年部員。主役。「他になり手がいなかったんだよ! 真面目にやれ!」

佐々木:無想流剣道部二年部員。主役。「まあ何とかなるんじゃない? 協力するよ?」

佐藤:無想流剣道部二年部員。主役。「無理だってぇ。こいつになぁにができるよぉ」

武藤ムトー:生徒会長兼無想流剣道部部長。主役。「えーと、俺が代わりに頑張るよ。パッシーは、えー、適当にやってて」

脇野:無想流剣道部二年部員。主役。「……いらねんじゃね……」

「紹介の順番が第一剣道部の直前になったから中止!? ちょっ! 待てよ!」

「あぁ、ホリぃ?」

「うるせー! 佐藤!」

「第一の奴らが圧力を掛けたのか?」

「えー、いや、それもないわけじゃないんだけどな。岡田」

 第一剣道部! やっぱり僕が三嶋先生に目を付けられているせいかな?

「えー、順番が決まって、いろいろ資料とか作った後でな、副会長が剣道部の紹介が二つも続くと一年生が混乱するからどっちかを移動させようって言い出したんだよ」

「……大石か……」

「大石君って? 誰?」

「生徒会副会長だ。C組。学力上の中、ムラ有り。運動神経下の上」

「えー、そうそう。頭いいんだよ、彼」

「そんなことより! 移動じゃなくてなんで中止なんだ!」

 あー、なんでかわかった。大石、頭本当にいいからな。

「えーと、資料とか全部印刷しちゃってたし、三嶋先生と第一の部長の栗谷が自分達が剣道部代表でやるって言い出して……」

「それでぇ引き下がったのかぁ? ムトー?」

 うお! 佐藤の顔が更に大きくなって赤くなった! タコみてえ。怒ってんのか? 全然怖くねえ。むしろおもしろい。

「えーと、いや、生徒会長がどっちかえこ贔屓しちゃまずいだろ? だから他の生徒会員や部長の意見聞いたんだよ」

「阿呆!」

「……馬鹿か……」

 こいつらもあんまり怖くねえな。楠木が怒ってるのはいつものことだし、脇野が冷たいのもいつものことだ。それにしても……武藤がしたことは確かに馬鹿としか言いようがないな。

「うちは他から酷く迫害されている。貴様がやったことは中立の立場を採ったのではない。敵に俺達を売ったんだ」

 岡田ー! お前がまくし立てると怖い!

「そこまで言わなくてもいいだろう、岡田」

「いやぁ、パッシー。岡田の言うとぉりだぜぇ」

 余計なこと言うな、佐藤! ほら、武藤がうなだれてるじゃないか。あいつだって生徒会長と部長を兼任で大変なんだよ。

「そう落ち込むな、武藤。お前はそれなりによくやったよ。俺が行かなかったのも悪いよ」

「そうだよ。なんでパッシーは行かなかったの? ねえ、なんで?」

「……どうせ三嶋が恐かったんだろ……」

 なんてこと言うんだ、脇野!

「だっせぇ。先公から逃げる先公かよぉ」

「だからこっちを手伝うなんて言い出したのか! 最低だぞ! パッシー!」

 いや、違うんだ。ただ僕は……ごめん。本当は逃げました。

 ひい。そんな目でこっちを見ないで。こんなときは、佐々木! 助けてくれ! お前なら少しは庇ってくれるだろ?

 ん? どこへ行くんだ? 助けてくれないのか?

「え? 佐々木、どこ行くくんだ?」

「うん? 第一剣道部のとこに。紹介時間半分譲ってもらえないか? て聞きに」

「あそこの部長は栗谷だぞ! 無理に決まってるだろ!」

「あの自己中心的でうちを潰そうとしている奴から……不可能だな」

「……つうか力付くしかねえよ……」

 何言ってんだ脇野? どういう意味だ?

「えーと、つまり、えー、」

「無理矢理奪い取るってこと? 力付くで? 出入り? 戦争?」

「待て待て! それはまずい! 顧問として、認められん!」

 おい! 聞いてるのか?

 楠木! 何竹刀持ってんだ!

 佐藤、岡田! 防具を付け始めるな!

 脇野ー! 木刀だけはやめてくれ!

 武藤! 部長で生徒会長のお前が何やってんだ? 仕方なさそうにあわせてんじゃない!

「何? 何? 本当に行くの?」

 佐々木! よく言った! こいつらを止めてやってくれ!

「しょうがないよね?」

 だからなんで仕方なさそうにあわせるんだ!

「お前ら本気か? へたすりゃ廃部や停学もありえるぞ! ていうか俺の首が飛ぶからやめてくれ!」

「元はと言えばお前が会議から逃げたせいだろ! 着いて来いって言わねえから黙って待ってろ!」

「今年部員が入らなければ、いずれ廃部は避けられない」

「つぅかぁ、こいつの首の代わりに紹介やらせてもらうってぇのはぁ?」

「それはかわいそうじゃない? 大丈夫だよ、パッシー。何とかなるんじゃない?」

「……役立たずが……」

「えーと、多分大丈夫だよ。うまくやってくる」

 行くなー! 待ってくれー! あー……行っちゃった……


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