新歓編 一本目「六人+1」
楽しく書け、楽しく読んでいただければ幸です。是非とも一言でも評価をいただければうれしいです。よろしくお願いします。
最悪だ。なんで僕がナレーションなんかするんだ。こんなの部長がやればいいじゃないか。
「パッシー! ちゃんと動きに合わせてナレーション入れてくれよ!」
知るか! お前らで勝手にやってればいいだろ!
「何だよその顔。しょうがねえだろ! 人数少ないんだから!」
「先程のは只の小手ではなく、面刷り上げ巻き小手だ」
「新入生への部活紹介明日だよ? 大丈夫? もう一回技全部教えようか?」
「まぁ、所詮パッシーだしなぁ」
「……使えねえ……」
こいつら……勝手に言いやがって。ようし、言わせてもらおうじゃないか。
「いいか、お前ら。顧問に部活紹介させるなんて他の部はやってないぞ!」
「だから人数少ないんだからしょうがないって言ってるだろ! それくらい役に立てよ!」
「今更駄々こねても仕方ないだろう。皆でやるしかない」
「つぅか、パッシー、顧問代理じゃん」
「大丈夫だよ? 最低限やってくれれば。あんまり期待してないよ。心配しなくていいよ?」
「……文句言ってんじゃねえよ……」
こいつら〜……ん? 五人しかいない?
「ところで部長はどうした?」
「生徒会だろ」
「なにー? 呼んでこい! 前日リハに責任者がいないとはどういうことだ?」
「……てめえで呼んでこいよ……」
「つぅか、責任者パッシーじゃん」
「脇野! 佐藤! 今なんか言ったろう! ちゃんと聞こえたぞ!」
まったく、こいつらは目上の人間への敬意というものを知らんのか? お前らよりも十年先輩なんだぞ。ていうか先生だぞ?
「ところでオレ達って何番目に紹介やるんだぁ? 出来ればトップとかトリがいいよなぁ」
「確か今、生徒会が決めている所だ」
無視するな〜! くっそ部長のやつ早く帰ってこい! こいつらどうにかしてくれ!
「あ! 武藤! おまえ遅いよ! 早く練習するぞ!」
おお! 武藤部長! やっと来たか! 後はこいつら頼むぞ。
「なぁ、ムトー。オレたち何番目ぇ?」
「わりいな。遅くなって。ああ。えーと、それなんだけどな」
何笑ってんだよ。こっちはすごい大変だったんだぞ! さあ、部長らしい言葉でこいつらを締めてやってくれ。
「えー、明日のうちの紹介なんだけど。えー、中止になりました」
は?
「部活紹介が中止になったのか! 延期じゃなくて?」
「ちがうよ、楠木。えー、うちの紹介が中止になっただけ」
意味がわからん。
「え? なんで? なんで?」
「ちょっ、待てよぉ。かわいい一年女子にオレの勇姿を見せてやりたいのにぃ」「……佐藤、誰もデブの姿なんて見たくねえよ……」
「そう言うてめぇはチビじゃねぇかぁ」
「話を戻すぞ。詰まり俺達だけ明日は紹介しなくていいんだな?」
「何言ってんの? 岡田。やりたくないの? 本当なの? ムトー?」
「ああ、佐々木。えー、本当だ。だから明日は待機」
……いや、楽なのはいいんだけどね。なんでうちだけ? まさか僕のせいか? 生活指導か生徒会の先生を怒らせたっけ?
「武藤! 説明しろよ!」
「なんで? なんで?」
「一年女子がぁ。オレの計画がぁ」
「一応理由くらいは聞こう」
「……楽でいいじゃん……」
「えーと、つまり……