表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ハイスクール•オンライン  作者: みまたく
46/71

討伐会議2日目

誤字などありましたらご指摘下さい。

討伐会議の準備は32人のパーティメンバーの割り振りや会場準備などだった。経験者の僕と霧崎は割り振りを、沙羅たちは会場準備の方に回ってもらった。

「草葉、知っているとは思うが割り振りを手伝ってもらう高坂くんと霧崎ちゃんだ」

「ちゃんはやめてください」

霧崎がスパッと言い放った。早えよ‥‥‥。

「草葉渚だ。高2だ。よろしく頼むよ」

やっぱり第一印象は頼りになる。という感じだな。ていうか同級生か。年上だと思ってたな。

「よろしく。で、割り振りはどうするんだ?」

「前衛、中衛、後衛を基本にして、取り巻きを倒すためのパーティを別に作ろうかと思っている。これを見てくれ」

そう言って一枚の大きな紙を草葉は簡易なテーブルの上に広げた。

「見ての通り、盾持ち片手武器が4人、片手剣、細剣、短剣、片手斧などの片手武器が20人、両手剣や両手槍などが4人、遠距離系統の武器が4人だ」

紙には綺麗に全員の戦闘タイプや武器、防具がまとまられていた。

「ここから前衛、中衛、後衛を決めていく。まずは前衛だが、どうする?」

どうする?と聞かれてもな‥‥‥。

「盾持ち4人を1パーティにして相手の通常攻撃を防ぐ。というのが基本かしら」

僕の横から霧崎が言う。

「そうだな。盾持ちは1パーティでいいと思っている。全員友達同士だったみたいだし丁度いいだろう」

そこでふと議論に思ったことを口にする。

「でも前衛が1パーティってキツくないか?」

「そうだ。だから、防具が防御型の人と称号スキルが防御系のプレイヤーを4人集めて1パーティにするつもりだ。友達同士では無くなるのが問題だけど」

「なあ、友達同士じゃないとかそこはもう考えなくていいだろ」

僕の言葉に続けて霧崎も発言した。

「そんな事まで考えていたらこのレイド自体が潰れるわ」

そう言うと草葉は少し苦笑した。

「そうだな。まあ前衛は2パーティでいいだろう。中衛は片手武器を持っている人で4パーティ作る。中衛は前衛のサポート及び攻撃に重きを置くつもりだ」

草葉は僕と霧崎の顔をチラッと見た。僕も霧崎も異論がない事を確かめると話を続けた。

「後衛は1パーティだ。遠距離武器の人を固める。基本的に全体のサポートをしつつ隙ができたら攻撃という形を取るつもりだ。どうかな?」

「いいとは思うんだけどさ、そうすると戦力の大半を使っちゃうんじゃないか?取り巻きを倒すパーティはどうするんだよ」

今の話を聞くと遠距離武器持ちも盾持ちもほとんど取り巻きを倒すパーティにはいない計算になる。

「取り巻きのレベルは低い。数は多いけど大丈夫だと思っている」

「でも反感は買うわね。ボスに触れもしないし、もちろんMVPも取れないし」

ん?MVP?

「MVPってなんだ?初めて聞くぞ」

霧崎が呆れ顔のあと少し微笑んで言った。

「そうね、あなたには関係ないわね」

「おい、今さりげなく馬鹿にしただろ。ナチュラルに挟むなっての」

ちょっと可愛いと思ってしまった自分を殴り倒したい。

ポツリと草葉が声を漏らした。

「仲良いんだな」

「おい、どこを見てそう思った」

「同感ね。変な勘違いはしないで」

笹森さんがプッと吹き出した。

「君達は、仲良いだろう?」

なんで同じことを聞く‥‥‥。

「いや、良くはないですよ。たぶん」

「たぶんじゃなく絶対、よ」

さいですか。

「でもこの防具僕にくれたとき、お前知り合いって言っただろ?何気にクラスアップしてたよな」

「覚えてないわ」

草葉はハアとため息をつき、笹森さんはまた吹き出した。

「とりあえず、MVPってなんだよ?そのまんまの意味か?」

その質問には霧崎ではなく、草葉が答えてくれた。

「そのままさ。ボス戦で1番活躍したものにはレアアイテムのドロップがある。まあ取り巻きを倒すパーティではMVPは無理だろうな‥‥‥」

「あ、じゃあ僕がそのパーティやろうか?」

そう言うと笹森さんが口を開いた。

「君には中衛のリーダーを任せようと思うから無理かな」

「り、リーダー?もっと適任はいるでしょう?」

笹森さんは微笑みながらいやいや、と頭を振った。

「いや、君が適任だよ。何せ称号無しでトッププレイヤーの一員だし何せ頭がいい」

「いや、いつも平均点位ですけど‥‥‥」

ちなみに国語は超得意。数学?科学?生物?知らないなあ。

「学力の話じゃないさ。頭の回転、というかな。同じく霧崎ちゃんも頭がいいね」

すると霧崎は少しムッとしたのか僕を見据えて言った。いや、なんで僕を見るの?

「私は学力もあります」

「え、お前拗ねてるの?」

「そんなわけないでしょう?万年数学赤点さん」

「何で知ってるんだよ‥‥‥」

中学の時から数学、というより理数系にめっぽう弱い。

「まあとりあえず君は中衛のリーダーだ。取り巻きについては他の者に

任せるさ」

笹森さんがそう言ったあと、草葉がよし!と声を出した。

「とりあえず人数についてはOKだ。中衛のパーティ構成については俺が考えておくから会場準備を頼む」





会場準備は話し合いの場を設けるために簡易的な椅子ととても大きなテーブルが置いた。さながら学校の教室のようだ。まあ外だけど。

草葉が人数を数え、全員いることを確認すると大きな声で言い放った。

「集まってくれてありがとう!今日はパーティの組み合わせを発表する!不満はあるかもしれないけど現状これが1番いいと考えている。もちろん意見は大歓迎だ!まずは前衛Aパーティからだ」

そう言って前衛から名前を呼んでいく。おい待て、前衛の4人ムキムキすぎだろ。ラグビー部とかだったのかもしれないな。頼りになりそうだ。前衛Bパーティには草葉の名前があった。自分で自分の名前を言った時少し恥ずかしそうだった。

「次は中衛だ。中衛は人数が多い。そこでリーダーを立てることにした。リーダーは高坂咲人」

なんか恥ずかしい。どんな奴だ、という視線が僕に突き刺さる。

「中衛は4パーティ作る。中衛Aパーティに高坂咲人と空音沙羅、桜庭宏太、片桐久美。中衛Bパーティが」

沙羅と桜庭さんと一緒か。まあそこはいい。ちなみに椿と夏美、笹森さんも中衛だ。それより問題は、だ。

「それと取り巻き討伐パーティを君達4人に頼みたい」

そう言って草葉は男子4人の前に立った。

「この役が辛いのは分かる。でもレベルや装備の事を見ると君達が1番だと思って」

やめろ、そこで変に気を使うな草葉。相手も苦しくなるだけだぞ。

僕がそう思ったのと裏腹にその男子たちの1人がとても低い声で言った。

「大丈夫だ。俺達はMVPには興味がない。気にするな」

ゾクッと何故だかその声を聞いたときに背筋に寒気が走った。

「そ、そうか。すまないな。よろしく頼むよ」

草葉が少しホッとしたような声を出した。

「よし、まだ呼ばれていない人達は後衛だ。パーティメンバーで集まって軽く自己紹介でもしてくれ」

てことは霧崎はやっぱり後衛か。

というより出た。自己紹介。今回は知ってる人が多くて助かったけど自己紹介って難しいよね。中学一年の時の自己紹介はやらかした。変に受けを狙おうとして失敗した時のあの雰囲気。思い出したくもない。

するとスタスタと桜庭さんがこっちに歩いてきた。少し離れた所にいた沙羅もこっちに来た。

「一緒っすね。空音ちゃんもよろしくっす」

「はいっ。こちらこそよろしくお願いします」

ニコニコと笑顔で沙羅が言う。

「あれ、片桐さん、だっけ。どこだろう」

久美という名前からして女子なんだろうけど‥‥‥。

「ねえ」

「え?」

振り返るとそこには!‥‥‥うまく言えないな。なんというんだろう。なんだか少し怖い女子が立っていました。藍色の長い髪をシュシュでまとめている。少しダルそうにしている。

「あ、もしかして片桐さん、かな?」

「そう。あんたが高坂?」

そう言って片桐はジロッとこっちを値踏みするように見てくる。

「え、そう、だけど」

「そう。パーティは組むけど仲良くするつもりは無いから。じゃあね」

oh‥‥‥。実にストレートな言葉をありがとう。

「ちょ待てよ」

「‥‥‥なに?」

引き止めたはいいもののなんと言えばいいのか分からない。

「は、腹減らない?」

「高坂くん、まだ10時過ぎだよ?」

分かってるよ!他に思いつかなかったんです。

すると少し遠くで草葉の声が聞こえた。

「よーし!ある程度済んだかな?これからそのパーティでレベ上げをしようと思う。パーティメンバーの動きをしっかり頭に入れておくように!目標は平均で15レベルだ。次の会議は明後日にする!では解散!」

「‥‥‥というわけだ!」

「‥‥‥はぁ」

片桐は盛大にため息をした。

なんか心配なんですけど。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ