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ハイスクール•オンライン  作者: みまたく
43/71

討伐会議1日目

いつもに比べたらすごい長いです。

誤字などありましたらお知らせください。

感想もお書きになっていただけたら嬉しいですー^_^

今日はボスモンスター討伐会議がここレイクヘッドで開催されるはずだ。

ボスモンスターは4人一組のパーティを最大で8つ繋げて行われる。もちろん一人でも挑戦できるが、この世界では実践する猛者はいないだろう。

「よし、そろそろ行くぞ」

現在時刻午前9時45分。討伐会議は10時からの予定だ。みんな防具には着替え終わっている。街の中だから別に防具装備じゃなくてもいいと思うけど、霧崎が防具で来いと言うので着替えた。

「えー早いよー。5分もしないで着くよ?」

集合場所は湖の東に隣接している公園。ここからはちょっと歩けばすぐ到着するだろう。

「10分前行動だ。ほら、教室でも授業の前に早めに席についてただろ。それと同じだよ」

まあぼくはともだちいなかったからせきにすわってるしかなかったんだけどね。あ、ちょっと悲しくなった。

「ホントにそういうの守ってる人いたんだ‥‥‥」

「そりゃいるだろ。ほら行くぞ」

なんというか、緊張感がないな‥‥‥。

「椿と夏美はもっと緊張感持ってるぞ。霧崎にいたってはもう出発しちゃったし」

リーティは今日だけは別行動になっている。リーティにもなんだか気を使わせてるな。

そう言うと沙羅は少しだけ微笑んで言った。

「‥‥‥でも、さ。気負い過ぎてもだめだよ。ね?」

「そうかも、しれないけど。命がかかってるんだ。それもどれだけの強さかもわからない敵と戦う。今までの安全な戦闘とは訳が違うんだ」

ボスはどれだけの強さなんだろうか。ゲームの頃と違うモンスターだったらどうする。同じでも攻撃パターンが違ったら?そして犠牲者は出てしまうのだろうか。‥‥‥それが自分になる可能性もある。

「‥‥‥まあ、沙羅の言う通りでもある。でも緊張感は持てよ。はい、シリアスな雰囲気終わり!行こうぜ」

「うんっ。椿さん、夏美ちゃん出発するよー」

「分かりました。あ、武器は装備してたほうがいいでしょうか?」

椿がふと思ったのか疑問を口にした。その後に夏美も続く。

「あ、それ私も思ってた。どうするの?」

「うーん、そこまでしなくていいんじゃないか?」

これからボスを討伐しに行くわけでもないし。話し合いだけなら武器はいらないだろう。

「了解です」

「りょーかい」

よし。

「あ、なんだかんだで時間食っちゃったな。ほい、歩いた歩いた」

こうしてやっと出発できた。

出発して約3分、目的地の公園が見えてきた。それに討伐会議に参加するであろう人たちも見え始めた。

「よし、到着。霧崎どこいるんだ?」

別にこの会議まで一緒にいないといけないわけではないけど気になるな。うーん、見つからないな。

「ねえねえ高坂くん。これ、全員この会議に参加する人たち?こんなに多いんだ」

目の前にはおよそ100人はいるだろうか。ボス討伐レイドの最大人数は32人。人が多すぎる。

「討伐会議を単に見に来た人もいるだろうけど‥‥‥多すぎるな」

すると凛とした全員に聞こえるほどの声で1人の男が叫んだ。

「みんな、集まってくれて感謝する!俺はこの会議を立案した草葉渚〈クサバナギサ〉だ!」

その男は木の箱の上に立ち、僕たち全員を見渡す。その男の周りには仲間なのか5人ほど集まっている。

というかイケメンだな。髪もピシッと決めている。正義感も強そうだ。いかにもリーダーに相応そうなやつだ。

「これから全員の名前、レベル、防具、武器、称号をチェックする!称号はあることを確認するだけだ。心配しないでくれ!」

‥‥‥oh。

「まじですかい‥‥‥。みんな、武器装備しよう」

まあ仕方ないっちゃ仕方ない。確認は必要だよね。

「今から俺の仲間たちが君たちを回っていく。仲間は全員見ただけで武器や防具は分かるから自分の名前とレベル、称号名だけ口頭で話してくれ!」

見ただけでわかる、という事は草葉の仲間は全員HPO経験者か。

「ボス討伐に挑戦しようと思わない人は横にずれてくれ!希望者は縦4列に並んでくれ!」

おお、的確に指示を飛ばせてる。僕にはできないだろうな。

偉そうに、と陰口を叩く者もいたが、全員が並び終わった。僕たちは人に流され後ろの方に並んだ。

やはり見学者がいたが、それでもまだ人が予定の人数の倍以上いる。

「‥‥‥よし、チェック開始だ!」

4列に並んだ僕たちを4人の草葉の仲間が1人ずつチェックしていく。手には簡易なボードがある。

「あんなに人をまとめれるってすごいですね」

椿が木箱の上に立って様子を見ている草葉を見ながら言う。

「ああ、カリスマっていうのかな。尊敬するよ」

学校でいう生徒会長もそうだ。まあほとんど人気投票みたいなところがあるだろうけど、その人気も才能だと思う。

沙羅たちと話していると少し前でおおおっという歓声が上がった。

「おい、聞いたか?レベル18だってよ」

「化け物かよ。しかもあの格好、後ろ姿しか分かんねえけどどんな奴か顔見てみたいぜ」

「いや、それが超可愛かったぞ」

「まじかよ!」

‥‥‥あっ、霧崎発見。

「さすがだねー霧崎さん」

「ああ、ほんと。あいつも流石だ」

容姿端麗、成績優秀、いまでは最強クラス。これで性格良かったらほんと超人だな。今でもだけど。

「次、君だ。名前は?」

横から声をかけられた。そこにはなんというか、グラマラスなお姉さんが立っていた。髪型は長い黒髪をポニーテールにしている。予想は高3だな。たぶん。

「あ、高坂咲人です。レベルは12です」

「高坂くんね。えーと装備は、んん?」

するとそのお姉さんは少し顔をしかめた。

「おい、桜庭!この装備何て名前だっけ?」

お姉さんは少し遠くにいた背の低い男子に向かって声を掛けた。

「どうしたっすか?笹森さん」

「いや、この装備なんだが、何か分かるか?」

あれ、なんで僕に聞かないんですかねえ。

「お、おおお?!ブラックシーズシリーズの男性バージョン?!ヤバいっす。初めて見たっすよー‥‥‥」

え、えええ。なんかいきなりテンション上がったなこの人。

「名前は、高坂くんか!超絶運がいいね君!これ女性バージョンも激レアだけど男性の方はもっとレアでね!よくコートとレギンス落ちたね!」

「え、あ、いや、これは貰ったんですよ」

そう言うと桜庭、と呼ばれた彼は僕に向かってブッ!と唾を飛ばした。

「あ、悪い悪い‥‥‥。貰ったぁ?!誰に?!」

うわ、なんかこの人グイグイくる。ちょっと苦手だ。

「え、えーと、ほら、あいつですよ」

僕の指差した先には当然霧崎の姿が。すると霧崎は何かに気づいたのかこっちを振り向いた。

「かわっ、いや、そんな子に、え、あの子もブラックシーズ‥‥‥?」

「だ、大丈夫ですか?」

すると桜庭、さん?は僕の肩に手を置いて言った。

「‥‥‥まあとにかく、爆発しろっす」

「なぜに?!」

意味がわからんぞ!

「あー桜庭、もういい。持ち場に戻れ」

「いや笹森さん、でもですね、こんなリア充」

「も・ど・れ、と言っている」

「‥‥‥っす」

そして桜庭さんはトボトボ戻っていった。なにこれ?

「いや、すまない。あいつは根っからのゲーマーなんだ。まあとにかく、ブラックシーズ、だな?」

ちょっと冷たい感じだがどこか安心する感じだな。笹森さん。

「あ、はい」

桜庭さんはHPOやり込んでたのかな‥‥‥。どこかイキイキしてたし。

「武器は、お、デュホークブレイドじゃないか。これはまたレアだな。何者なんだ君は」

この笹森さんもHPO好きなのかな。今も少し笑顔が漏れている。

「で、称号名は?」

来ちゃったよ、どうしよう。

「え、えーとですね。あ、ありません」

「‥‥‥ない?」

聞き返さないでくれよぉ‥‥‥。

「そうです。僕は称号を持っていません」

「持ってないって‥‥‥。ま、まあいい。了解した。次、君だ」

「あ、空音沙羅です!15歳です!」

なんか沙羅テンパってるな‥‥‥。


それから少しした後、全員チェックし終わったのか草葉が手をパンッと叩き、全員の目線を集めた。

「よし、じゃあ今から言う人達はこっちに来てくれ!」

次々と草葉が名前を読み上げていく。たぶんレイド最大人数32人に入るトッププレイヤーを読み上げているんだろう。

「霧崎咲子さん、吉谷祥司さん、‥‥‥」

やっぱり霧崎は呼ばれるか、当然だな。‥‥‥ん?あのイケメンも呼ばれなかった?気のせいかな?

「高坂咲人さん、空音沙羅さん、椿桜さん、鳴海夏美さん、片桐久美さん。以上だ!呼ばれなかった人は今回はすまないが無かったことにしてくれ!」

お、呼ばれた。沙羅たちも全員呼ばれたな。良かった良かった。

「おい!ふざけんなコラァ!なんで俺が入ってねえんだよ!」

「俺もだ!納得いかねぇぞ!」

まあ、納得できない人もいるだろう。当然だ。

「‥‥‥俺は勝ちたいんだ。こんなふざけた事をした奴らに思い知らせてやる。だから、すまない」

‥‥‥。ふむ。

「ちっ、勝手にやってろ」

「いこーぜ」

選ばれなかった半数以上は文句を言う者、何も言わず去る者、草葉の意見に心奪われたものなど様々いたが無事におさまったようだ。

「じゃあ呼ばれた人は来てくれ!そう、集まって」

草葉がコホンと一回咳払いをした後こう続けた。

「みんなは間違いなく現時点ではこの世界でトップの実力を持っている。この中でHPO経験者は手を上げてくれ」

これはあげて良いのだろうか。まあやった事はあるし上げよう。

「およそ6割、といったところかな。やっぱり男子が多いね。笹森合わせて女子は7人か。じゃあ続きを笹森、お願い」

「了解した。ボスは知っての通り第5の街〈シグルーン〉に到着後、クエストとして出現する。次の街へ進めないため、到着した翌日ボスを叩く」

実に分かりやすい説明だ。HPO経験者でなくても分かるようにしてくれたのかな。

「ボスについては、まあそれは明日でいい。今日は解散!あ、全員私とフレンドになってくれ。何かあったら連絡するように」

了解です。

「あんな女子とお近づきになれるなんてな」

「ああ、運がいいぜ」

中にはいるよね、こういう人いるよね。32人中女子は7人しかいないからね。

「ちなみに、私は家が剣道の道場をやっていてな。下衆なことをする輩には手が滑るかもしれん」

‥‥‥怖っ。なにそれ。漫画のキャラみたい。

「何かあったら連絡だぞ。次、は高坂くんか。名前は覚えたぞ」

「はあ、光栄です」

たぶん討伐会議に出てるくせに称号持ってないからだろうな。そうだろうな。

「よし、なにかあったら連絡だ。いいな?それと明日の同時刻またここで会議だ。忘れないように」

「了解です」

沙羅たちも当然全員笹森さんとフレンドになった。

それよりこれからどうしよう。11時前か‥‥‥。のんびりしてもいいけどなぁ。

「高坂さん!」

後ろから声をかけられた。振り向くと爽やかなイケメンスマイルが。

「えっと、吉谷くん、か」

やっぱり聞き間違いじゃなかった。

「やはり参加するんですね。あ、空音と椿さんもですか。そちらは?」

吉谷が夏美を見て言う。

「あ、鳴海夏美です。よろしくお願いします」

「あ、敬語はいいよ。吉谷祥司です。よろしくね」

そして吉谷はニッと笑う。出た、イケメンスマイル。

「ちょ、ちょっと咲人、あんた全部負けてるじゃない」

「なんの話だよ?!それと余計なお世話だ!」

あれ、夏美ってこんなキャラだっけ。

「あれ、清水は?」

「ちょっとありまして、今は別行動中です」

ちょっとってなんやねん。まあいいか。

「あ、用事があるのでこれで。頑張りましょう!」

「おお、明日忘れないようにな」

なんか疲れた、1時間くらいしか経ってないのに‥‥‥。

とりあえず、明日だ。




吉谷くんはモブではありません笑

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