始まり
3.始まり
始業式の日は午前中で終わるため、帰りのHRではクラスメイト同士が帰りにカラオケいこーぜ、やファミレスで昼飯食って帰ろうと、友達と午後の予定を立てながら終わろうとしていた。もちろんその中に僕は入っていない。するとそのとき、一通のメールを受信した。送り主は、HPOの運営?
と思った瞬間、クラスメイトたちの持っているすべての携帯にメールの着信が来た。
「HPO運営ってとこからメールきたんだけど何これー?」
「俺も来たぞー」
「私もー、なんなのこれー?」
「全員にきてんじゃね?」
と、様々な声があがる。そんな声を聞きつつメールを確認する。
〈全国の高校生のみなさん、あなた達はこのたび、HPOでの実験に強制参加していただきます。
このメールが届いた方は10分以内にHPOへと強制転移します。
ご武運を HPO運営より〉
なんだこれ。
「迷惑メールじゃね?」
「どこからメアドもれたんだろ?」
「転移ってなんだよー笑える」
など、まあ大抵俺と同じような意見をもっているようだ。僕のメアド家族以外に教えてないのになんで漏れてるの?あ、言ってて悲しくなってきた。いや、Am○zonには登録してたか?いや今はどうでもいい。
それにしてもHPOか、懐かしいn
「うわっ!なんだよこれぇ!」
いちいちうるさいな、え?
その最後のえ?は目に映る現象が信じられないものであるためにでたものだ。1人の男子生徒の体が首から上以外消えている。いや、今も消え続けている。そしてその男子生徒は教室から姿を消した。
‥‥‥おいおい、なんだよこれ。マジック?な訳ないよな。じゃあ何だこのメールが関係してるのか?まさか本当に転移するのか?
やばい、疑問点だらけだ。
「きゃあぁぁっ!」
続いて女子生徒の1人が消えていく。
「うわあぁぁっ」
「助けてぇぇーっ」
そしてまた1人、また1人と次々に消えていく。担任も何が起こっているのか分からないようにうろたえているようだ。
「‥‥‥っ」
考えを巡らせていると自分の体が足から消えていく。腰、肩まで消えてしまった。ふと隣を見ると霧崎も消え始めたようだが無表情のままだ。
ホント、何考えてるかわかんないな。最後にそう思い、僕は消えた。