到着
本日2回目の投稿です。少し短いですがよろしくです〜
現在時刻16時45分。カフトへ到着した。何回か戦闘があったが僕も夏美も苦戦はしなかった。
現在の夏美のレベルは8で武器は短剣。称号スキルはまるでアサシンのように素早く敵を一閃する技だった。かっけぇ。
「なんか小腹がすいたなぁ」
夕飯には早すぎるしガッツリは無理だけど‥‥‥。
「あたしも少し減ったなー」
夏美もお腹に手を当てながら言う。
「なんか無いかな‥‥‥あっ、ちょっとここで待ってて」
とあるものを見つけた。いやー、なんだかんだこれになるよね。
「山菜ドック2つ」
「‥‥‥5サンだ」
相変わらず無愛想な店員だな。
「5サンね。‥‥‥ん?5サン?2つですよ?」
「‥‥‥5サンだ」
「いや、だから2つなので10サンですって」
「‥‥‥喫茶店で、あいつを助けてくれた礼だ」
「あいつ?」
だれか助けたっけな。椿じゃないよな‥‥‥。あっ
「あの店員さん?」
「‥‥‥そうだ」
椿の一件で喫茶店でもめた時に困った顔をしていた店員さん。人の良さそうな女の人だった。あぁ、まさかぁ?
「恋人だったりするんですかぁ?」
「‥‥‥500サンだ」
あ、調子乗りすぎた。
「ごめんなさい勘弁をー」
「‥‥‥10サンだ」
「はいよ」
10サンを渡す。その後に山菜ドックを2つもらった。なんか懐かしいなぁまだ最近のはずなのに。
「ありがとう」
「‥‥‥」
お礼を言ったが最後は無愛想のままだった。
「お待たせ、はい」
夏美に山菜ドックを渡しながら自分の分を食べ始める。
「これは?」
「山菜ドックだよ。結構おいしいよ。何回も食べてたら飽きる人もいるけどね」
夏美はへー、と山菜ドックをマジマジと見る。そんな珍しい物じゃないと思うけど‥‥‥。
「初めて見た。あんな怪しい所普通は行けないもん」
「あやっ?!」
怪しい?!まあちょーっとみすぼらしくて食べ物を扱うようには見えないけど怪しくはないだろう。たぶん。
「そんな事ないぞ。普通に美味いし‥‥‥」
「咲人?」
そういえばさっきの僕と無愛想な店員の会話。あれは普通の会話だ。プログラムされて喋ってるんじゃない。そう、まるで生きてる様に。この世界の本当の住人は彼らなのか?本当は僕たちが主役なんじゃないとしたらどうなる?
「確証はないけど、彼らはプログラムじゃない。自分の意思を持ってる」
ボソボソっと声が漏れる。
「さーくーと!」
「はいっ」
「何をブツブツ言ってるの。あと、これほんと美味しいね」
また自分の世界に入ってた‥‥‥。あと夏美のほっぺに山菜ドックのソースが付いてるのは教えるべきか‥‥‥。いっか、可愛いし。
「ごめんごめん。考え事してたよ。美味しいよねこれ」
そう言うと夏美はニーッと笑ってうん!と頷いた。
「食べ終わったらさっさと行こう。宿屋も決めないとだし」
今日はカフトに泊まろう。沙羅にもメールはしたし問題ないはずだ。返信は意味不明だったけど。
「あ、こっちに泊まることにしたんだ?」
「うん、 今日中に戻るとなると相当遅くなっちゃうからね」
帰れるとは思うけどそこまで無理しないでもいいだろう。
「そ、そっか。宿屋ね。どど、どこ泊まろっか?」
「んん?一緒じゃなくても良いよ別に」
「いいの!その方が明日もシーサイドに戻りやすいでしょう?」
「それもそうか。と、食べ終わったね?」
「うん、行こっか」
「その前に!」
やっぱり気になる!我慢出来ん。夏美のほっぺに付いているソースを指でそっと取る。
「ソースがずっと付いてたよ。面白かった」
ここで僕の指に付いたソースを自分で舐めれたりしたらカッコいい!てなるのだろうか‥‥‥しないけど。
と、その時夏美の指が僕のほっぺにそっと触れた。
「な、にゃに?!」
「ふ、ふふ。ソース付いてたよ?」
‥‥‥は、恥ずかしい!出来れば忘れて欲しいくらい恥ずかしい!
「とにかく行こっか?ドジ同士で」
夏美がニヤッと笑いながら言う。
「そ、そうだね。ドジ同士で、ね」
沙羅と椿には言わないでほしいと思った。




